2.23「天皇誕生日」奉祝反対
「徳仁天皇制の今」を見すえて
2・11&23連続行動
国家主義的
統合の現状
【東京】2月23日、「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する2・11&23連続行動は、南部労政会館で「天皇・憲法・統一教会 徳仁天皇制の現在 『天皇誕生日奉祝』反対討論集会を行い、65人が参加した。
実行委は、天皇賛美の日に対して①天皇神話を日本の「伝統」の核と位置づけ、象徴天皇制国家である「日本国の国民」であることを意識させ、まとめ上げる装置として天皇記念日は機能している そのうえで②戦争政策としてある国家主義的な民衆統合のイデオロギーを「有事」と称して煽りながら注入し、強化している─と捉え、この攻撃と対決していくために討論集会を行った。問題提起は、以下の3人(実行委)から行われた。
「行幸啓」と
天皇式典の今
のむらともゆきさんは、「徳仁天皇制のいま」というテーマから「徳仁の『行幸啓』と式典」の2119年~2022年プロセスを分析し、「コロナによって諸行事への参加等は、ほとんどできず、主な行事はオンラインでアクセスする手法を選択した。明仁の引退後、徳仁は、天皇制への民衆統合の役割を担いつつも、明確な形で徳仁天皇像を打ち出せないでいるのが現状と言える」と指摘した。
だから天皇・皇室の今後の課題としては①国際関係では、侵略戦争の歴史問題への対応が継続して問われ、岸田政権の戦争国家化と連動する東アジアに対する新たな天皇制のアプローチが求められている。②国内的には大災害の頻度、経済衰退,貧困化と階層化の深化による民衆の怒りを伴う社会運動がどこに向かうか等に対する対応が問われる。③いずれにしても天皇制がどのように生き延びようとするのか、権力とともに暗闘を繰り返すしかない。
統一教会と
右翼の共闘
天野恵一さんは、「統一教会と象徴天皇制」と設定し、とりわけ「統一教会の勝共が、なぜ天皇賛美の右翼大衆運動との共闘が成立できたのか」について分析した。
「1968年に国際勝共連合が設立し、以降の自民党政治家らとの連携なども含めて浮き彫りにすると次のようなことが見えてくる。神道主義者の一部は反発したが、統一教会は反天皇・反日本人イデオロギーを公然化せず、冷戦構造を前提にした反共イデオロギーの共通性を土台にしていた。さらに絶対の『現人神』、血の『家族主義』(男権主義)、『反共絶対』の強い排外主義、性の多様性を認めないジェンダーバッシング体質も共通している。だから自民党が統一教会と同じ思想が流れていることを正面から問題にすべきだ」と強調した。
「皇位継承」と
女性天皇は?
桜井大子さんは、「皇位継承のゆくえ」についてクローズアップしたのが女性天皇論議だ。
「とくに注目すべきは、『皇室典範に関する有識者会議 報告書(2005年11月24日)』の『長子優先』と『兄弟姉妹間男子優先』の項目だ。『天皇の直系子孫を優先し、天皇の子である兄弟姉妹の間では、男女を区別せずに、年齢順に皇位継承順位を設定する長子優先の制度が適当である』と明記している。この流れは、野田政権末期(2011~12年)の『女性宮家』創設論、菅内閣による『皇女制度』論へと続く。さらにメディアの一部では『愛子天皇』待望論、女性天皇擁護派が登場している。連動して『女性天皇とともに明るい日本を実現する会』、『ブヨウツツジの会』などの天皇賛美派、リベラル天皇制擁護派も登場している」。
「安部元首相、統一教会がいなくなり、皇位継承問題では大きな縛り、重石がなくなり、当たり前の選択として女性天皇論議は復活する。皇位継承は、秋篠宮、悠仁、常陸宮という順番だが、その先が見えない不安定な状態が続くから女性・女系天皇容認に変わるかもしれない。おぞましい制度の延長をどのように効果的に批判していくのかが、私たちの課題だ」とまとめた。
問題提起後、質疑応答に移り論議を深め、終了した。(Y)
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