12.2緊急シンポジウム統一教会とは何者か
自民党との癒着の実態を暴き出せ
12月2日午後5時から「緊急シンポジウム 統一教会の実態を徹底的に暴く 山口広他 『統一教会との35年間の闘い』(旬報社)刊行記念 35年間の闘いの総括と今後の闘いの展望」が、衆院第一議員会館・地下一階大会議室で行われた。
「安倍元首相銃撃事件を契機に、統一協会による深刻な被害の実態が赤裸々となってきている。そして自民党と統一教会のズブズブの関係が暴露され続けている。統一教会という、反社会・カルト集団は、解散させるしかない。長年にわたって信者・被害者の訴訟・救済に取り組んできた『全国霊感商法対策弁護士連絡会』の弁護団(山口広・全国霊感商法対策弁護士連絡会・代表世話人ほか)と、統一教会と政治家の癒着を追って20年余のジャーナリスト鈴木エイトさんが、評論家・佐高信さんのコーディネートのもと、霊感商法の手口、統一教会の実態・歴史を全面的に明らかにし、今後の闘いの方向性を提言します」(チラシより)。シンポには100人近い人びとが参加した。
最初に、弁護士の山口広さんが発言した。
「1987年以来、この問題に取り組んできた。実効性のある法律がやがてできるかもしれないが、そもそも統一教会の特色と、その何が問題なのか。一つは単なる宗教団体ではなく、いろいろな部隊を持っているということだ。それは『反日主義』であり、『先祖の救済』という主張であり、また『原罪』を抱えた存在としての『罪の意識』の植えつけでもある」。
「統一教会は単なる宗教団体ではなく、政治家につながりを持ち、韓国のKCIAや朴政権、アメリカともつながっている。彼らはニクソン元米大統領をたたえるデモ行進をしたり、キム・ジョンウンともつながり、カンボジアや南太平洋の島国とも関係を持っている。米国の右派の牙城とも言える『ワシントンタイムズ』とも関係がある」。
山口弁護士は「文鮮明は『北』への怨念、日本への怨念に貫かれており、『罪の意識』を煽り立てながら集金活動を強制してきた。『死んだ夫が地獄で苦しんでいる』などと脅しつつ、カネをつぎこませることもやっていた」と、活動の特徴を説明した。
弁護士の井筒大輔さんは、「先輩弁護士たちの活動の成果もあり、第2世代である被害者の子どもたちを救うことができるようになったが、このような事件が起きるのはなぜか考え続けている」と胸の内を語った。
同時に「宗教団体」としての「統一教会」の現状については、信者の2世、3世の世代になって、経済面を含めてさまざまな困難に直面していることも事実であり、そうした矛盾が「統一教会」にどのような行動をとらせるようになるか、いっそうの注意が必要とされる。
その中で、東南アジアやアフリカにも統一教会が浸透を進めている、という。元信者の人(2世信者)はやめた人たちが分断されるのではなく、連帯した行動が救いとなる、と語っている。
集会では、さらに「統一教会」と政治家の癒着を追い続けてきたジャーナリストの鈴木エイトさんが発言した。鈴木エイトさんは、最近、『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)を刊行した。因みに同書の「プロローグ」と「エピローグ」を引用しよう。
「2022年7月8日、安倍晋三元首相が参院選の応援演説中に銃撃を受け暗殺された(享年67)。手製の銃で背後から元総理大臣を撃ち現行犯逮捕された山上徹也容疑者は、ある宗教団体への恨みを挙げ、その教団の『最も影響力のあるシンパ』を理由に安倍を標的にしたと動機を明かしている」(プロローグ)。
「1980年代末期から90年代中期にかけてのオウム真理教による坂本堤弁護士一家殺人事件・松本サリン事件・地下鉄サリン事件といった一連の事件は『カルト団体が起こした重大な社会事件』だったが、山上徹也による安倍晋三元首相暗殺は『カルトの被害者が起こした重大な社会事件』である。そのフェーズが全く変わってしまっていることに、どれだけの人が気付いているだろうか」(エピローグ)。
ぜひ、同書についても読んでいただきたい。 (K)
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