5.3おおさか総がかり行動・憲法集会
輝け憲法! 平和といのちと人権と
今こそその真価が問われる
【大阪】おおさか総がかり行動実行委員会主催の憲法集会が5月3日、大阪市扇町公園で開催され、5000人の市民が参加した。
集会は、丹羽徹さん(大阪憲法会議・共同センター)の開会のあいさつで始まり、猿田佐世さん(日本・ニューヨーク州弁護士、新外交イニシアティブ代表)がメインスピーチをした。
続いて、アカリトバリさんのコンサート、3つの市民団体(南西諸島の自衛隊基地配備に反対する大阪の会、大阪にカジノはいらない市民の会、反核医師の会)のアピールがあった。
立憲政党アピールとして、立憲民主党(森山浩行衆議院議員)、日本共産党(宮本岳志衆議院議員)、社会民主党(大椿裕子参議院議員)、令和新選組(大石あきこ衆議院議員)があいさつをした。
米田彰男さん(戦争させない1000人委員会・大阪)が閉会あいさつをし、3コースで市民パレードを行った。 (T・T)
猿田佐世さんのメインスピーチ
「敵基地攻撃」って侵略戦争のこと!
集まっている皆さんの共通項は何?でしょう。それは日本政府による軍拡に怒っているということですね。軍事費2倍に、武器輸出も推進、東アジアの戦争を自ら呼び寄せ、より危険になった感じがする。でも、戦争は絶対止めなければいけない。その気持ちをここで確認し、広げていきたい。
若い世代に憲法の重要さを伝えていかなければ、集会も開けなくなるかもしれない、今はそんなタイミングになっていると感じている。日本政府は、敵基地攻撃能力を認め、それは憲法違反でないという。なぜかというと、それが国民を守る必要最小限の方法だからと。日本は攻撃をされていないのに、米軍が攻撃されると、日本は米軍を攻撃している国にミサイルを撃って破壊することができるようになった。これは専守防衛なのか。憲法を出すまでもなく、国際法の先制攻撃にすら違反する。
台湾有事って何?
エピソードをひとつ紹介する。東京6大学の1つで講義を持っている。【台湾有事が起きたら日本はどうすべきか】について、学生同士で討論してもらい、感想を提出してもらった。ところが、学生の3分の2が討論に参加できなかったと回答。理由は、有事の意味が分からなかったから。次の年度でも同じことを聞いたが、今度は意味が分かって討論できた者が15%だった。政府は、戦争を有事と言い換え、意味の分からない法律名(例えば有事法制の成立)にして通してきたことも、原因ではないかと思う。台湾有事とは、台湾戦争のことだ。
安保3文書のことはどう思うかときいたら、「日本には軍隊がないから、少しぐらい軍事力を持った方がいい」と真面目にいう。現在ですら世界第5位の軍事大国、軍拡すれば世界第3位の国になるというのに。でも、学生だけを責められない。戦争を有事と、軍隊を自衛隊と、敵基地攻撃能力を反撃能力と言い換えて、どんどん戦争に向けてことが進んでいる。
もし憲法9条
がなかったら
護憲派の人でも、もう憲法は死んだと言う人もいるが私はそうは思わない。憲法9条では、紛争を武力以外の方法で解決しなければいけない。何でもアメリカのいうことを聞いてきた日本政府は、論議をしないこの国に憲法がなかったら、朝鮮戦争・ベトナム戦争・アフガン戦争・イラク戦争でどんな判断をしたのだろうか。9条は戦争の放棄と軍隊の不保持をうたっている。この強いパワーがなかったら、日本は戦争に巻き込まれ、国民は戦争反対の声を上げられなかっただろう。
あなたは戦争
に行きますか
ウクライナ戦争が始まって直ぐ、マスコミが世論調査をした、「日本が戦争になったらあなたは戦争に行きますか」。同じような内容のテレビ討論番組もあった。その番組で元自民党の国会議員の女性が「今は6歳の子どもだが、大人になって、『お母さん僕は日本を守るために戦争に行く』と言ったら、何と答えるか」と自問した後、背中を押して送り出すと発言した。その後、別のテレビ討論番組に出演した私は、前述の元国会議員の女性のことを話して「私は絶対に子どもを戦争にはやりません」と発言した。番組が終わった後ネットを見たら、【猿田は非国民】という声があふれていた。もし9条がなかったら、戦争反対と声を上げることすらできなくなるかもしれない。
合い言葉は「戦
争を回避せよ」
内閣のポータルサイトには、ミサイルが飛んできたら床に伏せて頭を隠しなさいと書いてある。第2次大戦の時も、人々は何の役にも立たない竹槍訓練・バケツリレーに動員されたが、それは心の戦争準備と思考停止の役にたったと沖縄の三上智恵さんが言っているが、避難訓練もそのような意味があるのだろう。人々が政府のやることに疑問を抱かない日本になることを非常に危惧している。日本政府は、戦争を回避するために軍拡が必要だ、抑止力を高めることが必要だという。軍拡をすれば平和になるのか。
米国のマイケル・ウオルツ(学者)は、この150年間の戦争の背景を分析した。2カ国が紛争を抱えていて、その2カ国が軍拡した場合は、82%が戦争になった。その2カ国が軍拡しなかった場合、96%が戦争にならなかった、という研究結果を発表した。私たちはどうすればいいか。今、日本1国では、相手国が北朝鮮でも、ロシアでも、中国でも2カ国間では戦争になる可能性はない。その日本がなぜ戦争になるのかというと、米中戦争が起きたら日本は米国側で片棒を担ごうとしているからだ。
「米軍基地の使用は
認めない」の声を!
なんとかして、台湾有事を起こさせない。もし台湾有事になっても、自衛隊を派遣しない、日本にある米軍基地から米軍の戦闘機や空母を出撃させないことだ。事前協議で、在日米軍基地の使用をさせないことが極めて重要だ。「在日米軍基地の使用はNO!」・「自衛隊派兵を認めない」の声を今から上げよう。

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