愛知県知事選挙2023

尾形けいこ候補25万1236票獲得
気候危機ストップを訴える

【愛知】2月5日、投開票された愛知県知事選挙は現職の大村秀章が145万2648票を獲得し再選された。今回の選挙で4選目となった。大村知事は自民党、公明党、立憲・国民の両民主党の支持を受けており愛知県政はオール与党の基盤であった。緑の党の尾形けいこさんは共産党、社民党の推薦、さらに山本太郎さん(れいわ新選組としてではなく個人として)の支持をうけて選挙に挑んだが25万1236票を獲得し次点で当選にはいたらなかった。この選挙には他に4人の新人が立候補した。投票率は36・43%で前回の35・51%よりは少し上回ったが過去5番目の少なさであった。オール与党で固められた大村県政を崩すことはできなかった。

大規模事業より
も県民の生活
 尾形さんの選挙スローガンは「ストップ気候危機・安心の未来・ジェンダー平等・愛知初の女性首長を!」であり、その5つの政策の柱として①「省エネ・再エネで快適・安全な未来」②「雇用拡大・賃金アップ、経済活性化を脱炭素産業によって実現」③「県土と健康を守る農林水産業とオーガニック無償給食」④「若者・子ども・女性・マイノリティの幸せアップとジェンダー平等」⑤「社会保障の強化と民主主義の再生、気候災害・地震津波・パンデミックに負けない」を掲げて知事選挙に挑んだ。大村県政に対してはジブリパークやリニア新幹線の建設、中部国際空港の滑走路増設など大規模事業よりも県民の生活や福祉のためにお金を使うべきだと批判した。再選した大村知事は大型インフラ整備、大事業で「中部の経済をけん引」というものであり、当然のことながら労働者、市民の立場にはたたないものであった。

尾形さんの政策

 尾形さんは「緑の党」所属であり主な運動は脱原発と気候変動を生み出す社会経済の変革にあった。この部分の政策では「光熱費ゼロ住宅を標準にして太陽光パネル、EV充電設備、二重ガラスの高断熱を補助金で行う事」というものである。
 EVとは電気自動車のことであるが尾形さんは運輸分野におけるガソリン車を電気自動車に変えることをめざしている。すでに太陽光パネルや風力発電はこれらを製造した企業の無責任な対応により逆に環境破壊を引き起こしていることはマイケルムーアの映画「プラネット・オブ・ヒューマンズ」などで明らかにされている。またEV電気自動車は「走る原発」といわれている物でありトヨタの社長、豊田章男はすべての自動車をEV化したら充電のためにあと原発を10基増設しなければならないと発言している(これには疑問視する意見も多くある)。
 反資本主義の立場であれば気候変動の問題解決のために資本が金儲けのために利用しようとしていること、そしてそれがまた新たな環境破壊を生み出していることを重要視しなければならない。

 議論を深めよう

 今回の尾形けいこさんの愛知県知事選挙への挑戦と政策はそれを広め、議論を深めて支持を広げるには時間が少なかったと考えられる。市民運動の中にも疑問を持つ人もいる。選挙が終わった後も尾形さんは選挙でできた繋がりでこれからも運動を続けると元気に決意を表明している。多くの人々と共に議論を深め愛知の地から気候変動ストップの闘いを継続していこう。(越中)

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