投稿 安倍の国葬反対闘争に参加して
SM
9月27日・火曜日、14時から国会議事堂正門前を中心に〈安倍元首相「国葬」反対!9・27国会正門前大行動〉がおこなわれた。主催は〈安倍元首相の『国葬』に反対する実行委員会〉で、呼びかけは〈戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会〉だ。すごい人の数だった。主催者発表によると、参加人数は1万5千人だという。「日本野鳥の会のカウントでは三百七人」などというツイッター上での投稿がデマであることは一目瞭然というのが1参加者としての私の実感だ。
「9・27国会正門前大行動」での発言は、インターネットのレイバーネット日本で全動画を視聴することができたが、このまえ、あらためて見てみたら、見方が悪いのか、その部分は見つからなかった。
私は「9・27国会正門前大行動」で、前面に「『国葬反対!税金は困っている人びとに最優先で使え!』(某政治家)」(上段)「人間はみんな平等だ! 自由・平等・平和! 『人間の顔をした社会主義』を!」(中段)「★『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』 樋田毅 著 文藝春秋 ★『検証 内ゲバ 日本社会運動史の負の教訓』 小西誠 他著 社会批評社 ★『検証 内ゲバ〈PART2〉 21世紀社会運動の「解体的再生」の提言』 いいだもも 他著 社会批評社」(下段)のプラカード、背面に「「安倍の国葬」にも「スターリンの国葬」にも「エリザベス女王の国葬」にも反対する! あらゆる国葬に反対する! 国家が人間の命にランクをつけるな!」(上段)「自民党・公明党・統一教会の「連合カルト政権」を打倒しよう!」(中段)「未来の世代をして、人生からすべての悪と抑圧と暴力を一掃させ、心ゆくまで人生を享受せしめよ。(1940年2月27日)トロツキー/訳 西島栄」(下段)のプラカードを身につけて参加した。私のプラカードを写真にとっている参加者らしき人もいた。
集会中「横長横断幕」を掲げていたグループの1人だろうか、私に「どいてくれ」といってきた人がいた。私はすぐにどいてしまったが、後から考えると、理由もいわず「どいてくれ」と人にいうのは「どうか」と思う。
安倍の国葬がおこなわれた9月27日をマスコミはどう報道したか。テレビはどうだったか。インターネットの『しんぶん赤旗』2022年9月28日(水曜日)は「テレビ各局は一部を除いて「国葬」の模様を生中継するなど、異常な報道ぶりとなりました」(「国葬」一色報道 TV異常、藤沢忠明)とのべている。 2022年9月28日(水曜日)の『東京新聞』朝刊23面は斎藤美奈子さん(文芸評論家)が「二十七日に行われた安倍元首相の国葬。各局の中継をザッピングしながらざっと見た限り、比較的マシだったのはTBSである。式典を粛々と流すNHKは論外としても、各局が神妙に中継を続ける中、安倍氏の生前の業績を讃(たた)える(不愉快な)映像が流れる間も岸田首相ほかの(白々(しらじら)しい)追悼の辞の間も、木村草太氏らをコメンテイターに加えたTBSはスタジオでの雑談というか会話を挟み続けた」(こちら特報部、本音のコラム、中継の作法)とのべている。
2022年10月29日(土曜日)の『毎日新聞』夕刊は、日本テレビ・フジテレビ・テレビ朝日の報道を評価している。TBSは「分かりにくかった」、NHKの報道は「式の様子をそのまま伝える点に重点が置かれていた」と批判している(「安倍元首相国葬 いかに報道 山田健太・専修大教授が「解読」」)。「また山田氏は、弔砲の実施や自衛隊の儀仗(ぎじょう)隊が安倍元首相の自宅前で弔意を示した点について触れ、「今回はある意味で『自衛隊葬』だったと言える。なぜ自衛隊がここまで前面に出たのか、その疑問に答えることこそがメディアの責任だった。だが、報道機関はそれをほぼ放棄したといっていい」と指摘した」(松原由佳、屋代尚則)とも報じている。
新聞はどうだったか。9月28日(水曜日)の『東京新聞』『毎日新聞』『神奈川新聞』『朝日新聞』『日本経済新聞』『読売新聞』『産経新聞』朝刊1面と『日刊スポーツ』社会面を図書館でみくらべてみた。
いちばんひどいのが『産経新聞』1面だ。反対集会については写真も文章も載せず、コラム(1面、産経抄)や識者のコメント(28面)で反対派を一方的に批判している。『産経新聞』は、「スターリン主義によってゆがめられた共産党」国家の機関紙とよく似ている。
つぎにひどいのが『日本経済新聞』と『読売新聞』だろう。『日本経済新聞』1面は、反対集会について写真も文章も載せていない。『読売新聞』1面は、反対集会にも小さくふれているが、写真も人数も載せていない。
つぎにひどいのが『日刊スポーツ』(23面・22面)といったところか。「日本武道館で行われた安倍元首相の国葬」の写真は23面に大きく、「9・27国会正門前大行動」については22面に写真いり・人数ぬきで小さく下の方に載せている。
つぎが『朝日新聞』と『神奈川新聞』だろうか。『朝日新聞』1面は、「9・27国会正門前大行動」について写真なし・人数ぬきで小さく報道している。『神奈川新聞』1面は、「9・27国会正門前大行動」について人数ぬき・記事ぬきで「日本武道館で行われた安倍元首相の国葬」の写真よりはやや小さな写真のみを載せている。
『毎日新聞』」1面は、それらよりは少しマシといっていいかもしれない。だが、「日本武道館で行われた安倍元首相の国葬」の写真と同じくらいのおおきさで「国会議事堂前で安倍元首相の国葬に反対する人たち」の写真を載せているし、記事も人数つきで載せているが、記事はとても小さなものでしかない。
1番マシなのが『東京新聞』1面かもしれない。「国会議事堂前で安倍元首相の国葬に反対する人たち」の写真は「日本武道館で行われた安倍元首相の国葬」の写真よりもやや小さいが、記事も人数も他紙よりは大きなあつかいだ(『東京新聞』は「全国で抗議 国会前「1万5000人」」という見出しも載せている)。だが、それでも1番めだつ見出しは「賛否交錯の中」といったものでしかない。「賛否割れたまま」(『日刊スポーツ』)とか「賛否割れる中」(『毎日新聞』)といった見出しもだが、間違っている。反対が賛成をはるかに上回っていたのだ。私なら「反対が賛成をはるかにうわまわる中」といった見出しをつけるだろう。
『東京新聞』は、それでも「9月27日の国葬についての報道」は比較的健闘したといっていいかもしれない。だが、天皇制についての報道はどうだ。まったくダメではないか。日本のメディアは死んでいる。まったく期待できない。市民の手で「新しい日刊新聞」をつくるしかない。私はそう考える。
9月27日後もたたかいは続いている。「差別も暴力もない世界」「自由で平等で平和な世界」をめざして共にがんばろう。市民の手で「新しい日刊新聞」をつくろう。
【追伸】2022年9月28日(水曜日)の『朝日新聞』朝刊27面は、「全国紙・NHK参列への対応は」という記事を掲載した。それによれば、読売新聞・日本経済新聞社・毎日新聞社・産経新聞社・NHKが参列、朝日新聞社が欠席したようだ。だが、その朝日新聞社も「安倍元首相のご逝去を悼み、改めてお悔みを申し上げます」とのコメントをだしたという。「新しい日刊新聞」が必要だ。
(2022年11月1日)
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