「日の丸・君が代」強制と法制化に反対する神奈川の会

優性保護法と家父長制に反対する闘いの課題

 【神奈川】3月4日、波止場会館5階多目的ホールで「日の丸・君が代」強制と法制化に反対する神奈川の会は集会・デモを行った。約30人が参加。

大橋由香子さん
のアピールから
 会場で話をしたのは大橋由香子さんである。大橋さんはソシレン(連絡会)のメンバーであり、フリーライターである。
 「家父長制は生き続ける、私たちはどうやって生き延びる?予期しない妊娠に対する社会の仕打ち」という題が銘打たれ、堕胎法、中絶に対する判断が産む人以外から強制される現実の中で、考え、感じる力を私たちがいかに奪われているかということを噛んで含めるように伝えてもらったと思う。それは優生保護法が母体保護法と名を変えても変わらない。
 国家は表向き、胎児の命を尊重するとしながら、産む人の生活状況を考慮に入れず、国家にとって「不良な」人が生まれることを排除する余地を十分残している。胎児出産に関し、産まない親の合意を得るかどうかという条文の問題を放置しながら生きている私たちの現状を自覚せずにはいられなかった。
 ゼロ歳児遺棄事件というのはたびたび起きるが、そのとき犯罪者として報じられる母親はどうしているかと大橋さんたちはそのたびに案じて話し合うという。技能修習生として来日したベトナム人女性リンさんの同種の事件も3月に無罪判決が出たばかりである。私たちが国家の加害につながっているという自覚なくして、個々に追い詰められていく人を見過ごすだけなのだという事態を変えていく必要に迫られている。
 優生保護法による強制不妊手術国賠裁判は憲法違反、賠償を東京、大阪高裁で命じられたにもかかわらず、責任を認めない日本政府に対して、ソシレンを含めた「全面解決を目指す全国連絡会」は、3月も国会院内集会をおこなっている。北海道あすなろ福祉会の中絶処置「奨励」報道においても解決に程遠い現実を思い知らされることとなった。

マイナンバー
保険証の強制
 その後、団体アピールが続き、中森圭子さんは「マイナンバー」保険証強制と健康保険証などと紐づけ推進の問題点、不当性を述べた。首藤久美子さん(女性と天皇制研究会)は美竹公園排除の手続きと人権を無視した無茶苦茶さについて語った。木元茂夫さん(すべての基地にNO!ファイト神奈川)は横浜ノースドッグ小型揚陸艇配備と要員増強に関して戦場輸送の連関について説明してくれた。
 井上森さんは立川自衛隊監視テント村50周年、オスプレイ立川配備に対する抗議などについてアピールした。反差別市民ネットワーク相模原の田中俊策さんが日本第一党の選挙戦などをきっかけに始まった活動の中で、条例制定運動が進み、諮問委員会が民族だけでなく性差別を含む条例制定を求める画期的答申を出した成果などについて報告した。

様々な連帯の
回路広げよう
 この日の神奈川県警はG7警備を意識してか過剰な警備が目立った。管轄地名を呼び合うなど混成部隊を編成している。デモに参加した人は横浜スタジアム周辺でにぎわう人々などへ「家父長制反対」、「沖縄、南西諸島の要塞化をやめろ」「天皇の歌を押し付けるな」などのコールを届けた。
 戦争をはじめ国家暴力があからさまに加速する今、民族差別に加えて、フェミニズム運動、女性、性的少数者の存在そのものに対する攻撃は多様化し、やむことを知らない。真正面からその被害にあう人へ連帯する回路を広げていきたい。
     (海田)

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