12.19国会前で大軍拡止めろの訴え

安保関連3文書反対
絶対止めよう9条改憲

「防衛政策」の
根本的転換だ
 12月19日、午後6時半から2022年最後の19日行動が、衆院第2議員会館前を中心に行われた。「安保関連3文書反対、軍拡やめろ! 辺野古新基地建設中止、12・19国会前行動」と銘打ったこの日の集会には、寒さがつのる中、1100人の労働者、市民、学生が集まった。
 岸田自公政権は、12月16日に「国家安全保障戦略」を始めとする安保関連3文書を閣議決定した。この中で、相手国の領域内を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」保有を明記し、さらに2023年度から5年間の「防衛費」(軍事費)を現行計画の1・5倍以上の43兆円以上とすることなどが盛り込まれている。朝日新聞は「憲法に基づいて専守防衛に徹し、軍事大国とはならないとした戦後日本の防衛政策は、大きく転換することになった」と報じた(12月17日朝刊1面)。朝鮮半島、中国、ロシアを射程に入れた大軍拡と、「敵地での戦争」に米軍と共に日本が参戦する、という事態を想定しているのだ。
 朝日新聞12月17日朝刊1面記事は、「日本の防衛費は、現在世界9位だが、2027年度にはロシアや英国を抜き、米中印に次ぐ世界第4位になる可能性が高い」と報じた。「憲法9条」を維持したまま歴然たる「戦争国家」となる道に急速かつ公然と突き進んでいるのだ。
 しかし、人々の間ではその現実へのリアルな危機感は、決して共有されてはいない。この現実を変えていくための粘り強く、かつダイナミックな行動こそ求められている。

「反撃能力」は
侵略への道だ
 主催者代表として発言した憲法共同センターの小畑雅子共同代表(全労連議長)は、「大軍拡など絶対に許せない。大軍拡と増税を強制する岸田内閣の閣議決定を撤回させよう。子どもたちの未来をつくるための政策が求められている。給食費の無償化は可能だ。日本列島にミサイル網を張りめぐらすのは、アメリカの軍事戦略を肩代わりすることを意味する。戦争を起こしてはならない。大軍拡・大増税・改憲はごめんだ」とアピールした。
 国会議員発言の最初は、立憲民主党の近藤昭一衆院議員から。「国会の審議でも大軍拡が焦点となっている。『反撃能力』を拡大することが抑止になるのか。高校生平和大使の訪問を受けた。5年で43兆円ものカネを軍事のために使ってはならない」と近藤議員は語りかけた。
 社民党の福島みずほ参院議員は、「安保3文書は実にすさまじいしろものだ。政府は国民の命を何だと思っているのか。閉会中に閣議でなんでもやる、ということは許されない。与党は『専守防衛』を放棄し、敵基地先制攻撃に踏み込んでいる。5年間に43兆円もの予算を使って世界第3位の軍事大国となり、米軍事戦略の一翼を積極的に担うことなどあってはならない」と呼びかけた。
 軍事援助、防衛産業を厳しく批判した福島議員は「戦争しない国であり続けよう。戦争は民主主義の力で止めることができる」、と強調した。
 日本共産党の山添拓参院議員は「安保3文書」の閣議決定を批判し、「我が国への侵攻に備えるというが、どの国にそうした危険性があるのか、世界第3位の軍事費で、なぜ軍事大国ではないのか」と問いただすと共に、「閣議決定は、実戦面での大転換を意味する。集団的自衛権を名目に先制攻撃を行うことになる。3文書には外交の話が出てこない。どうすれば対話のテーブルをつくることができるか、ということこそ大事だ。増税にも国債発行にも反対が多くなっている。批判の世論を広げよう」と呼びかけた。
 「沖縄の風」の伊波洋一参院議員からは「閣議決定に強く抗議する。米軍の指揮下で自衛隊に代理戦争をさせるものだ」とのメッセージが寄せられた。
 「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」の山城博治さんからはメッセージが寄せられた。
 「閣議決定に強く抗議します。中国への先制攻撃をも構想し、ミサイルの射程距離が1000kmから1500kmに伸びましたが、それらのミサイルの大半が沖縄に配備されます。沖縄が再び戦場になるのは許しません」というアピールだ。

ビルマの民衆
のメッセージ
 集会では在日ビルマ市民・労働組合のミンスイ会長からのメッセージも紹介された。
 「この間、軍による私たちの犠牲者は700人に上っています。なぜビルマ国軍のやっていることをやめさせないのか。平和のシミュレーションをなぜ作れないのか」という切実なアピールだ。
 こうして沖縄県民の米軍基地に対する闘いは、ビルマをはじめとするアジアの人びとの闘いとのつながりを深めながら、国際的な民衆の平和と自己解放の一翼を担うものとなりつつある。
 沖縄、アジアの人びとの自己解放の闘いにつながる「19日行動」をめざして、持続的に闘いぬこう。(K)

「反撃能力」は認めない、怒り次々(12.19)

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