2.25朝鮮独立運動104周年集会
東アジアの民衆連帯で
新たな戦争起こさせない
「3・1朝鮮独立運動」日本ネットワークの主催で2月25日、文京区民会館において「東アジアの民衆連帯で新たな戦争を起こさせない!植民地支配を清算し大軍拡を止めよう!」3・1朝鮮独立運動104周年集会が行われた。
「入国拒否」を
許さないぞ!
主催者を代表して発言した渡辺健樹さん(日本ネットワーク・日韓ネット共同代表)は、冒頭でこの集会に報告者として参加を予定していたチェ・ウナさん(韓国進歩連帯自主統一委員長、6・15共同宣言実践南側委員会事務局長)が成田空港の入管による妨害によって、入国ができずに強制退去させられたことを明らかにした。集会では緊急声明として「チェ・ウナ氏の入国拒否に抗議する」声明が出され、集会参加者一同でこれを確認した。
渡辺さんはこうした露骨な妨害の背景として「韓国の政権が変わったこと。そして日韓の新たな軍事協力の再構築がある」と指摘した。その上でこの日の集会の意義として①今年は関東大震災から100年になるが、3・1独立運動からわずか4年後になぜ朝鮮人に対する大虐殺が行われたのかしっかりとその背景を認識すること。②今年は朝鮮戦争の停戦協定から70年でもあり、朝鮮の分断された歴史を受けとめて日本政府に謝罪と補償を行わせて、平和と統一のために運動を推し進めようと訴えた。
関東大震災で朝鮮
人は3度殺された
この日の講演はシン・チャンウさん(法政大学教授)が「関東大震災時、朝鮮人はなぜ殺されたのか?朝鮮植民地戦争と3・1朝鮮独立運動、朝鮮人虐殺への道」のタイトルで行われた。シンさんはまず「講演の趣旨」を次のように明らかにした。
「関東大震災時の朝鮮人虐殺は『天災』ではなく『人災』です。しかも、その『人災』は単なる一過性の出来事ではありません。植民地ですでに多くの朝鮮民衆虐殺を日本軍隊、憲兵、警察は経験し、虐殺を後方から支える社会も確実に形成されていたのです。講座では、日清・日露戦争以降、日本軍隊(将校・兵士)による朝鮮での植民地化と軍事行動・迫害経験がどのように蓄積され、郷土新聞などを通じて蔑視と偏見、恐怖と憎悪がいかに蓄積されていったかをお話ししようと思います」。
「犯罪者責任」
と人道への罪
ここでは詳しく報告することはできないが、1894年の朝鮮での甲午農民戦争鎮圧を契機とする日清戦争から日本の敗戦までの「50年戦争」を通して「官民一体の迫害経験・正当化論の蓄積」が「虐殺に帰結」したことを明らかにするものであった。
具体的には、日帝による40年間の植民地政策によって、朝鮮農民の生活基盤が崩壊し500万人が「流移民」となって都市部周辺に貧困集落を形成した。そしてこれが日本社会の目に見える「他者」として蔑視の対象となった。一方では「朝鮮植民地戦争」を通して大量虐殺が繰り返された。捕虜に対する虐殺も「やむなし」論で無罪とされた。そしてこれらすべてが一体化していたということである。
そして朝鮮人は関東大震災で「3度殺されている」として、1度目は「人災」としての虐殺によって。2度目は国家権力による「隠ぺい」によって。そして3度目は日本政府による「歴史修正主義」によってであり、「犯罪に対する責任」と「人道に対する罪」は現在まで課題として残されているという、大変貴重な内容であった。
新宿駅で3・1
キャンドル行動
韓国ゲストからの報告はチェ・ウナさんに替わって、キム・チへさん(韓国進歩連帯自主統一局長)が「朝鮮戦争の停戦70年、新しい平和の道を切り拓こう!停戦70年に向けた平和行動の提案」を行った。
キムさんは米中を基軸とする東アジアの新たな対決構造が作られようとしているなかで、米韓軍事演習の大規模化と岸田政権の大軍拡政策を厳しく批判した。そして停戦協定70年行動として、3月の米韓軍事演習反対行動と、7~8月の世界平和行動を提案した。
次に特別報告として高良鉄美さん(参議院議員・沖縄の風)が「南西諸島軍事化の危険な動き」について報告した。高良さんは日本復帰50年で再び沖縄が「捨て石」にされようとしている状況は「主権者である国民全体の責任」であることは明らかだとし、米国追従と安保関連3文書を厳しく批判して「なぜ日米安保をやめさせられないのか」と、会場を埋めつくした集会参加者に訴えた。
この日の集会の最後に、3月1日新宿駅西口でのキャンドル行動への参加が呼びかけられた。キャンドル行動ではリレートークが行われ、様々な視点から日韓・日朝連帯と沖縄反基地運動との連帯などがアピールされた。 (R)

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