グローバルな監視社会に対抗する
ATTAC Japan(首都圏)講演会 ②
中国の民衆管理体制の現実
【東京】6月24日午後2時半から、アカデミー千石で「 グローバルな監視社会に対抗する」講演会がATTAC Japan(首都圏)の主催で行われた。
「グローバルな監視社会に対抗する」と題する講演会を小倉利丸さん(JCA―NET)と中国事情について別の方からの報告があった。今号では中国報告を紹介する。 (M)
中国監視国家の実態
ネットに書き込みをしてそのまま逮捕される。ネットにこういうことはダメだと書いているだけで、逮捕されるケースがたくさんある。インターネットの個人情報がどうして、分かってしまうのか説明したい。
TiKToKは主にスマートフォンで利用する、中国のByteDance 社が開発したアプリで 、日本でもサービスをしている。トランプと中国の貿易戦争あったが、中国反対の一環として、個人情報を収集しているかどうか、議論が出てきた。最近になると米国ではいろんな州の政府によって、TiKToKは公務員の使っているパソコンでインストールできない法律が成立した。
アプリを使うと位置情報とか何を支払っているとか、マイクで他の人と話していることを携帯電話を通じて会社にいく可能性もある。中国では国家安全という名目で、個人情報を公に収集している。企業に対して、その個人の情報を渡してくださいと要求できると法律で決められている。国家情報法というものが中国国内のみだけでなく海外でも、中国国家にとって安全でなければ、その人に情報をくださいということは可能だ。
日本でも中国の秘密警察が話題になったと思うが、秘密警察の広がりにもつながっている。7年前、ネット安全法という法律があり、海外の企業だとしても中国でサービスを提供するには、サーバーとかを中国国内に置くようにし、公安が管理できるようにした。インターネットの実名性を求めていて裸である。中国の場合だと法律が成立以前にも、実際警察はやっている。その後に法律ができる。
貧乏な貴州が有名になった。それはアップルのせいだ。中国ではサーバーを中国に置かなければならない。そのために、Aiphoneではクラウドサービスがあるが、それをもともと米国で管理していたが、中国の法律によって貴州にサーバーを置いた。ポリシー(契約)の解約があって、その時すごく話題になった。
外資系の企業が中国国内にサーバーをとる。そうすると中国の現地の政府と手を組んで企業が立ち上がっているのがほとんどだ。国有の企業といっしょに、サービスをやっている。中国の市役所の中に皆さんの情報が残っているということです。
それ以外にもTiKToKを運営するByteDance の場合、どうして情報を渡せるかどうか、いろんな保証があるけど、中国の大手のIT企業に出資はできる。取締会で投票できる権利が法律的にも定められている。党から出てきた人がそこで投票出来て、裏で操作できる。
TiKToK以外にも、クラウドサービスとかも広がっている。その裏には中国企業がある。PAYPAYの話。QRコードをスキャンしている下の方に、何々PAYとか書いてある。なぜ入っているかというと、PAYPAYという企業が中国のアリババなどの企業と手を組んで、サービスを提供している。情報の共有をしているかもしれない。
どうして情報統制ができたか
マイナンバーカードはいかに危険か。日本で広がって、何十年後に中国みたいになることを紹介していきたい。
中国ネット事情について。中国のサイトから海外のGoogleとかTwitterとか訪問できない。旅行に行くときは海外のサーバーを経由して訪問しないといけないとなっている。ネットで実名制度が法律で定められている。どこでサービスをしているか、何を書き込んでいるか、何を買っているか、全部サービスを提供する会社が分かるようになっている。
これはどうしてできたのか。身分証明書制度があるからだ。マイナンバーカードと似たようなカードだ。名前、顔写真、住所、生年月日、出産すると番号をもらえる。カードはこの情報だけでなく、この中にチップスが入っている。どう使われているか。新幹線に乗るときに、ピッてするとすぐ乗れてしまう。チケットとかいらない。病院に行くとか銀行に行くとか、そういう用事がある時だけでなく、日常生活に取り込んでいるサービスにはなっている。
有効期限がある。この時に取る情報は顔写真はもちろん、指紋も取られる。個人情報を管理している。
中国が無法地帯と思われるかもしれないが、韓国でもこういった身分証明書があるが、実名制度がほぼ成り立っている。インターネットサービスを利用するには身分証明書が必要だ。一回この制度を利用するともう元に戻れない。政府が一回情報を把握できれば削ることもできないし、そのまま進むしかない。この番号があればあなたの人生のすべてが把握できる。韓国のように法律が守られている国でもそういうふうになっている。日本も未来がそう遠くないだろう。
身分証明書以外にも、中国には顔認証というのがすごく発達している。携帯電話を解除するためとか、キャッシュレスがすごく発達している。今はほとんどQRコードで決済している。QRコードなしの店もどんどん増えている。顔でおカネ払えるというふうに進んでいる。天安門などはものすごい監視カメラが設置されている。地下鉄のどこにもカメラが設置されている。横断歩道を渡るときに、赤で渡りましたというふうに瞬時に顔をキャッチして、ここの身分証明書に紐付けて、この人は誰ですかと分かる。
本人には携帯電話にメッセージがくる。あなたは交通法違反をしている、二度としないで下さいと。携帯電話を申請するときにはこのカードが必要になる。携帯電話でいろんなことをするので、全部紐付けられる。これをするためには膨大な税金がかかっている。これは発表されていることですが、国内の安全を維持するためのおカネは国防費を上まっている。2015年以降だけでなく、以前にもほぼ同じくらいおカネかけている。
それだけではないんです。維持費用が高いけど、いろんな角度で党からの人が監視でおカネもうかっている。どういうことかというと、公共施設を使う場合、安全審査が必要。地下鉄に長蛇の列で並んでいる。入口に人員と機械を配置していて検査している。政府もおカネ出さなければならないが、もうかっている人もいる。国の関係者の会社が機械を作って提供している。北京の地下鉄の検査企業を検索したら、軍人がやっていた。
いわゆる党の関係者。北京の保安・公共サービスにつながっていて、おカネももうかっている。オリンピックとか、国慶節の時にデモしている。これに出場している。エリート層とつながっている。地下鉄の検査以外にも、ネットで言論を統制している。検閲をかけているのも利益にかかわっている。人民日報の傘下の企業、人民網はメディアだけでなく、検閲に対するありとあらゆるサービスを提供している。検閲の基準を人民網に聞いてくる。それがものすごく高くカネがかかる。
海外と遮断する、顔認証、インターネットでの検閲をAIで使っている技術がすごく発展している。それを海外に輸出している。イランで顔認証を応用して顔を隠していない女性を監視したり、ロシアでツイッターやフェイスブックのアクセスの制限、ミャンマーで海外のSNSを遮断していることに中国がつながっている。
日本ではペイペイのように、キャッシュレスサービスを中国企業が手伝っている。中国企業は党のいうことをきかないといけない。マイナンバーカードのような身分証明書が監視に使われている。マイナンバーカードはあってはならない。(発言要旨、文責編集部)
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