4.14ミャンマーに民主体制と平和を取り戻す緊急院内集会

生きる道を失った多くのミャンマー市民達

 【東京】4月14日午後4時から、参議院議員会館会議室で「生きる道を失った多くのミャンマー市民達 ミャンマー軍事クーデターから止まらない空爆~ミャンマーに民主体制と平和と自由を取り戻す緊急院内集会~」が開かれた。主催は在日ミャンマー人コミュニティ。
 軍事クーデターによって実権を握ったミャンマーのテロリスト・軍事評議会(SAC)は4月11日午前7時ごろ、国内北西部ザガイン地域カンバルの村において空爆及びヘリによる機銃掃射を行い、住民ら160人以上が犠牲となった。
 残虐極まりない虐殺行為を実行したテロリストSACに対して、私たち在日ミャンマー人コミュニティは最大限の怒りをもって抗議するとともに、日本政府及び国際社会に対して、ミャンマーの自由・人権・民主主義回復のために、なお一層努力するよう要請する緊急院内集会を行った。

  空爆攻撃

を許さない
 ミャンマー国民統一政府(NUG)日本代表部のソーバラティン代表が開会あいさつを行った。
 「軍部による残虐行為は70年前から起きている。2021年のクーデター以後、空爆が30件以上ある。こんなことをする国軍の下で生きている。どんなに悲しいことか。ミャンマーとの友好・経済交流を言うとき、その利益が軍部によって残虐行為に使われていることを分かってほしい。ミャンマーの国民に言葉だけでなく、支援を行動で示してほしい」。
 次に、ミャンマー国軍の止まらない空爆の報告が行われた。
 空爆は4月11日のみならず、12日以降も行われた。13日のデータによれば、現場で遺体確認できたのが168人、男性121人、女性47人。21人の小学生が含まれている。約300人の村人が近隣地域に避難中。重傷患者の治療ため、緊急対応ができない。
 NUG事務所の開設を記念する式典を空爆したと報道されているが、実は新しく家を建てる際に村全体に食事を与えるのが習慣で、周りの村から集まった人たちがたくさんいた。そこを軍が爆撃した。ジェノサイドだ。この行為は人間として絶対に許せない。
 過去の空爆での三大被害
 ①2022年9月16日、デイペイン郡ラッヤッコン村の中学校の空爆事件。死者数:11人の子どもを含む13人。②2022年10月23日、カチンKIA62周年イベントの空爆事件。死者数:62人。負傷者:100人以上(遺体が散らばって数えられない)。地元住民によると軍事評議会から妨害があり、負傷者の緊急処置ができず約200人が死亡した。③2023年4月10日、ワイブラ高校空爆事件。9人の地元住民が死亡、4人負傷。
 以上見てきたように、一般国民に対する空爆だ。人として絶対に許せない。世界的な支援が必要だ。毎日残虐なことが起きている。ミャンマーのことを忘れないでほしい。

日本政府はミャンマ
ー軍支援をやめろ!
 続いて、ミャンマー国民統一政府(NUG)のノースザンララソーさん(女性・青年・児童大臣)が「軍事クーデターから止まらない空爆~今もなお続く国軍による市民への武力行使/人権蹂躙の実態」をラインで報告した。
 ノースザンララソーさんは4月11日の空爆の実態を述べた後、政府軍ではなくテロ軍だ、と訴えた。テロ軍に抵抗している。犠牲者とともにいる。イタリアなどで抗議集会やプレスリリースされている。日本での支援に感謝している。クーデター後、国民への弾圧を強めている。空爆は400回を超えている。最近カレニーが空爆を受けた。戦闘機から逃れるために、自宅を離れて命を守らなければならない。私自身もそうした体験がある。クーデター後の2年間で、3951人が殺され、7万戸以上が焼き討ちされ、200万人が避難民になった。
 日本政府へ訴えたいこと。①軍へ流れる資金を断て。企業もただちに経済関係を切ってほしい②虐殺やレイプが行われている。これは国際的な犯罪だ。テロ軍に責任を取らせる③国連が主導権を握り現地調査を行え。困っている人を助ける処置をとれ。NUGも協力する。

難民の人達
に支援を
 ミャンマーの民主化を支援する議員連盟事務局長の石橋みちひろ参院議員(立憲民主党)が発言した。
 「昨日、超党派の『ミャンマー民主化議連』勉強会を開催した。ミャンマー国境沿い地域の難民/避難民支援の実態について。講師には2022年2月からの1年間、タイのメーソットにある現地医療機関・メータオ・クリニックに駐在して、ミャンマー人難民(避難民)支援に携わった医師の有高奈々絵さん(現在 一時帰国中)をお招きし、現地の生の実態・情報を直接伺うことができた。国内避難民の増大によって、現地における緊急人道支援も大変に厳しい状況にあることが参加者の間で共有され、議連としても、さらなる後押しの必要性が確認された。これを踏まえた日本政府への要請行動を来週行う」。
 「ザガインで160人以上が空爆で虐殺された。言葉にできない、悔しい、悲しみと怒りでいっぱいだ。こんなことが70年以上続いてきた。国民を守るべき軍隊が国民に銃を向けて殺し、住む場所を奪っている。国際社会はなぜもっと闘わないのか。極めて深刻な事態だ。日本人に知って欲しいと強く思っている」。
 「ノースザンララソーさんが三つの要請をしたが、2021年5月26日にNUGと会議を持ち、共同声明を出した。この声明にこの三点も盛り込んで、日本政府・外務省に要請している。しかし、政府は真摯な対応をしていない。悔しい。再度来週要請したい。予算委や衆院外交委でも追及・支援を要請していく。ミャンマー国軍の責任者への殺戮行為を国際司法裁判所(ICC)への訴追をやるべきだ。プーチンへも逮捕状が出された。国軍がやっていることは完全に犯罪であり、国際法違反だ。ミャンマーはICCメンバーではないが、現在国連安保理の議長は日本だ。日本がやればできるし、NUGを正式に認めればICCに訴追できる」。
 「タイ国境に、多くの難民が逃げている。緊急人道支援が必要だ。ジャングルに逃げている人たちにどう援助物資を届けるのか。タイ側、インド側から物資を届ける。そして難民を保護する必要がある。それを日本政府が行う必要がある。議連として、米国、ヨーロッパ、ASEANに要請したい。特にASEANには人権議連がある。連動してやっていきたい。われわれは認めれば国民と共にある」。
 質疑応答の後、在日ミャンマー人組織から日本政府への要請書を読み上げ、石橋議員に託した。4月18日午後3時から、外務省への要請行動への参加が呼びかけられた。 (M)

在日ミャンマー人が日本政府への要請書を石橋議員に託した(4.14)

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