第94回日比谷メーデー

生活守れ、人権守れ、軍拡止めろ
今こそ労働者の声を

 【東京】5月1日、日比谷野外音楽堂を会場に、同メーデー実行委員会主催の下に第94回日比谷メーデーが開催された。メインスローガンは例年通り「働く者の団結で生活と権利、平和と民主主義を守ろう!」。この下に、第94回中央メーデー(同時刻代々木公園開催)との統一スローガンとして、「物価高騰分を上回る大幅賃上げ! 雇用の継続と休業・生活補償・社会保障の充実を!」「ジェンダー平等!均等待遇実現!なくせ貧困・格差・差別、8時間働けば暮らせる社会を!」「福島原発事故を忘れない! 原発ゼロ社会・復興の実現を! 核兵器廃絶!」「反戦平和!9条改憲反対!大軍拡・増税反対!辺野古新基地建設阻止!岸田政権は退陣を!」が掲げられた。
 この3年コロナ禍で動員が絞られるなど窮屈な形のメーデーが続いたが、今年は4年ぶりに制限なしの開催。好天にも恵まれ、主催者発表で3500人の労働者が会場内外に結集し、メーデー式典とその後のデモで要求実現に向け闘いを進める決意を共有した。

闘うメーデー
人権メーデー
 式典は、午前9時50分、平賀雄次郎中小民間労組懇談会代表の開会宣言で始まったが、そこでは特に、今も渦中にある生活防衛の闘いに向けた闘うメーデーにすること、また今年が関東大震災100年であることを念頭に、当時のアジア人大虐殺と今渦中にある入管法改悪との闘いをしっかり意識した人権メーデーとして貫徹することが訴えられた。
 次いで鎌田博一国労東京地本委員長が主催者あいさつ。鎌田さんは、まず1年になるロシアのウクライナ侵略を糾弾しつつ、岸田政権の数々の悪政暴走に立ち向かい運動の強化で民主主義と平和を勝ち取り、いのちと暮らしを守る実効性ある対策を迫り国民不在の政治を転換させようと訴えた。
 連帯あいさつは、和田隆宏都労連委員長と第94回中央メーデーから黒澤幸一さん。和田さんは、政府が賃上げを実現できるかのようにふれ回る岸田政権のいかさまと労働者への攻撃に労働者の断固とした闘いの対置が必要と強調、さらに小池都知事が関東大震災時のアジア人虐殺を免罪していることを許さず歴史修正主義と闘おうと呼び掛けた。
 黒澤さんは、統一スローガンが今年も実現したことを共に確認しこれからも連帯を強めようと訴えた上で、ストライキ闘争の推進と全国一律での最賃引き上げに共に全力を挙げようと呼び掛けた。
 また社民党の福島みずほ党首も来賓としてあいさつ、軍拡と生活防衛は両立不可能と強調、国際連帯による軍拡阻止を訴えた。

女性労働者の
闘いの決意
 韓国の民主労総からのメッセージが代読で紹介された後、女性4人が決意表明に立った。
 最初は郵政産業労働者ユニオンの谷川紀子さん。谷川さんは非正規の窓口として20以上年働いてきたと自己紹介した上で、同ユニオンの闘いをさらに強化し、処遇格差是正を何としても勝ち取ると決意を明らかにした。特に、正規の条件を引き下げて処遇格差を縮めるという郵政当局の対応の不公正さに率直に怒りを表明、非正規の抜本的な処遇引き上げでなければ意味がない、真の格差是正を絶対に実現すると強調した。
 次いで全統一労組ピードア分会の長谷川ロウェナさん。本紙でも何度か伝えたホテルの移住労働者全員解雇攻撃に立ち向かっている闘いを紹介、勝利を勝ち取る決意を明らかにした。特に今年2月20日に解雇無効の完全勝利判決を勝ち取ったものの、ホテルはそのまま営業を続けつつ会社が社名や住所を変更し逃げ切ろうとの悪どい策動を続けていることを明らかにし、そんなことは絶対に許さないと力を込めた。そして労働者には権利がある、労働者にはパワーがある、仲間がいる、との自信に満ちた決意表明には満場が連帯の拍手で応えた。
 続いて全日建関西生コン支部の松尾聖子さんが、労働組合への弾圧を全力ではね返そうと呼び掛けた。ミキサードライバーだと自己紹介した松尾さんは、ヘイト集団も加わった卑劣な弾圧を押し返しつつあると現状を報告、正当な活動を犯罪にさせない、ストライキが当たり前の社会をと力強く訴え、最後に同支部が作成した事実を伝えるドキュメンタリー映画を紹介し、是非活用を、と呼び掛けた。

どんどん憲法
を使うべきだ
 最後は、5・3憲法大集会実行委員会の菱山南帆子さん。本来国がやるべきことを個人に押しつける政治はうんざり、戦争につながるものを拒否し、改憲させず、どんどん憲法を使って要求しよう、使いにくい労働者になろう、と元気一杯に訴え、合わせて5月3日の憲法大集会への大結集を呼び掛けた。
 式典は最後に、これらの発言や決意表明をまとめるものとして「今一度、すべての労働者の幅広い結集と一層の団結を深め、闘いを進めていくことを確認」とのメーデーアピールを採択した。そして渡邉洋全労協議長の音頭で団結ガンバローを三唱、参加した労働者はすぐさま2コースに別れデモへと繰り出し、労働者の闘う意志を込めた声を沿道に響かせた。 (神谷) 

日比谷メーデーで闘う団結の意義を確認(5.1)
新しい闘いに撃って出よう(5.1日比谷)

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