11.27静岡 ウクライナ支援・戦争反対コンサート&講演会

場満杯の320人が参加

 【静岡】11月27日、清水の「はーとぴあ清水」でウクライナ支援コンサート・講演会が開催された。コロナ対策で300人定員のホールの半分を指示された中でのコンサートだったが定員を上回る盛況で換気もかねてドアを開放しての開催となった。

ウクライナ人
歌手の登壇
 オクサーナさんはウクライナのキーウ州スィニャワ村出身のソプラノ歌手・バンドーウラ奏者。2002年国立ウクライナ・チャイコフスキー音楽院声楽科及び器楽科を首席で卒業。その後は数々の国際コンクールで最高位やグランプリを獲得。2003年に初来日、2018年には「人々に愛と希望を届けたい」と、東日本大震災チャリティーコンサートを開催。藤原歌劇団正団員。日本オペラ協会会員でもある。
 民族衣装に身を包んだオクサーナさんが登壇。アカペラでウクライナ国歌を歌った。歌とお話を交えて8曲、最後に日本の唱歌ふるさとを全員で合唱した。アンコールに応えてさらに2曲を歌っていただいた。オクサーナさんはウクライナの惨状を前にして「日本のみなさんのご支援に感謝をするとともに私にできること、それは歌うことです。音楽の力を信じ、ウクライナにいる家族やウクライナへの思いを歌と音楽でお伝えしたい。」と語った。
 このコンサートには静岡に在住するウクライナのみなさんもお見えになっていることが司会者から紹介され、参加者に対して生活支援カンパの要請がなされた。集計によれば14万円が寄せられた。

ロシア軍が全面撤退することが前提
 第2部は、弁護士の白井孝一さんが「ウクライナに平和を!日本から9条の精神(戦争放棄)を世界に発信しよう」と題して話された。
 白井さんは国際紛争を解決するために「何を基準にして考えるべきか」として国連憲章・国際条約といった国際法が基準になること、何よりもロシアが全面撤退することが前提であることと述べた。ロシアによるウクライナ侵略の理由とされているウクライナのNATO加盟を阻止するために侵攻したことを正当化することの誤りを指摘し、自国のことは自国民がその国の憲法に基づいて決めることであって他国(大国)の思惑で加盟だ、中立だといったことを云々することではない(民族自決権の原則)とした。
 またロシアによるウクライナ侵略をダシに敵基地攻撃能力の保有と軍事費の増額がいかに間違いであるか、現職の自衛隊高級幹部による「社会保障費をはじめ各省庁の予算増額要求がある一方で防衛費の増額ではなくて現有装備の維持管理を優先させることこそ(安全保障)の差し迫った問題である」との指摘が紹介された。
 また白井さんは個人的意見として憲法改悪を伴わない「専守防衛の自衛隊」で当面いく、軍事的緊張がゆるんだら憲法のいう「戦争放棄・戦力の不保持」にすすめば良いのではとの持論を披瀝し、みなさんも一考されたいと結んだ。 (S)

ウクライナの民族衣装に身を包みバンドゥーラを持ってステージに立ったオクサーナさん

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