5.7入管法改悪反対杉並デモ

われわれの仲間を殺すな!
3500人の参加で熱い思いを訴える

 【東京】5月7日午後2時半から、JR中央線高円寺駅近くの高円寺中央公園に集まり、入管法改悪反対集会を開き、その後阿佐ヶ谷駅に向けてデモを行った。この日は朝から強風と激しい雨に見舞われたが、最終的には3500人(主催者発表)がデモに参加した。反貧困ネットワークと杉並など市民運動100団体が入管法改悪反対杉並デモ実行委員会を作り、この日の行動を実現した。

外国人は人間
じゃないのか
 最初に、瀬戸大作さん(反貧困ネットワーク)が次のように訴えた。
 「4月28日に入管法改正案が衆院法務委員会で可決されたが、反対の世論の力を作っていく。14世帯の仮放免者の家族の支援をしている。当事者は表情が固い。動揺が起きている。難民申請が3回却下されている当事者は送還されるようなら自殺するとまで言っている。眠れない日々が続いている。入管に出頭したらそのままチケットを渡され送還させられるかもしれない。『送還忌避者』が4233人いる。その人たちの生存権を保障し、強制送還する」。
 「5月9日、衆院本会議が開かれ、与党などにより入管法改正案が可決され、5月12日から参議院で審議が始まり、5月末に可決するという与党の腹づもりだ。これを阻止するために体をはって闘ってほしい。何よりも市民の力が大事だ。会期末、時間切れで廃案も可能だ。『われわれの仲間を殺すな』が闘うスローガンだ」。

野党議員も
声を上げた
 杉並から差別をなくす会。「杉並区では、今年4月から『杉並区性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例』が施行されたが、その実現のために活動してきた。差別を禁止することは政治の問題だ。入管のやっていることも差別だ。何も希望を持てない。今すぐ入管法改悪を止めよう」。
 石川大我さん(立憲、参議院議員)。「難民保護法を来週参院に提出する。私は参議院法務委員会のメンバーだ。これを成立させよう。人の命を奪う法律に反対する。私はクルド人コミュニティに参加したことがある。サッカーを通じて日本語を学び日本人と仲良くなった。16歳になって入管に行くと、『あなたは日本で働くことができない。とっとと、本国に帰れ』と言われた。その後、勉強をがんばったが、同じことを入管に言われた。本当に恥ずかしい現実だ。こうした状態を変えよう」。

共に新しい
社会を作る
 ジャーナリストの安田浩一さんが「今日は怒りの雨、風が吹いている。入管への怒りをもっとぶつけなければならない。人の生きたい気持ちを無視し、制圧してきたのが入管だ。入管法の解体をしていかなければならない。人々の願いを奪うな」と発言した。
 ミョーチョーチョーさん(在日ミャンマー・ロヒンギャ難民)。「2006年8月、命が危ないから逃げてきた。難民申請してきたが認めない。3回目を出したが2カ月前に却下された。強制送還される可能性がある法律が出されている」と話し、ミャンマーで不当に拘束され、10年もの刑が言い渡されたが釈放されて、帰国したジャーナリストの久保田徹さんを紹介し、久保田さんが発言した。
 「私は強制送還される絶望が本当のことだと実感できる。私も10年の判決を受けた。もしロヒンギャなら本当に殺されていただろう。日本で入管のドキュメンタリーを撮っていた。つらい思いを何度も聞いている。今回、入管法改正案について、収容者のことを思った。ミョーさんはデモなどをして反対運動をしてくれている。感謝している」。
 ミョーさんが「入管法反対」のシュプレヒコールを呼びかけ、全員で唱和した。ウィシュマさんのご遺族のワヨミさんとポールニマさんが「2021年3月6日、姉が亡くなった。点滴を求めたが入管は何もしなかった。入管は責任をとっていない。真相を明らかにしなければならない。責任を取らせてください。入管法改正案を成立させることに納得できない」とそれぞれ発言した。

全国で追い
詰め廃案へ

 最後に、指宿昭一さん(弁護士)が「19時間も審議したとして強行採決した。多くの人が反対の声を上げ続けた。都内各地、全国で声が上がっている。2年前より多く上がっている。入管法改悪を止められる。国会前、全国で追い詰め廃案へ。あきらめない。共に闘おう」と檄を飛ばした。集会終了後、2時間以上かけて、高円寺から阿佐ヶ谷駅まで「入管法改悪反対」と訴えた。必ず廃案へ。(M)

悪天候をついて入管法改悪反対のデモ(5.7)

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