投書 火力発電とごみ焼却施設

未来をとりもどせ

田島 義夫

 政府発行の環境白書によると、日本国内のごみ焼却施設は2019年調べで、1067基となっています。今から25年ほど前は「全世界の大型ごみ焼却施設は1800基で、そのうちの3分の2つまり1200基は日本国内」と言われていました。一部事務組合関係者の話によると焼却施設の老朽化は早く、施設の建て替えのたびに大型化しているということです。それらの施設が、どのくらいのCO2を排出しているかは、この環境白書には記されていないようです。
 国際環境NGOから地球温暖化に貢献した国に与えられる「化石賞」を日本政府は3年連続で受賞(11月9日)したという情報が入ってきています。Wikipediaによると、日本国内の火力発電所は468基となっております。国際環境NGOはこの火力発電の実態は把握していると思われますが、この日本の1067基のごみ焼却施設から排出されているCO2のことは視野に入っているのでしょうか。

母乳のダイオキシン濃度

 今から8年ほど前に、環境省の嘱託員の馬場利子さんの公演を聞きましたがその時「母乳に含まれるダイオキシンの濃度は、10年前と比べると倍になっている」ということでした。私はその後環境省からエコチル調査票を取り寄せたのですが、母乳中のダイオキシン濃度の記述は見られませんでした。しかしいろんな奇形児の出産が増えていると記されていましたが、妊婦の飲酒や喫煙が原因ではないかという遠回しな言い方でした。日本付近の海水に含まれるダイオキシン濃度は高く、私たちが体に取り込んでいるダイオキシンの70%は海の魚や海藻類によると言われています。
 この地域の町役場による、「ごみの分別手引き」という小冊子がありますが、はじめのページのあ行を見るとアイスノン、雨ガッパ(ビニール製のレインコートなど含む)、アクリル版などは燃やすごみになっております。猛毒ダイオキシンは850度以下でごみ焼却をした場合発生すると言われております。アイスノンや雨ガッパなどを生ごみなどと一緒に燃やすことで、焼却時の温度を上げる狙いがあると思われますが、これでは焼却施設も長持ちするはずがありません。
 環境省によると850度以上で焼却しているからダイオキシンは発生していないということですが、ここ近年の母乳中のダイオキシンの濃度はどのようになっているか、そのことと1067基もの大型ごみ焼却施設から排出されているCO2の量はどのくらいか、国際環境NGOはそのことを把握しておられるのでしょうか。
 (2022・12)

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