10.5「九条の会」大集会 東京

大軍拡に反対し憲法改悪を止める運動を

 【東京】10月5日午後6時から、東京都中野区の「なかのゼロ大ホール」で「九条の会大集会 大軍拡反対!憲法改悪を止めよう」が開催された。集会には1200人が参加した。岸田政権が大軍拡を実戦を見据えて、米国の強い圧力を引き合いに出しながら進めていく中で、「米国と共に戦争する国」の姿がいよいよ明らかになっており、労働者・市民は緊迫感を持ってこの日の集会にかけつけた。

澤地久枝さん
渾身の訴え
 最初に作家の澤地久枝さんがあいさつ。
 「戦争の脅威が緊迫の度を増している。しかも日本が戦争をする国になろうとしている。93年生きてきた私だが、まさに『自分だけの呼びかけ人』という気概を持って語り、行動したい」とアピールした。集会の参加者は、澤地さんの訴えを共有する気持ちをこめて大きな拍手で応えた。
 続いて東京都武蔵野市長で、全国市長九条の会の松下玲子さんが、東京都下の市長として憲法改悪に反対する訴えを行った。九条の会事務局長でもある小森陽一さんは「自民・公明と競り合いながら対峙している状況だ。岸田政権による戦争政治に抗して新しい運動を」と呼びかけた。

女性の地位が
低い日本で!
 法政大前総長の田中優子さんは「岸田首相の政治はアメリカ主導の憲法改悪・軍拡であること、ウクライナ停戦を言い続ける一方で、『台湾有事』に備えるというスローガンは危険な誤りだ」と強調した。田中さんはさらに日本はG7の中で女性の地位が低い国であることを強調し、さらに米軍を支援する国への財政的支援・貢献という故安倍首相の発言を批判すると共に、勉強し、私たち自身の言葉で声を上げよう、と呼びかけた。

「存立危機」の
宣伝はね返し
 この間、台湾に行っていたという中野晃一さんは「改憲・軍拡ではなく安心の供与を」というテーマで発言。「米中半導体戦争」の焦点となっている台湾では、経済と軍事が一体化する中で「有事」が煽られている、と語った。
 バイデン米政権の「統合抑止戦略」は、経済と軍事の区別をつけることはできない、というものであり、軍事が経済に優先する。安全保障政策の「戦後レジーム」は限定的な「集団的自衛権」へとエスカレートし、「存立危機事態」によって集団的自衛権を正当化するものになっている。
 いま進んでいる日米同盟の際限なき強化による「統合抑止」とは、「研究・情報」の戦力化、経済戦争・情報戦・軍事戦の区別をなくすものであり、戦争のリアリティーが分からなくなった人びとがそこに引っ張られている。
 必要なことは「安心の供与」であり、「抑止力の過信」ではない。「9条で国が守れるのか」と言われたら、「9条と13条の連携で守ろう」と答えよう、と中野さんは答えた。ちなみに13条の条文は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由、及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」だ。
 この日の集会は最後に商社9条の会、小田原9条の会、総がかり青年プロジェクトチームの発言で締めくくりとなった。
 様々な領域、地域、年齢層の人々のあいだに、憲法改悪反対の声と運動を広げることで改憲の意図に正面から立ち向かう議論と行動をさらに広げていこう。           (K)

「危機感を持って憲法改悪に反対しよう」と訴える田中優子さん(10.5)

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