10.29「市民の風あおい駿河」が総会
闘ったら変えられる
菱山南帆子さんが講演
【静岡】市民と野党の共闘組織である市民連合しずおかの静岡市の組織である「市民の風あおい駿河」は、昨年8月7日に設立され、昨年秋の衆議院選挙、今年夏の参議院選挙における市民と野党の共闘を推進する立場から活動を行い一年が経過した。この1年の運動の総括と今後へ向けて総会と菱山南帆子さんをお招きして講演会が開催された。
「市民の風あおい駿河」代表世話人の藤原玲子さんの開会あいさつを受け、早速、菱山南帆子さんの講演となった。菱山さんは中学1年でイラク戦争反対デモに参加、以来、安倍政権下で進められた安保法制、特定秘密保護法、共謀罪などに反対の声をあげ続けてきた。デモや集会でよく通る声でシュプレヒコールをあげている元気な女性が彼女だ。現在、「許すな!憲法改悪・市民連絡会」事務局長のかたわら「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などで活動、各地を講演して回るなど精力的に市民活動を行っている。
奪われたもの
取り返す運動
菱山さんの演題は「改憲を許さず、カルト政治を変えよう! 市民運動にできること」と題して幾つかの項を立てて話された。
「衆・参選挙の教訓、国葬実施閣議決定からの反対運動と世論の盛り上がり」
「殺害事件が明らかにした統一教会との政治家の癒着」
現在の情勢について触れ、衆院選、参院選の総括的視点として、野党がバラバラでは勝てないことが誰にもはっきりと分かった。メディアが言うような野党共闘ではなくて市民と野党の共闘であって「野合」ではない。安倍殺害事件から明らかになった安倍晋三を筆頭とする統一教会と政治家の底深い癒着や国葬反対の運動の広がりを通じて9・27安倍国葬の前と後は状況が劇的に変わった。国葬後はみんなの顔が明るい。安倍政治が終わった。これからは奪われたものを取り返す運動だ。闘ったら変えられる。声を挙げたら変わると訴えた。
歴史を学んで
デマとの闘い
運動に対する中傷や貶めることを目的とした「デマ」に触れて、安倍晋三はデマの塊まりだったと述べ、在日朝鮮人・中国人に対するヘイトやレイシズム、あるいは1万5千人の国葬反対集会の人数デマ(野鳥の会を騙る国会前参加者308人)やウクライナ侵略でのロシアによるデマなど、デマの怖さに言及しデマとの闘いは歴史をしっかり学ぶことと述べた。
臨時国会の
焦点は何か
開会中の臨時国会に触れて、焦点となっている北朝鮮や中国の動きを利用して軍事費倍増を目論んだり、安倍政権下でのアメリカ製兵器の爆買いのつけ払いをしている場合かと述べ、憲法を知らない、使ったこともない人間が憲法審査会を主張することを批判し、憲法を活かすことこそ重要だと述べた。
改憲発議を許さないこと
憲法改正の国民投票に触れては、国民投票法の問題点に触れ、「国民投票に備えなくてはならない」といった意見に対して改憲発議をさせないことこそ重要だと述べた。岸田政権の支持率が危険水域レベルであることに触れ、立憲野党にとってチャンスだと述べ、そのためには躊躇することなく課題となる運動を「振り切ること、やりきること」が大切と述べた。
自公・維新に
出来ない政治
そのために自公政権・維新には絶対できない政治を進めること。それは、ジェンダー平等と命とくらしを守る政治を進めることと述べた。
菱山さんが全国を講演などで回る中で聞かれるのは「若い人が何故立ち上がらない」のかという問なのだそうだ。今時の若者は権利を知らない、権利に守られたことがないが生きづらい世の中、社会変革ではなくて自己変革へ向かってしまう。時給1000円に満たない賃金なのに「経済を回さなければならない」といった経営者感覚を持ち、自分が安全な所にいて頑張っている人を冷笑するような態度が格好いいと思わされている。実はよく話を聞けば色々ある。若い人を運動に招き入れるには上から目線は絶対ダメ!、共感と傾聴の姿勢が大事だし、楽しくてわかりやすい運動を。私たち自身の運動スタイルをアップデートすることがとても大事と締めくくった。
市民連合と共闘する県内の立憲野党からのあいさつの後、「市民の風あおい駿河」の事務局長の大多和暁さんからこの1年の活動報告と総括、今後の活動について提起を受けた。
課題克服に
挑戦し続ける
この1年2カ月の間に24回に及ぶ拡大世話人会の開催、16回に及ぶ街頭キャンペーン、5号に及ぶニュースの発行、政党への要請行動、ポスター・チラシ・パンフレット作製など精力的に活動をしてきた。しかしながら総括の中で①基礎体力の強化②ネット社会への対応力欠如③若者へのアプローチの不足といった問題点が指摘され、今後の活動の中で力を入れていくこと、来春の静岡市長選への準備、あるかもしれない2023年総選挙への対応などが示された。 (S)
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