紙の健康保険証を今までどうり使い続けよう!

共通番号制度を考える会・静岡

 【静岡】番号制度改悪法案が4月27日衆議院を通過し、翌28日参議院で趣旨説明・質疑が行われた。全体で13時間というあまりの拙速な衆議院審議に対し、参議院での徹底審議を要求し、廃案に持ち込もう。
 ①―A 出されている改悪法案の骨子(地域活性化・子供政策・デジタル社会形成に関する特別委員会付託)略称チコデジ委員会
 1、災害対策・税・社会保障の3分野の限定利用から利用・提供範囲の大幅な拡大
 2、紙の健康保険証廃止、マイナ保険証を持たない人への「資格確認書」の発行(本人申請・1年毎)従来なら厚生労働委員会
 3、戸籍氏名のフリガナ記載 従来なら法務委員会
 4、「行政機関等経由登録」制度の新設 不同意の意思確認のない人は同意とみなし、公金受取口座とマイナンバーを紐付けする。
 ①―B 拙速な衆議院審議と可決
 1、賛成派のみの参考人質疑 日本医師会、連合、マイナンバー制度ワーキンググループより2名、計4名 かつてない偏った参考人
 2、自公・維新・国民などが賛成、立憲・共産・れいわが反対12項目の付帯決議付
 3、賛否の主な理由 
反対 立憲 デジタルファシズムを思わせる改正案だ。マイナ保険証の見切り発車は強引で国民皆保険を損なう 利用拡大は説明不足 口座登録は強引
 共産 紙の健康保険証廃止は国の責任放棄 利用拡大はプライバシー侵害の危険性増大 口座登録は国民の不信を一層拡大 戸籍審査は命名権の侵害
 賛成 維新 すでにカードを持たない人は少数派、カード取得・マイナ保険証・預貯金口座との紐付け義務化を求めた。法案には賛成するが生ぬるい。
 ②マイナンバーカードをめぐる最近の状況
 1、マイナンバーカード申請件数9662万枚(人口比76・7%)4月30日現在
 2、交付枚数8439万枚(対申請件数87・3% 対人口比67%)
 3、マイナ保険証としての登録5889万枚(対人口比46・7%)
 4、従来の保険証の利用件数1億1537万人、マイナ保険証利用件数267万枚(対従来の保険証比2・3% 3月末)
 ③マイナンバーの漏洩相次ぐ
 別人の住民票が発行された横浜、別人の戸籍証明が発行された川崎、マイナンバーの流失の大阪、発行予定のカードの大量紛失カードを使ったなりすまし事件の発生など、発行件数が増えるに従い、様々な漏洩事案が発生している。
 ④私たちが同法案に反対の理由
 1、現在使用されている健康保険証に問題は全くない。大半の人(97・7%)は今まで通りの保険証を使っている。
 2、マイナンバーカードは厳重な保管が必要。持ち歩きは大変危険。健康保険証はいつも携行が必要なもの。
 3、カードには様々な個人情報が紐付けされており、落としたり、暗証番号を忘れたりできない。特に高齢者には注意が必要。
 4、高齢者施設では、健康保険証は預かっているが、暗唱番号の伴うマイナンバーカードを預かっていない施設が大半。認知症の患者から、本人確認・委任の取り付けは不可能。
 5、「資格確認書」は、カード取得を義務付ける道、少数者切り捨て制度だ。
 6、カードの更新は5年後。また単位自治体に申請が殺到する。今まで通り毎年自治体が発行する国保・後期高齢者保険証が便利、社会保険等同じ職場の人はそのまま続けられる。
 7、国保が高いと思う世帯は多く、更新しない若い人も多く予想される。国民皆保険制度の危機が早晩引き起こされる。
 8、デジタル大国シンガポールでは、ハッキングにより医療情報150万件が流失。       (S)

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