1.27「建白書」10年日比谷野音集会
辺野古の海を埋めるな
沖縄の民意を日本の民意に
請願署名を全国に広げよう
請願署名の
成功にむけて
1月27日午後6時半から、東京・日比谷野外音楽堂で 「辺野古の海を埋めるな!沖縄の民意を日本の民意に!請願署名を全国に広めよう! 1・27『建白書』10年 日比谷野音集会」が「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会の主催で開かれ、冷たい小雨が降るなか800人が集まった。
同実行委の野平晋作さんが主催者あいさつを行った。
「10年前のこの日、沖縄県のすべての41市町村長・市長村議会議長と県会議員が署名・捺印した『オスプレイの配備撤回・普天間飛行場の閉鎖・撤去と県内移設断念』を求める『建白書』を携え、日比谷野音集会、銀座デモを行った。翌日には安倍元首相に『建白書』を手渡した。しかし、安倍は数日後に沖縄で、予定通り基地建設をすると表明した。2019年2月14日、新基地建設をめぐる県民投票が行われ7割が反対した。この間の3回の知事選で新基地反対派の知事が当選した。辺野古現地では3000日にわたる抗議行動、海でも行動が行われている。玉城知事は大浦湾の埋め立て設計変更を不承認とした。今こそ日本全体の民意を示すべきだ。オール沖縄会議の請願署名を全国に呼びかけたい」。
引き続き、伊波洋一さん(参議院議員、沖縄の風)が駆けつけ、「安保3文書、ミサイル基地建設に反対する」と短くアピールした。
この不条理に
沈黙しない!
続いて、福元勇司さん(オール沖縄会議事務局長)が沖縄の訴えを行った。
「県民投票によって7割が辺野古埋立に反対した。しかし、建設は強行されている。今の日本のあり方は一地方の犠牲により成り立っている。真の民主主義はあるのか。78年間、米軍にまつわる不条理のなかにある。1971年、屋良朝苗琉球政府行政主席は建議書で米軍支配から脱却しなければならないと訴えたが、基地を残す返還協定が強行採決された。2013年、翁長雄志那覇市長らが命がけで建白書を提出したが願いは届かず、闘争は高まる一方だ。日本全体の0・6%の沖縄に日本における米軍基地の7割が集中する。そして沖縄本島では面積の15%にもなる。米軍にまつわる事件・事故は絶えなく、沖縄は苦しめられている。米軍基地から拡散したコロナ感染、有機フッ素化合物(PFOS)の流出、遺骨混じりの土砂の投入など問題が噴出している。宜野湾普天間基地は閉鎖されないまま、辺野古新基地建設は軍港、弾薬庫と機能が強化される。われわれは新たな基地負担を受け入れない。われわれは無理なことを言っているのか。国会議論を求めたい。民主国家にあるまじき、恥ずべき事態だ」。
「2013年3月、米軍高官の、中国が6年以内に台湾に軍事行動を起こすという発言から台湾有事が日本の有事のように言われるようになった。そして、安保関連3文書の閣議決定。辺野古基地建設の推進を述べている。台湾有事に日米が参戦すれば数万人の死傷者が出るとの試算も出ている。戦争の現実が近づいている。沖縄だけの問題ではない。日本国憲法の前文には主権は国民にあり、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する、とある。請願署名は、戦争を止め、辺野古基地建設を断念し、政府には二度と戦争をさせないためだ」。
玉城デニー知事が「新基地の県内移設は絶対にできない。命こそ一番大事を伝えていく。世界、日本の平和こそ原点である。未来を担う、希望を持てる沖縄をつくだす」とビデオメッセージで話した。
4人のリレー
トークで訴え
次に、4人のリレートークが行われた。
金平茂紀さん(ジャーナリスト)。
「1987年から、沖縄にかかわった。10年前の建白書のデモも取材した。デモの途中で『お前ら、中国のスパイか』などのひどい罵声が浴びせられた。ものすごいショックを受けた。翁長雄志さんはその後の行動の指針になったと語っていた。日本政府はふたたび沖縄を戦場にしようとしている。新たな琉球処分だ。黙ってみているわけにはいかない。国会の代表質問に答えて、首相は先制攻撃が専守防衛の枠内と言っている。理不尽なことを押しつける政府に従うことはない」。
鎌田慧さん(ルポライター)。
「新崎盛暉 さんが『沖縄現代史』で、平和憲法からはずされていると書いていて、復帰は平和憲法のもとに帰れるという喜びがあった。しかし、今は平和憲法そのものをなくす、つぶすとなっている。平和憲法は沖縄を犠牲にしてつくられたことを学ぼうとしていない。一番大きな問題は復帰前米軍基地が58%から72%に増えたことだ。宮古、石垣、与那国ではミサイル基地のみならず、防空壕まで作るという。このことを少しでも知り、これを変えていく」。
西谷修さん(哲学者、東京外国語大学名誉教授)。
「防衛3文書。閣議決定だけで、国会も通さず、アメリカに持っていった。中身の議論ではなく、税金の問題にしてしまっている。この手法は安倍首相がやってきたことだ。あらゆることを閣議決定で決めてしまった。法制局長、NHK会長、日銀総裁も首をすげ替えた。解釈改憲、クーデターと言われた。攻撃をしない=戦争をしないという大原則。安倍は堤防を決壊させた。岸田は濁流で全部洪水になるようにやっている。南西諸島、ミサイル基地化、対中戦争の準備をしている。どう止めるか。翁長さんが楔を打ち込んだ。全体の流れを止めるには楔を強く打ち込むことが重要だ」。
元山仁士郎さん(「辺野古」県民投票の会元代表/大学院生)。
「はじめに、男性のスピーチだけが続いている。女性のスピーチをやって欲しかった。建白書を読み返した。日本のあり方が問われている。どのような国家かが、アジア地域が問われている。戦争をしない、人権尊重の国となっていく。日本は振興策で沖縄を分断してきた。琉球列島に基地を押しつけた。2019年、新基地建設をめぐる県民投票にハンストで参加した。いま後輩たちがいる。行動することで変えられることを示した。①国会請願署名、国会の委員会にかけられる。②日本全国から声があがることが重要だ。首都圏から取り組みを強化しよう」。
米軍による水源
汚染を許さない
司会者から、複数の女性にスピーチをお願いしたが、どうしても都合がつかないということだったと報告があった。
賛同した団体と個人から発言が行われた。
菖蒲谷眞一さん(全水道書記次長)。
「米軍による水源の汚染・PFOSの流出は2016年から分かっていた。PFOSは分解されず、発がん性物質だ。沖縄県が毎年2億円をかけて対応している。しかし、米軍は基地の立ち入り調査を拒否しているので、根本解決ができていない。一刻も早く立ち入り調査をすべきだ」。
明有希子さん(宜野湾市緑が丘保育園父母会元副会長)は発言の途中、思い余り言葉につまりながら発言した。
「2017年12月7日、米軍機から部品落下物があった。娘の命が危ぶまれた。しかし、誹謗中傷を浴びた。それで、東京に引っ越してきた。空に米軍の飛行機が飛ばない。どうして沖縄はそうならないのか疑問を持つ。どうして沖縄に押しつけるのか。植民地扱いにされている。私の家族を沖縄戦で亡くした。悔しい、悲しい思いがある。娘に絶対に味合わせたくない。娘のため、沖縄のために声をあげる」。
集会後、「辺野古新基地建設反対。玉城知事を支持しよう。基地反対署名を広めよう。沖縄の民意を日本の民意にしよう。負けないぞ、闘うぞ」とコールしながら、銀座・東京駅近くまでデモ行進を行った。(M)
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