12.12杉原浩司さん緊急オンライン講演

武器開発・購入・輸出拡大に反対の声を

 【愛知】12月12日、名古屋市のイーブル名古屋で「大軍拡は戦争への道~安保3文書に異議あり!杉原浩司さん緊急オンライン講演会」が不戦へのネットワークの主催で行われ30人が参加した。杉原さんは「武器取引反対ネットワーク(NAJAT)」の代表で岸田政権下の大軍拡とそれに合わせた憲法9条の無効化を批判し、ロシアとウクライナの戦争についても言及して講演を行った。

憲法無視
の軍拡
 杉原さんはまず、この大軍拡は明文改憲よりもひどいと述べた。本来なら憲法9条を変えなければできない本格的な戦争準備を全面的に行っていると批判し、主権者の決定権を無視している分、より悪質であると述べた。
 次に軍拡のために100に及ぶ「事項要求」について批判した。それは「専守防衛」の放棄から敵基地攻撃能力保有容認が新たな武器の配備と開発に着手することになる。そして長距離ミサイルなど10種類以上の同時開発(10年で1500基。約5兆円)やアメリカレイセオン社製のミサイル「トマホーク」500基購入、自衛隊とアメリカ軍の共同による先制攻撃作戦計画の策定、訓練。また琉球弧への長距離ミサイルと海兵隊・自衛隊による「遠征前線基地作戦」EABOなどあげて批判し、「国のかたち」を変える大軍拡であると述べた。

広がる武器開発
・輸出・研究
 さらに軍事費の増大による大増税と武器輸出の全面解禁についても批判した。すでにウクライナに対しては防弾チョッキを供与しており、UAEにも川崎重工製軍用輸送機C2、インドネシアには三菱重工製護衛艦を輸出の画策をしていることを批判した。そして中古武器の無償譲渡制約の撤廃や共同開発国が第三国に輸出・提供する際に必要だった日本の事前同意を不要にすることも検討していると批判した。
 戦時経済体制の構築、日本学術会議を「赤い壁」と称して敵視し、経済安保法で5000億円の基金で軍事技術につながる研究公募を開始したことを指摘し、「戦争に加担しない学術会議」が崖っぷちに立たされている。日本版「軍産複合体」の形成に向かう転換点になっていると批判した。

反対の声をひ
ろげるために
 杉原さんは、これら軍拡の動きに対し「反対の声」の可視化をと訴え、安倍国葬反対運動の成果に自信をもって軍拡反対の声を拡げようと訴えた。特に軍拡で大増税が行われようとしていることで幅広い連帯で抵抗することが必要だと述べ、戦場化されつつある台湾や琉球弧の人々の声を聞くこと、大国のはざまで翻弄される人々の側に立つことが大事だと述べた。そしてプーチンによるウクライナ侵略は「抑止論」の破綻であり、相手指導者の合理的思考に依存した脆弱な論理であり、相手を脅して抑止するのは幻想であると述べ、さまざまな軍縮政策こそが大事だと述べた。

議論を深めて
反戦運動を!
 最後に「2つの2022年問題」として反米主義のこじれからロシアによるウクライナ侵攻でロシアを擁護するような意見が出ていることを厳しく批判し、大軍拡に抵抗できない現在の反戦運動をどうすれば大きくできるか皆で考えようと述べた。そして「欺瞞的一国平和主義」から「良心的軍事拒否国家」へと変えていこうと提起して講演を終了した。
 講演後の質疑応答ではロシアとウクライナの戦争についての議論も行われた。ロシアとウクライナの戦争についてどう考えるかは様々な意見や考え方がある。NATOやEU、アメリカへの批判もある。これらの議論も深めながら大軍拡、増税、改憲阻止の闘いを構築していこう。(越中)

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