4.18袴田さん再審に向け要請行動
無実の袴田巌さんに早期に無罪判決を!
【静岡】4月18日 支援三団体は静岡地方検察庁に再審公判での有罪立証放棄等を求める要請行動を行った。
4月10日に行われた三者協議の中で地裁は、検察に証拠調べに必要な確定記録を選別するよう要請したという。
驚いたことに検察は、裁判の中で二度までも「捜査機関による証拠の捏造」を指摘され、自らが行った「味噌漬け実験」での血液の色変化を否定できず、高裁決定に対する特別抗告断念、再審確定の経緯を何ら省みることなく、再審公判における主張と立証の方針に加え、取り調べを請求する証拠の範囲についても3ケ月も先の7月10日に示すとした。
弁護団の間光洋弁護士は「証拠の範囲を7月10日に明らかにするとなると、主張・立証の方針はその前に決まるはず。打合せの都度確認していく」と述べ、西嶋弁護団長は地裁に対して「年内の判決を想定してほしいと」つたえた。三者協議の日程は、次回5月29日、次々回6月20日。
再審開始と有
罪立証放棄を
4月18日、第一回三者協議を受けて、袴田さん支援の三団体(袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会、浜松袴田さん支援クラブ、国民救援会静岡県本部)は、3月20日に確定した再審裁判に向け、再審公判における検察の有罪立証の放棄と再審公判の早期開始に協力するよう静岡地検に対して4点にわたる申し入れを行った。
要請書は、4月10日に再審公判に向けた第1回3者協議(裁判所・弁護団・検察)の場で、検察が立証方針を表明せず、7月10日までに明らかにするとしたことに「驚きを禁じえませんでした」ではじまり、去る3月13日の東京高裁の再審決定に対して最高裁への特別抗告断念に至る判断は、検察自らが行った血液の味噌漬け実験の衣類は、醗酵した味噌色に染まり付着した血液は黒褐色に変化していること、塩分と酸性の環境下にさらされると黒色に変化することは医学の常識であり、これを否定することは不可能であることを検察官自身が「一番ご存じで」、それ故に、血液の色変化する機序(しくみ)について一切反論できなかったと指摘した。
また犯行着衣とされた「5点の衣類」はその発見経過からも不自然で静岡地検と静岡県警が一体となって袴田さんを犯人に仕立て上げた捜査に他ならないと指摘。4点の要請項目は
⑴一日も早く再審公判が開かれることに積極的に協力していただきたい。 ⑵袴田さんを有罪とした証拠である5点の衣類以外は希薄な証拠に過ぎず、有罪立証を放棄していただきたい。
⑶未開示証拠の中には袴田さんの無実につながる証拠があるはずです。そのためには未開示証拠をすべて明らかにしていただきたい。
⑷事件発生後、半世紀以上の経緯における警察・検察の違法行為、不適切行為が散見される。謙虚にそれらを認め、再び繰り返さないためにどうすればよいか「基本姿勢を公表」していただきたい。
要請書の末尾において検察庁の「検察の理念」に書かれた「権限行使の在り方が、独善に陥ることなく、真に国民の利益にかなうものになっているかを常に内省しつつ行動する、謙虚な姿勢を保つべきである」を抜粋して結んだ。
三団体による要請行動に対応したのは静岡地検の事務方で、各要請項目対する回答は一切なく、「上に(検察庁)伝える」の一点張りだった。4月18日の支援団体による要請行動に続いて19日、日弁連小林会長は、定例記者会見の場で「公益の代表者という視点に立てば、検察官がすべき道はおのずと明らか。有罪の立証は諦めるべき」と訴えた。 翌20日には袴田弁護団が東京高検と検察庁に対し有罪立証せずに再審公判の速やかな進行に協力するよう申し入れを行った。弁護団・支援団体の総力を挙げて早期の再審開始と有罪立証放棄を迫る一大キャンペーンを展開しよう。 (S)

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