7・1 シンポジウム滝山病院事件の現状・背景私たちにできること

 7月1日・土曜日、神奈川近代文学館(大ホール)で、シンポジウム「滝山病院事件の現状・背景・私たちにできること」(主催 滝山病院「かながわ」退院促進実行委員会、後援16団体)がおこなわれ、209人が参加した。
 実行委員会代表の原裕樹(はら・ひろき)さんは「2月にNHKの退院死亡(「ルポ 死亡退院~精神医療・闇の実態~」)という番組を見た。誰かなんとかできないのか、できることはないのかということでシンポジウムをひらくことにした。神奈川県(注)での動きが見えない。神奈川県も何か動いてほしい」といっていた。
 注 実行委(「滝山病院『かながわ』退院促進実行委員会」)によると、2022年6月末時点の入院患者152人のうち31人が神奈川県民という(2023年7月2日・日曜日『神奈川新聞』20面、加地 紗弥香「地域に開かれた存在に 滝山病院虐待でシンポ 横浜」)。
 主催した実行委員会によると、昨年6月時点で同院の入院患者約150人のうち31人が神奈川県民(7月11日・火曜日『東京新聞』朝刊18面「川崎版」、森田真菜子「精神科患者と地域で共生を 横浜 滝山病院虐待事件でシンポ」)。

様々な意
見と不安
 「東京都は八王子・青梅に精神病院が集中している。隔離収容主義のなごりが解消されていない。滝山病院では、2016年は101名が死亡退院だった。外来は0名で、面会はほとんどない。院長がこういう病院をつくった。滝山病院は必要悪ではない」。
 「滝山病院には面会室がない。職員の休憩室のようなところで面会する」。  (ワーカーが、患者が入院した初日に)「死亡したらどうするかと聞かれておどろいた」。
 「滝山病院がひどいことはみんな知っていたが、何もしてこなかった」。
 「あきらめてはいけない。滝山病院の患者は社会からみすてられた人たちだ。みんながみすてないことが必要だ」。
 「7回入院した経験がある。精神病院において、医者は神のような存在だ。看護師の多くはレスラーのような体格だ。原点にかえって、おもてなしのある医療を提供してほしい」。
 「滝山病院はさくら病院(朝倉病院?)の兄弟病院だ。あの病院のことを知っていながら何をしてきたのだろうか」。
 「なぜ生活保護が多いのか」。
 「滝山病院事件は特殊な病院の事件ではない」。
 「滝山病院はつぶさないとだめだ」。
 これらの発言があった。

闇の実態を
あばき出せ
NHKの番組で、強制収容所のことを「知らなかった」といっていたドイツ人に対して、ユダヤ人が「いいや、あなたたちは知っていた」といっていた。私たちも、みてみぬふりは許されない。ウィシュマさんのことも滝山病院のことも内ゲバ殺人のことも知らなかったということは許されない。滝山病院事件の最高責任者は院長・経営陣であると同時に自公政権であると思う。「たたかう野党」がバラバラであることが自公政権をのさばらせてきた一因だ。連合・芳野を「ゆるしている」私たちの責任もある。
共産党(スターリン)に暗殺されたロシアの革命家はいった。「未来の世代をして、人生からすべての悪と抑圧と暴力を一掃させ、 心ゆくまで人生を享受せしめよ」(1940年2月27日、レオン・トロツキー)。「すべての悪と抑圧と暴力のない世界」を実現しよう。
(7月22日/匿名希望)

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