3.25「さよなら原発」宮城県民集会

福島原発「汚染水の海洋放出」反対!
      女川原発を再稼働させるな!

【宮城】3月25日、仙台市内で「さようなら原発」宮城県民集会が開催された(主催・実行委員会)。400人が参加、集会の後、市内中心街をアピール行進した。
 岸田政権は昨年来、「エネルギー危機」を口実に原発回帰への大転換に踏み出した。今年、首相の施政方針演説から「東日本大震災」の文字が消えた。政権にとって「汚染水海洋放出」を既定方針として強行しようとする年である。首相の演説は、いつまでも被災にこだわっているわけにはいかないという政権の本音を露骨に示した。
 福島原発事故による「汚染水」の海洋放出は「今春から夏ごろ」、つまりG7会合を前後するタイミングで開始する方針だ。東北電力は東日本大震災で被災した女川原発を2024年2月に再稼働させると発表している。それらはまさに「日本の原発回帰」を内外に宣言することになる。集会主催者は「岸田政権の原発回帰政策の撤回を求めよう」と力をこめ、次のように訴えた。
 岸田首相は原発の再稼働促進、運転期間延長、新増設を一方的に持ちだした。「東日本大震災から12年、福島第一原発事故などなかったかのような動きが、岸田政権のもとで強まっている」。
 私たちは福島原発事故から何を学んだのか?「日本では過酷事故は起こらない」「五重の壁で守られているから安全だ」という原発安全神話の嘘であり、「原発が動かないと電気が不足する、日本経済がダメになる」という原発経済神話の欺瞞だった。しかし、首相は原発回帰への批判や疑問に答えず、閣議決定を強行、国会審議も尽くそうとしていない。
 福島第一原発事故は終わっていない。宮城県内でも原発事故に由来する汚染廃棄物の焼却を止めるための住民訴訟が闘われている。「私たちは今も、原子力緊急事態宣言の渦中にある」。

福島から漁業者が怒りの発言

 福島から参加した漁業者が紹介された。
 福島の漁業は苦難の連続の中で再開にこぎつけてきた。「しかし、海に流せば影響は広がる」、「そもそも凍土壁の失敗はどうするのか。廃炉がいつになるのかもわからない。いったい誰が責任をとるのか!」、「私たちは魚を買い上げてもらうために漁をしているのではないのだ」。
 十分に議論したというがそんなことはない。そもそも政府と東電は「関係者の理解なしには、処理水のいかなる処分もしない」と約束したではないか。「自分が決めるという岸田首相の言葉を聞いて私はゾッとした。いまやっていることは暴走だ。あれは処理水ではない、汚染水だ。東電の原発なのだ。安全だから東京湾に流すと言わないのはなぜか。「政治家たちは胸に手をあてて考えてみるべきだ」の訴えに会場から「そうだ!」の声が。
 「海はゴミ箱ではない。海は人間だけのものではない。政治家たちは何もわかっていない。汚染水を海に流すな!」と怒りの発言は続いた。
 集会宣言は「懸念されるのは決して『風評被害』だけではない」「これ以上(海を)汚すことは認められない」と指摘し、「福島の苦しみは私たちの苦しみです」「放射能の不安のない、自然とともに平和に暮らせる社会を作りましょう」と結んだ。

女川原発再稼働差止訴訟・原告団がアピール


 「女川原発再稼働差止訴訟」の判決が5月24日に迫った。集会では原告たちが並んで壇上に立ち、経過を報告、アピールした。
 2018年「再稼働を問う県民投票条例制定」を求めて署名活動が行われた。「みんなで決める会」が集めた署名は11万筆。請求に必要な4万筆を大きく上回ったが、県議会はこれを否決した。再稼働に向け突き進む東北電力と県に対して、仮処分申立をはじめ住民から異議ありの声が続いた。
 2021年5月、石巻の住民たちは「実効性が欠けている避難計画のもとで女川原発2号機を再稼働させてはならない」と主張、「避難計画を争点」に運転差止を求めて提訴した。1年半後の2022年11月に結審、まもなく判決となる。
 原告団、弁護団は内閣府、宮城県、石巻市に90回を超える情報公開請求を行い、「避難計画」をつぶさに検証した。そうして、「多くは机上の空論であり、住民が逃げることができない計画である」ことを明らかにしてきた。避難途中で被ばくし、人格権が侵害されることは明らかだ。
 宮城県は昨年10月の訓練で、避難途中の渋滞解消のためにマイナンバーカードと紐付けしたスマホアプリの活用を試したが、逆に住民からは「使いこなせない」など不安の声があがった。
 東北電力は今年2月の会見で、原発から5キロ圏内にある県道について、「重大事故時の避難路」として早期整備するために県と協力する協定書を結んでいたと明らかにした。全額90億円(総額で67億円、国土強靭化予算が37億円)を東北電力が肩代わりするという。
 女川2号機の再稼働は今年11月までに「安全」対策工事を終え、〈来年2月再稼働、4月から商業運転〉の方針のもと、県、東北電力の準備が進められている。訴訟原告団は「県民の真の願いに心を寄せ、親から子へ、子から孫へとこれまで育んだ日々の生業・くらしを守り、よりよい未来のために力を合わせていこう」と述べ、最後に判決への結集を訴えた。
    (仙台/U・J記)

女川原発の再稼働をやめろ!と宮城県民集会(3.25)

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社