ロシアは直ちに戦争をやめろ

ウクライナ侵攻から1年

2.24民衆殺りく・犯罪許すな
1000人が都心デモ
ウクライナ民衆を支援しよう

残虐行為を
許せない!
 【東京】2月24日、小雨の中を午後6時半から東京の日比谷野外音楽堂で、「ロシアのウクライナ侵攻から1年 ウクライナに平和を ロシアは即時撤退せよ!原発に手を出すな!核使用・恫喝許さない すべての戦争と戦争準備に反対 2・24集会&デモ」が行われた。主催は「さようなら原発1000万人アクション実行委」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。
 総がかり行動青年PT(プロジェクトチーム)のみずま雪絵さんの司会で進められた集会では、実行委を代表して高田健さんがあいさつ。「2月24日で、ロシアがウクライナに軍事侵攻してから1年になる。しかし戦火がおさまることはなく、解決の出口は見えない。433人の子どもを含めて7031人のウクライナの人びとが殺され、民間の国外難民は800万人に達している。日本でもウクライナからの難民は2291人にのぼる」。
 このように切り出した高田さんは、「ロシアの軍事侵攻を断固糾弾するとともに、難民となった人びと、ウクライナとロシアで戦争と暴政に反対して闘っている人びとに敬意と連帯を表明しよう」と呼びかけた。
 「ロシアは核使用の恫喝をも行っている。それは米国の軍産複合体を利するだけだ。蛮行に抗議し、ロシアに戦争をやめさせよう。『どっちもどっち』という意見もある。しかし今こそ反ファシズム運動の教訓を思い起こし、国際法を踏みにじる侵略をやめさせ、ロシア軍を撤退させよう」と高田さんは呼びかけた。
 さらに高田さんは「ウクライナの事態に便乗して『敵基地攻撃能力の保持』や軍拡のための増税、そして憲法9条改悪の動きを許さず、『対話で共同』の闘いを」と呼びかけた。

志波玲さんが
現地最新報告
 国会議員(共産党・笠井亮衆院議員、宮本徹衆院議員、岩淵友参院議員・社民党・福島みずほ参院議員)の出席が紹介された後、「3日ほど前にウクライナから帰ってきたばかり」というフリー・ジャーナリストの志波玲さんが発言。
 「今回は東部ウクライナを中心にまわったが、帰る直前に集合住宅が爆撃で真っ二つになり20人が亡くなる事態に直面した。病院にもロケット弾が撃ち込まれており、学校なども完全に破壊されている。民間施設・民間人への攻撃は戦争犯罪に他ならないが、ロシアはそれを繰り返している。20以上の村が完全に崩壊した」。
 「首都のキーウは行政的には安定しているが、キーウ郊外のブチャでは電気・水道・ガスが完全に破壊され、薬、食糧などを配っていたボランティアがロシア軍兵士に殺された。ボランティアの女性への暴行も行われた」。
 「欧州は貿易の面でも脱ロシアを進めているが、日本はいまだにエネルギーをロシアから買っている」と志波さんは厳しく批判した。

日本政府は戦
争準備やめろ
 国際支援団体からの発言では、「ピースボート」共同代表の畠山澄子さんとJVCの今井高樹さんがアピールした。
 畠山澄子さんは「昨日、侵攻から1年のイベントを『オンライン』形式ではない形で行った。今日で365日目の戦争の中を生きている。ぜひそれを想像してください。家族はバラバラとなり、子どもたちは異国で困難な生活を送っている。現地の人たちの声をつないで、平和を求める行動をつくり出そう。武力行使はどんなことがあってもダメです。ロシアとウクライナの双方で、国境を越えたアピール活動が必要です。世界中の人びとが支援をしてくれる。もっとやれることが私たちにはあるはずです」。
 「私たちの教訓は、戦争準備ではなく戦争の中でこそ平和教育が必要、ということです。日本ではウクライナのようにならないよう軍拡が必要と言われています。しかし1日も早いロシア軍の撤退のためには人道支援に全力を注ぐとともに平和のための行動こそ必要なのです」。
 JVC(日本国際ボランティアセンター)の今井高樹代表は「これまでアフガニスタンなどで活動してきた。いまウクライナを口実に戦争準備を進める日本の変質した行動が目立っている」と政権のあり方を批判した。
 「日本政府は『国家間競争』として軍事的・経済的安全保障への道を走っている。日本の武器支援は日本の軍事力だけではなく、同盟国の軍事力を『抑止』のために使わせようとするものだ。ウクライナを考えれば、ウクライナがロシアに対抗できるように武器を供与し、戦争に引きずりこむことになる。こうした中で日本への信頼が踏みにじられている」。
 集会終了後、女性だけの「隊列」をふくめて1000人によって東京駅八重洲口までのデモが寒さのなか元気に行われた。 (K)

2.24しないさせない戦争協力関西ネット

ロシアはただちに撤退を
ウクライナへの侵略を許すな

 【大阪】ロシアによるウクライナ軍事侵攻開始から1年にあたる2月24日夜、大阪でも「しないさせない戦争協力関西ネットワーク」のよびかけでロシアによる侵略に抗議し、ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求める集会・デモが行われ、300人以上が参加した(主催者発表)。
 中之島公園(女性像前)での集会では、始めに主催団体を代表して中北龍太郎さんが、ロシア領事館に対する申し入れ書に54団体の賛同が集まり、この日午後、申し入れ書を持って同ロシア領事館(豊中市)に赴き、抗議のスタンディングを行ったと報告した。

「専守防衛」を
放棄する日本
 中北さんはロシアによる侵略と一連の非人道的行為、特に民間人をターゲットとした攻撃を強く非難し、核兵器使用さえ危惧される状況の中、1日も早いロシア軍の撤退を求めようと訴えた。さらに、岸田政権がこの機に乗じて「専守防衛」の原則を投げ捨て、先制攻撃をも視野に入れた防衛戦略を打ち出し、米国の戦争のために日本を戦場にしようとしていることを指摘し、武力なき平和に向けてさらに運動を強めようと締めくくった。
 続いて賛同団体を代表して大阪平和人権センター、日独平和フォーラム、全港湾大阪支部、憲法会議の仲間からの発言を受けた。それぞれの発言は、ロシアの侵略、特に多数の民間人が犠牲になっていることへの憤り、一刻も早く戦争をやめさせようという思いを共有しつつ、武力では解決できない、戦争や軍備の拡大を止める力を大きくすることが大事、停戦をどのように実現するのかを真剣に考えるべきだし、日本の憲法九条の考え方が今こそ大事という視点も改めて確認する内容だった。

沖縄の人びと
と共に行動を
 日独平和フォーラムの山本さんは「高槻の市民グループでこの1年間、ロシア軍の撤退を求めて毎週スタンディング、毎月24日に領事館行動を続けてきた、ロシアが撤退するまで続ける」と決意を述べた。全港湾大阪支部の陣内副委員長は、「この1年間にウクライナで30万人以上が戦争の犠牲になったと言われている(死傷者の数)。30万人といえば那覇市あるいは三重県・四日市市の人口に匹敵する。ロシアの侵略は不当だが、この戦争をどう止めるのかがあまり語られない。戦争が続けば犠牲が増えるだけだ。停戦の実現のために力を合わせる必要がある。日本でも琉球弧を戦場にしようという動きが進んでいる。26日には沖縄でこれに反対する集会が開かれる。大阪でもそれに連帯する集会を呼びかけているので参加を」と訴えた。      (KH)

日本政府の便乗的軍拡策動に怒りの抗議(2.24)


.

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社