タイ国境沿いミャンマー避難民の今
ミャンマーの平和を創る会(チィチィキンキン)
【東京】9月17日午後7時から、「タイ国境沿い ミャンマー避難民の今」が「ミャンマーの平和を創る会(チィチィキンキン)」の主催でオンラインで行われ、90人を超える人々が参加した。
8月上旬から下旬にかけてタイ国境沿いを訪問したメンバー3人が、現地で見たものや感じたこと、避難民の実情などを伝えた。
子どもたちの
難民化が進む
亀山ひとしさん(共同代表)が渡航報告。
タイ=ミャンマー国境。ミャンマーの10万人のミャワデイとタイ側のメソト。三分の二はミャンマー人。1988年、ミャンマーのクーデターでカレン州で内戦が続いて数万人が難民化している。避難民の小学校に入る前の親を亡くしたり、親と離れている子どもたち、1000人を受け入れている。病院を無料で提供している。
避難民キャンプ(IDP)に2000~3000人暮らしている。爆弾の爆発音がずっと聞こえている。これが日常化している。ミャンマー側のキャンプでは戦争が始まる。仕事もできずに苦労している。多くの支援がある。しかし足らなくなっている。物価の上昇、1日3食たべられない。支援を続けることが大切だと強く感じる。AADP政治犯支援協会、歴史を展示している。亡くなっている人3000人を超えている。世界に発信している。支えていかなくてはならない。
大槻みさきさん(共同代表)による渡航報告
8月20日~29日、安全・生活・教育・医療の観点から国境沿いの避難民のおかれている状況報告をした。足を運んだ複数のIDPキャンプや移民・難民学校について、インタビューを通じて得られた情報やそこに暮らす人々の過酷な生活ぶりを紹介した。
ザガイン州から12~15万人の避難民、人道支援が必要。カレン州増えている。安全面、パスポートを持っていないので不法滞在者。仕事をしたいが捕まってしまう。3千~2万バーツの罰金。収入がほとんどない。生活面。日雇い1日130~180バーツ、ひどい低賃金で10~15日しか仕事がない。トウモロコシ、ピーナッツ、砂糖キビの畑仕事。
教育面。タイの公立学校に通えない。子どもが急増しているため、受け入れられない。資金・教員不足。1000人が3校に留まっている。教員も給料をもらわずボランティアで。
医療面。国立病院で受診できるが、実費で払うしかない。しかし払えない。無料のクリニックもあるが対応できないこともある。
支援状況。避難キャンプA。市場に食料を買いに行った。ジャガイモが高い。普段は食べられない。雨期、泥沼。ルートがなくてたいへん。300人に対して月1回しか支援がこない。とにかくお米がほしい。3食食べられない。電気もきていない。
キャンプB。800人。米がない。1日3食たべられない。戦闘がほぼ毎日ある。洞窟みたいな避難所を作っている。医薬品が不足している。
キャンプC。月に一度の頻度で診察にくる。マラリア、デング熱、高齢者糖尿病、精神状況が不安定で若い人は病気になってしまう。医薬品や医療器具がほしい。
学校A。教材が足りない。屋根のない所も。コロナ、クーデターで4年以上学べていない。図書館を作りたい。未来が奪われてはならない。
学校B。子どもへのインタビュー、両親が出て行った。先生、メンタルケアが大事。
学校C。生徒100人。HIV、子どもなのに出産した。不衛生だ。これから200人受け入れたい。安全をどう確保するのか。
学校D。住み込みの寮。500人が1000人を超えている。400人が待機している。
親子インタビュー。戦闘で夫が殺された。子どもの将来が不安だ。生徒へのインタビュー。自殺未遂をしたことがある。
その他のインタビューは、①PDF。背骨や目に刺さったものが取りだせないでいる。②警察官。軍によって警官は洗脳されているが国民の味方になりたいと逃げてきた。③190万人避難民がいる。報道が減少し、関心が薄れている。忘れられていくミャンマー─だった。
ミャンマー難
民に支援を
石川航さん(創る会メンバー)による渡航報告・日本からできる支援の紹介。
8月4日~16日、国境沿い以外のタイ国内に暮らすミャンマーの人々の暮らしや支援団体の状況について、訪問したマハチャイ・チェンマイを事例に共有した。
それぞれの地域で出会った人々の背景やエピソードのご紹介の後に、同年代の人々と出会って日本人学生として感じたことも語られた。日本からできる支援として、日本人にお願いしたいことやミャンマー支援団体が紹介された。
ミャンマー軍は非常戒厳令を継続し、軍政を長期化しようとしている。一方捕らわれているアウンサンスーチーさんは健康の悪化にも関わらず、病院での治療がなされず憂慮されている。ASEANのたびたびの会合で、ミャンマー軍への非難はされているが、これを無視しているミャンマー軍に対して有効な手を打てずにいる。そして、ロシア、中国などはミャンマー軍と深いつながりを持ち支援している。日本も軍を非難はするが有効な措置を行わなずに放置している。こうした中で、国内外で難民となっている人々の支援が非常に重要である。日本全国で週末には募金活動や支援のイベントが開かれている。ぜひ、参加してほしい。 (М)
「ミャンマーの平和を創る会(チィチィキンキン)」の連絡先
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