12.4老朽原発動かすな! 関電包囲全国集会
超危険な美浜3号は「もう廃炉」に
関電本社前に900人参加
【大阪】老朽原発動かすな!実行委員会主催の関電包囲全国集会が12月4日、関電本社前で開かれ、900人の市民が参加した。
若狭に 基も
原発、なぜ?
関電に向かってコールをし、中嶌哲演さん(原子力発電に反対する福井県民会議)が主催者あいさつをした。哲演さんは、まるで福島事故はなかったかのように原発の延命・さらなる推進に向かっているが、私たちは福島を忘れないと述べ、さらに「関東の電力供給のために東電は、何故浜通りに原発を10基もつくったのか。関西圏の電力需要のために若狭に11基もの原発をつくったのか」と怒りを込めて語った。若狭に住民が必要とする電力はせいぜい5~6万kwだが、若狭全体の原発でつくられる電力は977万kw。一方で、火力発電は兵庫県・大阪府・和歌山県で31基ある。このことも是非覚えておいてほしい」と述べた。
また、「美浜3号機は82・6万kw。これが事故なしで動いたと仮定すると、広島原爆の800倍のウラニウム、長崎原爆の20倍のプルトニウムを否が応でも作り出す。これが環境に放出されればどうなるか。さらに、内閣府の避難計画によると、平常値の10倍の放射能汚染をしただけで飲食物の摂取制限が始まるのに、原発70㎞圏内の住民は1万倍の汚染になって初めて避難させられることになっている。このことを前提として美浜3号機は動かされようとしている」と述べ、それを美浜町議会・町長、高浜町議会・町長、福井県議会・県知事が老朽原発の再稼働を認めていることを強く批判し、稼働を止めて廃炉にしようと訴えた。
美浜3号機運転差し止め訴訟の判決
井戸謙一弁護士が美浜3号機の運転差し止め訴訟の報告をした。井戸さんは、「この訴訟は2021年6月に提訴され、今年7月4日に結審した。そのときは、10月中旬には判決の予定と言っていたのに、12月2日に裁判所から連絡があって、12月12~20日のどこかに判決といってきた。期日を確定しない連絡は前代未聞。40年越えの迫る原発の運転延長申請になる前に出してほしかったが、2カ月も遅れたので、川内原発2号機と高浜3号機が延長申請をしてしまった。判決が遅れたことが良いことか悪いことかは判断できない。いい判決なら祝うし、悪ければ控訴する。いい判決なら、これから40年をむかえる原発の延長を止める力になる」。現在40年越えで再稼働申請を許可されている原発は、美浜3号機・高浜1、2号機、東海第2原発だが、東海第2は裁判所から避難計画問題で稼働が差し止められている。
関電という
企業の体質
12月1日に関電関係で大きな事件があった。関電は再稼働するために莫大な金を使っている。残土の処理を企業に請け負わせるとき、高浜町森山助役関連の吉田建設を下請け企業に組み込んで、1立米当たり1000円の利益が出る仕組みを考えた。これにより吉田建設は240万立米の残土処理を請け負い、20億円の利益を得た。そのうち、3億円を森山経由で関電役員に還流させた。それのみならず、役員報酬を返上するとしていたのに、その分もこっそり原発マネーから補填した。
電力自由化のとき、関電は少しでも儲けの減少を避けようと、中国電力・九州電力に自分の方から持ちかけ、互いにそれぞれのエリアを侵食しないよう約束を結んだが、そのことがばれそうになると、関電はさっさと自分だけ自己申告した。このことで中国電力などは、800億円の課徴金を払わされたが、関電は自己申告したので、追徴金はゼロだった。関電という会社はそのような体質の企業だ。
老朽原発との
闘いの報告
美浜原発:山本貴美子敦賀市議、「美浜町町民にアンケートを実施した。3200戸全戸に用紙を配布し、42通の回答があった。全員に配布されている原子力防災のしおりを読んで理解できたか(理解している28%)、計画どおりに避難できない、避難したら二度と美浜には戻れないだろうとの意見が半分以上だった」。
高浜原発:関電は40年越えの高浜3、4号機の稼働延長を申請した。この原発は伝熱配管の破損事故が相次いでいる。加圧水型原発は20年で配管を取り替えているが、やっていないのは高浜3、4号機だけだ。
東海第2原発:避難計画の問題で運転差し止めになっているが、自民党と国民民主党が原発推進派だ。もうすぐ控訴審が始まる。再稼働阻止でがんばる。
川内原発:九電は10月12日川内原発の20年延長を申請して、それを手土産に岸田首相とあった。使用済み核燃料プールはもうすぐ満杯になるが、そのことには全く触れていない。後からやって来た原発に、ずーと以前から住んでいる鹿児島住民が何故おびえなければいけないのか。
老朽原発40年廃炉訴訟市民の会:40年を60年まで延長するのは認められないが、さらに60年越えまで認めるというのは暴挙だ。私たちは名古屋で規制委員会を相手に訴訟をしているが、規制委員会は関電の申請書をただ受け取るだけで、内容を見ていない。とても審査と言えるものではない。関電の示したデータを何ら精査することなく、通している。
地域・労働組合から
この後、3団体に老朽原発動かすな!の幟の贈呈式があった。続いて、各地からメッセージの紹介があった(北海道後志・原発とエネルギーを考える会、なくそう原発・核燃・あおもりネットワーク、みやぎ脱原発・風の会、柏崎刈羽原発絶対反対地元住民有志、志賀原発を廃炉に!訴訟原告団、さよなら原発ぎふ、高浜町 東山幸弘、神戸市会議員 髙橋ひでのり、神戸市会議員 あわはら富夫、さよなら島根原発ネットワーク、上関原発を建てさせない山口県民連絡会、伊方から原発をなくす会、ストップ川内原発!3・11かごしま実行委員会)。
原発賠償訴訟原告団(京都・兵庫・関西)の報告があった。関西各地からとして、志賀・脱原発をめざす東びわこ市民の会、大阪・原発ゼロの会、大阪・関電の原発マネー不正還流を告発する会、兵庫・脱原発はりまアクション、奈良・原発ゼロ被災者支援奈良の集い実行委員会からアピールがあった。
労働組合からとして、大阪ユ二オンネットワーク、フォーラム平和・人権・環境、全労連近畿ブロックからアピールがあった。1時間半の集会を終え、大阪市靫公園に移動し、公園からなんばまでデモ行進が行われた。 (T・T)
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