保険証廃止方針を撤回せよ
マイナンバー強制反対!
衆議院緊急院内集会を開催
カード取得は
任意のはずだ
11月17日、衆議院第2議員会館多目的会議室で、「保険証廃止反対!オンライン資格確認・マイナンバーカード強制反対!緊急院内集会」が、マイナンバー制度反対連絡会、共通番号いらないネット、全国保険医団体連合会、マイナンバー違憲訴訟全国弁護団の主催で行われた。会場に溢れた200人、ネットで200人が参加した。
10月13日、河野大臣が突然、2024年に保険証を廃止しマイナンバーカードに一本化すると表明した。しかし、そんなことは出来ないし、マイナンバーカードを取るのは任意だ。このような不当な強制をはねかえし、プライバシーと皆医療制度を守る市民と医療関係者による緊急院内集会が開かれた。
監視社会化を
許さないぞ!
住江憲勇さん(全国保険医団体連合会)が主催者あいさつを行った。
「政府はマイナンバーカードによるオンライン資格確認を義務化するという強引な政策を推し進め、医療現場を困難な状況に陥れている。また、任意であるはずのマイナンバーカード取得を強制する保険証廃止方針を突然、河野デジタル大臣が表明した」。
「そもそも政府が行う閣議決定には、国民に新たな負担と義務を課す法的拘束力はない。しかし、今回、6月7日の閣議決定で『原則義務化によって新たな義務と相当な負担を課す』とした。これは国会を無視するものだ。マイナンバーカード取得も任意だ。保険証廃止なんてありえない」。
「義務化の撤回、大幅な除外措置を取らせる。国会議員への要請。署名運動、国会での徹底審議を求めて運動を広げよう」。
続けて共通番号いらないネットの原田冨弘さんが発言。
「マイナンバーカードの取得促進のために政府はマイナポイントのために2兆円のカネを使った。そして『骨太の方針2022』閣議決定(6月7日)。その内容は『保険医療機関・薬局にオンライン資格確認の2023年4月から導入を原則として義務付け。2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指す。オンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す(加入者から申請があれば保険証は交付される)など』だ」。
「この閣議決定を4カ月後、10月13日の河野大臣の保険証廃止の記者会見で変更した。マイナカードを持てない人・持ってない人と持ちたくない人では扱いが異なるのか。2023年4月に導入できない医療機関、2024年秋にカード所持しない人に対してどうするのか」。
「実施のための細部を検討せずに、保険証廃止だけ決める乱暴な方針だ。疑問点――訪問診療や柔道整復等の導入方法。マイナカード取得困難者への対応。マイナカードと保険証(と免許証等)との更新期間の相違をどうする。紛失時の対応・保険証とは別の仕組み。簡素なオンライン資格のシステム」。
「法に定めのない個人番号の提供・利用等を禁止しながら、『番号を知られても危険はない』としている。監視社会に進む共通番号制度を廃止すべだ」。
保険証は団結
の「あかし」だ
東京土建一般労働組合社会保障対策部から。
健康保険証廃止で想定される影響。「どこの健康保険に加入しているか分からなくなる。紛失・盗難によるマイナンバーカードの再交付・個人番号変更の増加。健康保険証の代わりにもつカード類が増える。身分証明書として使用できない。医療機関は、本人同意により、診療・薬剤・特定健診情報を閲覧することができるため、かかりつけ医と大病院の機能が低下し、医療連携が崩壊するおそれがある」。
医療保険者における手続き面の影響。「問い合わせ対応に時間がかかる。届出・申請が遅延する。現場入場・入札で利用できない。事業所名入りの保険証を証明書として利用できなくなる。大規模な運用見直しとシステム改修が必要」。
保険者機能の発揮・母体組織に与える影響。「保険者機能の低下。保険証交付会の廃止による組織結集の低下、保険料収納・滞納対策の低下、仲間の組合への加入意識の低下、保健対策推進等の弱化による国保組合の保険者機能の低下につながる」。
保険証は団結の象徴だ。信頼関係が崩壊しないように撤回すべきだ。
高齢者の生活
を無視するな
東京高齢期運動連絡会。「①高齢者に相談もなく、勝手なことをするな。都内で4人にひとり、高齢者80万人が一人暮らしだ。補佐してくれる人がいない。保険証がなくなったらどうなるか。問い合わせ先が書いてある。マイナにはない。保険証は毎年送られてくる。マイナは5年、10年と更新があり、写真・番号が必要だ。健康を人質にマイナを導入する。とんでもない話だ。②マイナの導入にいくらかかるか。75歳保険料2割負担を中止しろ。介護保険料の増加反対。③顔認証にこだわっている。これから孫やひ孫の世代を監視社会にする。デジタル監視社会をやめろ」。
吉田章さん(東京保険医協会)。オンライン資格確認等システム導入義務化の問題点。「2022年8月10日、中医協が来年4月から療養担当規則に記載し、医療機関にこのシステムの導入義務化することを答申。8月24日説明会で厚労省担当者は「療養担当規則に違反すれば、場合によっては保険医取り消しもありうると発言。10月13日河野デジタル相、2024年度秋までに保険証廃止発言」。
診療情報共有化の問題点。医療において患者のプライバシーがない状態になる。個人の病歴は「弱み」としての側面をもち、重要なプライバシーのひとつ。だからこそ医療機関には厳重な守秘義務が課せられている。
サイバー被害の危険性。日本全国の医療がストップするうえ、医療情報が盗まれる危険性がある。少なくとも、現時点でこのようなシステムを作り、義務化することは日本の医療システムを危険にさらす暴挙といえる。
顔認証の危険性。このシステムは顔認証に異常なまでにこだわっている。顔認証設備を入れることが補助金支給の絶対条件だ。窓口での顔認証の先には「顔がマイナンバーカードになる」。中国の監視社会やEU、米国では行政他に顔認証の規制が始まっている。
まとめ。オンライン資格確認導入は、最低限、医療機関の意思を尊重すべきである。義務化はありえない。マイナンバーカードの義務付けには反対。法的整備を含めて十分な論議が必要だ。拙速な導入は日本の医療のみならず、社会全体にまで危険をもたらす暴挙だ。
マイナンバー意見訴訟全国弁護団。「①マイナンバーカードの義務化は番号法違反だ。申請主義と明確に法律で決められている。②法律が変えればできるのか。できない。プライバシーの保護。マイナンバーは秘密にするもの。どのような生活、人物なのかが丸裸にされる。厳格な本人確認が必要だ。背番号がひもつきにされる。Google、アマゾンなどマーケティングに利用される。選挙にも利用される。それは人権侵害になり、8つの訴訟をやっている」。
最後に全労連の原さんが「半年で運動の広がりを作り出せた。署名は13万筆以上集まった。通常国会で改正法案を出さないと決着しない。3つの要求。保険証廃止反対、オンライン義務化反対、マイナンバー強制反対。議員要請行動、さらなる署名など運動を新たなステージに高めていく」と行動提起した。この集会には、立憲民主党と日本共産党の衆参国会議員7人が参加し連帯あいさつを行った。
報告は発言と配られた資料をまとめた。保険証廃止反対、オンライン資格確認義務化反対、マイナカード強制をやめろ。 (M)

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