6.10米軍Xバンドレーダー基地撤去京丹後現地集会
米日主導の戦争態勢NO!
朝鮮半島での戦争やめろ
【大阪】米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会議主催の京丹後現地集会が6月10日、京都府京丹後市経ヶ岬の米軍基地前で開かれた。米軍Xバンドレーダー基地の建設計画が安倍政権の時に突然浮上し、建設準備が進行したときから毎年取り組まれてきた現地集会は、コロナ感染のため中断を余儀なくされ、4年ぶりに開かれた。基地は2014年12月に本格稼働している。
4年ぶりの現地行動
集会会場確定は右翼の妨害等の理由で宇川地区公民館の使用が難しくなり、二転三転した末、国道を挟んで米軍基地の真ん前の空き地という最適の会場となった。100人が京都、滋賀、奈良、大阪、兵庫から参加した。基地は完成していて、穴文珠堂への松並木の参道を挟んで西側に自衛隊基地、東側に米軍通信基地が位置している。それぞれの基地が以前より整備強化され、両方の建物はともにモスグリーン色に塗られていて、いかにも1つの統一した基地のイメージができあがり、まさに、日米の軍事一体化を強く印象づけている。基地の要員は日米合わせて265人という。自衛隊基地は尾和地区、米軍基地は袖志地区にある。
「特別注視区域」指定の見込み
中断していたこの間の大きな出来事としては、2022年8月、重要土地利用規制法(9月全面施行)に基づき、米軍経ヶ岬通信基地と隣接する航空自衛隊経ヶ岬分屯基地周辺半径1キロの範囲は、土地売買の事前届け出が義務づけられる「特別注視区域」に指定される見込みであることが、区長に情報提供された。同法所管の内閣府が最終決定するとのこと。住民説明会は行われず、情報提供の場はマスコミには公開されなかった。
また、昨年11月7~12日に日米合同の「基地警備訓練」が実施するとの報道があった。これは京丹後市が発表したもので、全国で実施された日米共同統合演習「キーン・ソード23」の一環で期間中に空砲とドローンを使用するとのことだった。
事故隠し体質変わらず
さらに2022年11月8日、京丹後市網野町の国道178号線で人身事故が発生した。基地所属の軍属の通勤車が散歩中の高齢男性に接触、左目のまぶたに1週間のけがをした。防衛省は、市に軽微の物損事故と報告。被疑者から連絡を受けた市民が現場で聞き取り調査をした結果、被害者が病院で治療を受けていることが判明し、その旨を市に情報提供した。市は防衛省に事実確認を求めたが、物損事故との回答をくり返し、後に人身事故と言い換えたという。
米軍基地前で集会
基地前での集会は、空き地の後にある地元の墓地に全員で一礼して始まった。
初めに大湾宗則さん(近畿連絡会共同代表)があいさつをした。
大湾さんは、「私たちは2013年に連絡会を立ち上げ、基地撤去の闘いを続けてきた。私たちの目的は、地元の人たちが自ら立ち上がって基地撤去の闘いを始めること、反戦・反基地の闘いが広がることであり、それを目指して闘ってきた。私たちは、日本がXバンドレーダーを使い、朝鮮半島や中国に向かって攻撃的な戦争をするのを阻止するためにここに来ている。最近のウクライナ戦争や台湾有事に関係して、沖縄・日本が戦争に巻き込まれるという言い方がされるが、それは間違いだ。戦争に巻き込まれるから反対するのではない。
むしろ、日本は米国などG7諸国とともに、中国に対抗して覇権争いをし、他国の人々を戦争に巻き込もうとしている。それをとめなければいけない。小学校統廃合問題や風力発電建設計画も住民が動いて中止になった。基地反対でも人々が立ち上がるまで支援していく」と述べた。
永井さんの現地報告
続いて、永井友昭さん(米軍基地建設を憂う宇川有志の会事務局長、京丹後市議会議員)が京丹後からの現地報告を行った。
「レーダーが稼働してから8年半ほどたった。現在基地は完成し、米兵、セネガの警備員なども基地内に住んでいる。通常は100人ぐらいで動いているようだ。最近あった2つのことを報告したい。1つはセネガの警備員のワゴン車による人身事故。この件は加害者と基地の責任者が被害者に謝罪をしているのに、その事件が表に出されず、警察も分かっているのに公表しない、防衛局は事実を確かめもせず物損事故扱いとし、粘り強い追及によって防衛局はやっと人身事故を認め、再発防止の話し合いまで行った。この件を取り組む中で見えてくるのは、日米地位協定が米軍の特権を定めたもので、米軍には事故の報告義務はなく、その時々に対応すればそれでいいとなっていることが改めて分かった。
米軍は直接情報を出さず、防衛局が間に立って二重三重に網がかかっている。だから我々の監視が必要だ。もう一つは、昨年12月重要土地規制法の対象地域が離島中心に58箇所決められ、5月に第二次の対象地域161箇所が決まった。特別がつくと、半径1キロ内に住む人間も規制の対象になり、違反すると刑事罰も科せられるという厳しいものだ。経ヶ岬が指定されるのは時間の問題だ。しかし国は住民説明会をしようとしない。市は何度も要請しているという。世界第3位の軍事国家をめざすというが、憲法との関係はどうなるのか、この怒りを共有したい」と述べた。
続いて、しないさせない戦争協力関西ネットワーク(大阪)、憲法9条をいかす会ひょうご(兵庫)、憲法をいかす奈良県民の会(奈良)、平和人権運動センター(滋賀)、9条ネット(滋賀)からアピールがあった。
集会後、基地を抱える二つの地区(袖志と尾和)内をデモ行進して基地問題を訴えた。穴文珠堂構内でデモは一旦解散し、自衛隊基地と米軍基地前で抗議のシュプレヒコールを行い、韓国ソソン里からの連帯メッセージ・ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会(清水早子共同代表)のメッセージを読み上げ、この日の行動を終えた。(T・T)
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