11.5埼玉「第8回沖縄の闘いに連帯するつどい」

「沖縄・南西諸島における軍事化阻止との闘い」

台湾有事で矢面に立たされる沖縄

山城博治さんが講演

 11月5日、埼玉県浦和市の浦和コミュニティセンター多目的ホールで「第8回沖縄の闘いに連帯するつどい」が開催された。同集会は、「海なし県」である埼玉と沖縄をむすぶ行動を続けてきた埼玉を中心にした「沖縄の闘いに連帯する関東の会」の主催。関東の会が主催するこの日の集会は沖縄平和運動センターの顧問であり、「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会共同代表」の山城博治さんを講師として開催された。

塩川港からの土砂搬出を止めよう
 沖縄の闘いに連帯する関東の会の辻忠男会長のあいさつの後、辺野古新基地建設のための本部半島塩川港からの土砂搬出を止めよう、というアピ―ル(呼びかけ団体:本部町島ぐるみ会議)などが紹介された。11月21~22日には「塩川デイ」として本部半島塩川港からの土砂搬出を止める行動が呼びかけられている(呼びかけ:本部町島ぐるみ会議)。

台湾と沖縄を連
動させ軍事強化
 続いて、この日のメインスピーカーである山城博治さんの「沖縄・南西諸島における軍事化阻止との闘い」と題する講演に移った。
 山城さんは「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」共同代表という立場から、「中国が攻めてきたらどうするのか」という質問に対してどう答えるべきか、として問題提起した。「いま南西諸島の軍事化が急進展している。台湾と沖縄を連動させる形で『台湾有事は日本有事』というキャンペーンが進んでいる」と提起した山城さんは、「米軍は『台湾有事』にあたっては南西諸島を出撃拠点とする態勢を50年かけて作っており、歴代の県知事も軍事作戦にゴーサインを出すことを認めてきた」と語った。
 山城さんは「埋立土砂の搬出を歴代の県知事は認めてきたのか」と問いかけ、「県政が基地のために土砂を使わせない」と言い切れず、「革新県政が戦争への道を開いてしまった」と批判する。
 「嘉手納の米戦闘機はF15からF22へ総入れ替えになり、ステルス戦闘機部隊が6カ月のローテーションで配備される。その一方で、アメリカは台湾有事において参戦するとは言っていない。アメリカは後ろにいて、日本を動員し自衛隊に戦闘させようという思惑もあるのではないか。沖縄は全島前進基地化となり、南西諸島の40の島々すべての軍事化が進む。中国軍と正面から戦う気のない米国は、中国の動きに対して日本の自衛隊を米軍の手足として使う作戦であり、米軍の代わりに自衛隊を使うということを考えている。中国軍に対して米軍は正面から戦うつもりはない」。
 「安倍・岸田ラインは『敵基地攻撃能力』『敵中枢に対する攻撃能力』という動きを主張してきた。日本が中国との戦争に『合意』した場合、米国は中国の攻撃に対して日本を犠牲にして、自らは手を引くということも考えているのではないか。この戦争で再び矢面に立たされるのは南西諸島だ」。
 「他方、中国・台湾間の戦闘が行われ、米中間での戦闘が開始した際に、日本はこの戦争に個別的自衛権を使って武力行使に踏み込むのだろうか。しかし戦争の矢面に立たされるのは沖縄だ。沖縄にいるアメリカの軍人ファミリーが引き上げるようになったら、戦争は間近だということになる」。
 このように山城さんは語った。
 山城さんの報告は、今日の米中関係、日中関係の構図を、中台関係の行方、そして朝鮮半島をもふくむ東アジアの全体的枠組みの中で、沖縄の闘いの展望を位置付けようとするものであり、私たちもまた、こうした問題意識を共有していくことが重要だろう。
 沖縄の闘いを朝鮮半島や台湾を含む東アジア情勢の激動との関連で実践的に捉えようとする上で重要な論議となるに違いない。(K)
 


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