高浜・美浜原発動かすな

老朽原発動かすな! とめよう原発依存社会への暴走!

関電前「一食断食」行動

 【大阪】9月1日、関西電力本社前で「老朽原発動かすな!実行委員会」の呼びかけで、「一食断食行動」が200人の参加で行われた。9月15日にも目論まれている老朽原発・高浜2号機の再稼働中止と、稼働中の美浜3号機、高浜1号機の即時停止を求める行動であった。
 また、地元漁民をはじめとする国内外の人々の反対の声を無視して強行された、放射能汚染水の海洋放出の即時中止を求める行動でもあった。

〔10時―突入集会〕
―目に見え、耳に聞こえる市民運動の爆発を—

 主催者あいさつに立った木原さんは、「岸田政権は今年5月原発関連法を改悪し、既存原発の60年越え運転を可能にし、8月24日には放射能汚染水の海洋放出を開始した。一方、関電は老朽原発美浜3号機を一昨年、今年の7月には高浜1号機を再稼働させ、この9月15日には高浜2号機を再稼働させようとしている。また、中国電力と結託して、上関町に中間貯蔵施設の調査を申し入れた。岸田政権や関電の暴走を止めるためには、目に見え、耳に聞こえる市民運動の爆発が不可欠、9月15日には高浜現地に結集しよう」と締めくくった。
 中嶌哲演さんは「関西の人たちには、福島の事故の直前まで、関西電力管内の消費電力の55パーセントは若狭の原発で賄われていたという事実を知ってほしい。若狭の住民が必要としている電力は1時間当たり5~6万キロワットなのに、若狭の原発11機の出力は977万キロワットです。関電は火力発電所を31基所有しているが、危険な原発だけが若狭にある。若狭の住民が納得できない現実です」とまず述べた。
 そして、「青森県の六ケ所村には使用済み燃料2500体、低レベルの放射性廃棄物ドラム缶12万本、再処理して残った死の灰=高レベルの放射性廃棄物860体がすでに押しつけられている。そして、今度は上関町に中間貯蔵施設を押しつけようとしている。若狭の原発が造ってきた電力の恩恵を関西圏の人たちは受けてきた。その結果としての、六ケ所村や上関町への国のゴミの押し付けなのです」
 「福島の漁民の方は、どこまで福島をいじめれば国は気が済むのかと、悲痛な叫び声をあげている。原子力村のせいだけにはできない。原発の電気を使ってきた私たち一人ひとりが、大きな声を上げていかないと、理不尽で無謀な原子力村の動きを止めることはできない」と締めくくった。
 「ノーニュークス・アジアフォーラム」の佐藤さんは、「日本のマスコミは汚染水の放出に反対しているのは中国だけのように報道しているが、フィリピン、オーストラリア、太平洋諸国でも、台湾でも、漁民を始め多くの人々が反対している。国際署名も8万人集まり、韓国では先週の土曜日にソウルで5万人集会があった。これまで日本人は原発事故の犠牲者とみられてきたが、汚染水の放出によって、放射能汚染の加害者になるのだ」と指摘した。
 三人の提起の後、リレートーク、原発に関する質問コーナーと続き、11時58分からは関東大震災の犠牲者に対する黙祷が行われた。司会者からは、関東大震災時に朝鮮人虐殺があったことを忘れてはいけない、そのことも含めて黙祷したいと提起された。

―高浜の人たちも老朽原発の稼働に反対している―

 12時半からは学習会のコーナーである。高浜町でアンケート調査を行った「原発住民運動福井嶺南センター」の山本雅彦さんは「高浜町の人の50パーセント以上は原発が必要だと答えている」とまず報告し、「しかし、老朽原発になると7割ぐらいの人が、やめてほしいと答える」と続けた。
 そして、「子どもたちは違う土地で暮らしてほしいと答える人もいる。私は若い時、原発で働いていたが、原発で働いていた人も同じだった。自分は仕方がないが、子どもたちには原発と離れた生活をしてほしいと思っていた」と率直に述べた。
 学習コーナーの後、日本政府に放射能汚染水放流の中止を求めて、6月16日にソウルを出発し、徒歩で東京に向かった「放射能汚染水放流中止、日韓徒歩行進」の参加者のアピールが読み上げられた。彼らは日本の国会を目指し、1600キロを徒歩で行進している。7月16日には下関を出発、9月11日には東京に到着する。行進への参加が呼びかけられた。

―汚染水の海洋放出をやめろ―

 8月24日に放射能汚染水の放出が開始されたため、リレートークでも、原発に関する質疑応答でも、多くの人がこの問題に言及した。そして、政府がマスコミを使って大量に垂れ流してきた放射能汚染水・トリチウムの安全説のデマゴギーが様々な形で暴露された。
 トリチウムは体内に取り込まれると、細胞や遺伝子に固定し、体内被曝を引き起こす。トリチウムの放射線のエネルギーがいくら弱くても、この被曝を防ぐことはできない。
 汚染水を保管するタンクを新設する余地はあるし、大型タンクに変えることもできる。また、コンクリートによる固化も可能である。こうして汚染水を陸上保存すれば、トリチウムの半減期は12年半程度であり、ほとんど無害化できる。
 六ケ所村の再処理工場が稼働すれば、一カ月で福島にあるトリチウムと同じ量が発生する。六ケ所村の再処理工場では陸上保存は到底できない。それが福島で陸上保存しない理由である等々。
 また、週刊誌等でトリチウムを除去できる等の記事があるが、これらの記事はデマであり、信用してはいけないとの指摘もあった。

―12・3の1万人集会に向けて全力で取り組もう!―

 15時30分からは集約集会。木原さんが力強く秋の取り組みを提起する。9月15日の高浜原発前行動、10月22日の関電本社前での「使用済み核燃料の行き場はないぞ!全国集会」、12月3日に大阪で予定されている「とめよう!原発依存社会への暴走1万人集会」への取り組みである。
 最後に、福井や関西各地から参加した人々の秋の反原発闘争への取り組みに関する報告を受け、6時間にわたる闘争を終えた。
         (山三)

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