7.30『国のための死』を検証する

国家追悼と民衆追悼のあり方を中心に

主催:「国家による『慰霊・追悼』を許すな!8・15行動」

 【東京】7月30日、東京の文京区民センターで「7・30集会『国のための死』を検証する」が開催された。主催は「国家による『慰霊・追悼』を許すな!8・15行動」。この日の集会は例年行われている反天皇制運動の反「靖国」集会・デモのための前段集会として行われたもの。集会には反天皇制・反ヤスクニの立場から運動を継続してきた人々を中心に50人以上が参加した。
 メインの「お話」は李泳采(イ・ヨンチェ)さん。学者(恵泉女学園大学教授)で反ヤスクニ運動の活動家でもある。今年は多くの朝鮮の人々が殺害された1923年の関東大震災から100年の年でもあり、「『国のための死』を検証するー―国家追悼と民衆追悼のあり方を中心に」と題して講演が行われた。

国家の追悼と
民衆の追悼
 イ・ヨンチェさんの講演は、「国のための死への追悼」を、朝鮮半島の独立以後の「国家追悼の歴史」と重ね合わせて論じようとするものだった。「国家追悼の歴史」とは①1948年の独立と軍人追悼(48年麗順事件、済州島4・4事件)、②1950年朝鮮戦争の犠牲者、③朴チョンヒ軍事政権の登場、④1970年代のベトナム戦争参戦というプロセスの中で語るものだった。このプロセスでは「民衆の追悼」から「国家追悼」への変容が明確になっていく。
 それと共に「光州の5月の死」の意味が「国家」によってからめとられていくプロセスも浮上していく。そこでは光州事件30年(2010年)に関して「国家による追悼」と「民衆による追悼」が融合させられていくプロセスもまた指摘された。
 イ・ヨンチェさんは最後に「国家主義化されていく国家の追悼と民衆の追悼」について、その問題点を指摘し、そうした「融合」のあり方をどのように批判していくかが課題だと呼びかけた。これは日本の民衆にとっても韓国の民衆にとっても核心的なテーマとなるだろう、と。    (K)

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