市民の力で創ろう大阪!2・21市民集会

大阪にカジノはいらない
一選挙を見据えて

選挙に勝てばつぶせる

 【大阪】4月に行われる統一地方選挙に向けた、反カジノの市民集会が2月21日、大阪市北区民センターホールで開かれ、200人の市民が参加した。大阪市・市民連合、大阪・市民交流会、大阪カジノに反対する市民の会、大阪の未来は府民が決める夢洲カジノを止める会、大阪を知り・考える市民の会、どないする大阪の未来ネット、平和と民主主義をめざす全国交歓会、夢洲懇談会、路上のラジオ(西谷文和)の9団体が共催した。
 梅田章二さん(大阪市・市民連合)が開会あいさつ。「集会の趣旨は、いよいよ1カ月後となった統一選挙をどのように取り組むのか、意思統一するためだ。昨年4月に大阪府・市は国に区域整備計画の認定申請を行った。国はいまだに認定していない。大阪にカジノはいらないという運動が大きく盛り上がってきたこと、もう一つは土壌汚染・液状化・地盤沈下などの問題が次々と出てきて、説明がつかなくなっているからだと思われる。選挙では、この夢洲問題を徹底的に取り上げ、選挙の争点・焦点にしなければならない。選挙で勝利すればカジノは止められるという確信を共有しよう。橋下氏が知事になってから14年、府市の首長が維新になって10年、この間住民サービスが徹底的に削減されてきた。そのことが象徴的に現れているのが、コロナの死亡者数。全国で最も多いという結果になっている。まだまだ維新の勢力は大きいが、私たちには過去2回都構想住民投票で勝利した経験がある。その経験を活かして、カジノ問題を前面に押し出し、教育問題など様々な課題を訴えていこう。今日の集会はそのスタートだ」と、述べた。

「敵は強大だ!」

 続いて、中野雅司さん(大阪・市民交流会)が基調を提起した。
 このまま行けばすべての選挙区で維新が圧勝する。そのムードを変えなければいけない。敵は強大であることを忘れてはいけない。来る選挙は維新対非維新ではなく、維新対市民生活の選挙だ。カジノ問題を争点として、市民にクリアーに伝えていけるかである。しかしこの問題は、事実が隠され複雑にされ、その実態を知らされている住民はまだまだ少数だ。
 大阪の統一地方選挙を保守対革新の構図で見るのは間違っている。はたして、維新は保守なのか? 人権に配慮しないし、反共だ。
 大阪が維新になってから、どうなったか。大阪市は政令指定都市で出生率最下位。幸福度ランキング最下位。介護保険料は国内トップクラス。道路整備はお粗末(白線はスカスカ)。木々は伐採され(道路・公園など)、文化も歴史も破壊された(市立交響楽団、図書館、博物館)。コロナ死者数全国1位.人口当たりの保健師数は全国最下位。失業率全国ワースト2位、などなどだ。
 首長選挙を各地域の選挙に結びつけ、維新対市民生活という構図を明確にしていこう。私がアップデート・大阪(大阪府・市首長選で、谷口真由美さん・北野妙子さんを候補として担ぐ選挙母体の政治団体、23年1月末に結成)に加わったのは、市民中心の団体にしたいからだ。市民が集う団体を目指している。維新対市民という構図をつくれるか。そのことに、意識ある市民がどれだけ本気になれるかが鍵だ。夢洲カジノ問題は、大阪の将来を左右するもので、保守・革新とは無関係であることは明らかだ。(以上提起)

各分野からの訴え

 この後、各分野からの訴えとして、西谷文和さん(ジャーナリスト、路上のラジオ)がカジノ問題、小玉裕加子さん(十三病院看護師)が医療・コロナ問題、清水博子さん(元府立高校教師)が大阪の教育問題を訴えた。
 西谷さん:カジノ予定地のボーリング調査で分かったこと、土地のN値が5だった。N値とは、63㎏のおもりを75㎝の高さから自由落下させ、杭が30㎝沈むまでに何回落下させるかという数値。普通の住宅では20,ビルなら50以上が必要だ。だからカジノ予定地では80mの杭(1本1億円)を打ち込む必要がある。関空でも地盤沈下は続いているが、関空の地盤埋め立には砂を使っているが、夢洲はゴミだ。杭を打っても不均等に傾くに違いない。
 小玉さん:橋下府政になってから、救急救命センターの補助金削減、住吉市民病院の閉院、府立病院の独立行政法人化、大阪市(人口270万人)の保健所の削減(区ごとにあった計24の保健所が1つに)などの医療サービスの削減が行われた。その後コロナ感染の拡大で、患者の入院制限や自宅療養が増え、死者が増加した。

格付け教育をやめろ

 清水さん:大阪府は全国で唯一中学生対象の府内統一テストをやっている。問題作成は民間委託、府下の公立中学校を平均点で格付けし、五段階評定の配分率を決め、入試の内申に使われる。学校のランクが上がれば、5段階評定で良い評定値になる生徒が増える。団体戦方式なので成績の悪い生徒が差別される。
 飛び入りで発言することになった久保敬さん(元大阪市立小学校校長)。久保さんは、松井一郎・大阪市長が突然にオンライン学習を宣言して学校現場に混乱を起こしたことや教育行政についての提言書を市長に送ったことで、文書訓告を受けた。このことについて久保さんは21日大阪弁護士会に人権救済申し立てを行ったことを報告した。
 各分野からの訴えの後、大阪府知事選候補予定者たつみコータローさん、谷口真由美さん、北野妙子さんのビデオメッセージが紹介され、集会アピールの提案を参加者全員で採択して閉会した。
       (T・T)

危機的な医療の実情を訴えた十三病院・小玉裕加子さん(2.21)

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