10.21新宿アクションがJR新宿駅を一周するデモ
東アジアに平和を! 琉球弧の島々を戦場にするな
【東京】10月21日午後2時から、JR新宿駅東口アルタ前で、「東アジアに平和を! 琉球弧の島々を戦場にするな!新宿アクション」が同実行委の主催で行われ、集会後新宿駅を一周するデモがあり、270人が参加した。
政府がもくろむ
住民の戦争動員
最初に、大仲尊さんが主催者あいさつをした。
「台湾有事が煽られている中、先島諸島では戦争に向き合わざるをえない深刻な事態だ。与那国島、宮古島、石垣島では、自衛隊・米軍がいつでも公共施設を使用できるよう、重要拠点空港を機能強化するために改修工事をする計画だ。軍艦が停泊する新たな軍港の新設だ」。
「石垣島でドラゴン23の日米訓練で、オスプレイが初めて強行着陸した。宮古島では市民の反対をよそに陸上自衛隊が公道を行進した。政府は住民の治安体制の強化に乗り出している。12万の住民を九州各地へ移送する避難計画をしているがきわめてずさんだ。住民を戦争準備へとかりたてる危険な政策だ。ただちに止めさせる必要がある。東アジア民衆の連帯で、台湾有事を阻止しよう。東アジアに平和を。琉球弧の島々を戦場にするな」。
次に、沖縄から駆けつけた瑞慶覧長敏(ずけらんちょうびん)さん(「沖縄を再び戦場にするな県民の会」共同代表)が連帯の発言を行った(別掲)。
下地茜さん(宮古島市議)が報告
電話メッセージの予定だったが駆けつけてくれて、下地茜さん(宮古島平和ネットワーク、宮古島市議)が宮古島、石垣島、与那国島で起きている自衛隊のミサイル基地建設によって、住民たちの追い出しが始まっている状況を報告し、これを止めさせるためには何をしなければならないのかを訴えた。
「私の住んでいる160m離れた所に、陸自のミサイル部隊の弾薬庫ができるということで、以来反対の立場で活動を続けている。どうやっても住民を巻き込むことだ。国際人道法に軍事目標主義がある。軍事のものだけに攻撃の対象を限定するという考え方だ。だからこそ何が軍事か民間のものかはっきり区別しなければいけない。あの島にミサイルを置くことは軍民分離できない。宮古島に置くミサイルはトラックに発射台を載せて移動しながら撃つ。なぜ移動するのかと言うと撃ったらそこが攻撃の対象になるからだ。宮古島は3時間あれば車で一周できる島だ」。
「国がものすごい勢いで進めようとしていることは民間空港を自衛隊と米軍が共に使えるように整備すること。防衛大臣はこれは国民保護になると言っている。軍民分離の原則で考えれば、民間の空港を自衛隊や米軍が使うことは軍民分離できないことだ。ジュネーブ条約があって、国民保護をする部隊は一切の軍事上の行為をしてはいけないとはっきり書いてある」。
「今年の1月にアメリカのシンクタンクのCSISが報告書で、台湾有事のシミュレーションをしているが、その中でインフラの課題を二つ上げている。一つが民間の空港は自衛隊・米軍が使えるようにする。そのためにアクセス権を拡大しよう。なぜ民間の空港を自衛隊・米軍が使った方がよいという理由がはっきりある。中国の攻撃を分散させるためにと書いている。民間空港を攻撃させる拠点として使おうとしている。こういうことをしっかり指摘する必要がある」。
「軍民分離できる方法は私たちが島から出て行く。いまそのことが始まろうとしている。例えば石垣島で、住民避難のシンポジウムが行われた。その時、石垣島に来て講演した元陸上幕僚長が『自衛隊と民間人が同じ所に居れば、攻撃されても文句は言えない』と言った。沖縄防衛局はミサイルを置くということは、お守り代わりだと言った。ミサイルを置けば島は攻撃されにくくなると言い、ミサイルが配備されれば、攻撃されるのだから、避難しましょうとなっていく」。
「このシンポジウムに参加していた与那国島の町長は『軍と民が一つの所に混在する、これはたいへんなことだ。この島に一夜にして、実働部隊と町民が入れ替わる計画を作る必要がある』と言う。宮古島は5万人、石垣島は4万人、与那国島は1500人。島から早期に出ていく計画が進んでいるのが与那国島だ。昨年9月に町議会で『有事になる前に、いまのうちから島を出て行く、このことに対して、与那国町がおカネを出す。そのための基金を作る』ことが可決された。自衛隊を与那国島に誘致するときに、住民が増えると言った。気がついたら、島の人が出て行かなければならなくなっている。10月に入って、町主催の住民説明が行われた。島から避難するのにリュックサックは一つだけとか、ペットは置いていくこと。島でもし攻撃されて家が壊された、これを救済する仕組みはないということだ」。
「私たちはこの島に残りたいと質問したら、町の回答はもちろんそれは強制ではないけれど、避難をすることに対して、説得するように努めるという回答だった。行政としてそこに残るということがまったく準備されていない。ガザ地区に対してイスラエルが攻撃をするぞと言って、24時間以内に出て行けと、言っている。住んでいる人の土地を奪えるのか、同じことが石垣・宮古で起ころうとしている。ぜひ知っていただきたい。私たちができることは、猜疑心を増やすようなミサイルをたくさん置くとか、戦争やむなし、避難やむなしということではなく、信頼関係を育てていく、そのための対話の仕組みの構築でないといけない」。
韓国と台湾から
も平和訴える声
次に、韓国の民主労総副委員長と台湾労働人権協会から、東アジアにおける軍事対決ではなく、平和の構築を目指して共に闘おうというメッセージが読み上げられた。
種子島・西之表市議の長野広美さんが西之表市の馬毛島に作られる自衛隊基地問題について発言した。
「一兆円をかける自衛隊基地が出来ようとしている。南西諸島のいたるところで軍拡が進んでいる。九州全体でも起こっている。伝えたいのは二つである。税金のムダ使いだ。国会で一つも議論されていない。日本国憲法があるにもかかわらず、政府も国会も日米地位協定のように、米国の意向を大前提にしている。米軍が南西諸島の自衛隊の基地を共同使用するという話が出ている。国民の主権はどこにあるのか。この国の将来を考えなければいけない」。
新宿アクションアピールが読み上げられ、新宿一周デモを行った。アルタ前や西口で右翼団体が宣伝カーを使い宣伝活動を行っていた。特に西口での宣伝カーからは沖縄の闘いを誹謗するような差別的・敵対的な言辞が投げかけられたが、それを跳ね返すような大きな声で、「沖縄に米軍基地はいらない、自衛隊ミサイル基地はいらない、東アジアに平和を」と訴えた。(M)
瑞慶覧長敏さん(「沖縄を再び戦場にするな県民の会」共同代表)の訴えから
日本は独立国なのですか。日米地位協定とか合同委員会で、どんなことが決められているのかを勉強すれば、独立のていをなしていないことがはっきり分かってくる。一つの例だ。2004年に沖縄の国際大学に米軍ヘリが墜落した。米軍が入ってきて、黄色いテープを張り巡らせて、沖縄の人を全部排除、日本の警察も入れない、救急車も入れない、そういうことが起こった。そして、最後調査をやって、米軍ヘリの残骸も全部撤去して、土までも全部かっさらっていった。こういう中で、本当にこの国は独立しているのかという問いだ。早くこの国をちゃんとした独立した国にしてくれと言いたい。
1953年9月29日に、日米合同委員会で合意した次の取り決めを見てください。「日本の当局は所在地のいかんを問わず、合衆国軍隊の財産について、捜索・差押え、または検証を行う権利を行使しない」。ひどい話だがずーっと続いている。オスプレイが所かまわず飛んでいる。これも地位協定で決められている。日本の国民の方々がよく知らない。だから、米軍はやりたい放題だ。それが沖縄に集中している。70%もの米軍基地が沖縄に集中しているから、沖縄の問題だと思ってしまう。そうじゃない。日本全体の問題だ。皆さんの問題だ。
私たちは78年間沖縄で闘ってきている。1879年に琉球王国が明治政府に滅亡させられて、それ以後も闘っている。1609年、薩摩の島津藩が琉球に入ってきて、コントロールした500年前から、われわれは闘っている。特に八重山・宮古の方々、人頭税とかもあった。琉球王国だってひどいことしている。そうしたことを反省しながら、日本政府のアメリカ言いなりの状況はただちに変えなければいけない。島々の求めていることは、ミサイルよりは発電機、電線地中化だ。停電にならない方法を講じてくれというのが要求だ。ミサイル一発撃ったら、向こうから百発返ってくる。これが戦争だ。ミサイルがあるから攻撃される。
沖縄は全県組織立ち上げた。若い方々が非常にがんばっている。若い人の発想で、のぼりを作った。「争うよりも愛しなさい」。シニアの方々は「愛」なんて言って闘えるかと言っていたが最近はすごく理解してくれるようになった。やっぱり「愛」は大事だよねと。特に女性のシニアの方々が若い方々を応援した結果、こういうメッセージを入れることもできた。
11月23日、県民平和大集会を行う。プログラムも若い人が中心でやっている。音楽祭もやります。戦争反対集会にキッチンカーも来るんです。こうした発想で若い方々が集会にやってくる。そこで学ぶことがたくさんある。平和運動は分母をいかに増やすかだ。米軍が一番怖がっているのは地域や地元の住民が反米感情を起こすことだ。
私はデニー知事と衆議院議員の時に、ワシントンDCに行った。ダニエル・井上上院議員とお話した時に、1995年、少女の事件の終わった後、「アメリカはこんな状況では沖縄から撤収しなければいけない」、そこまで思っていたと語ってくれた。しかし、そうはならなかった。なんででしょうか。たぶん日本政府が沖縄に基地を閉じ込めておかないと日本全国にはねかえってくるからまずいと思ったのだろう。でも、アメリカはアメリカで、沖縄の状況を見た時、とてもじゃないけど無理だという判断になった。われわれが沖縄でがんばっていることが重要だ。若い人たちを巻き込んで、分母を大きくして、そして継続していくこと。
もう一つは自分たちだけでやることではない。世界とつながることだ。いま県民の会の若者プロジェクトチームは世界とつながろうとしている。若い女性が中心、彼女たちの中には英語ができる人、中国語ができる人、SNSが得意の人、元記者そういう人がたくさん集まってきている。11月23日、沖縄に来られる方は若い人たちの情熱をぜひ見てください。よろしくお願いします。
(発言要旨、文責編集部)

沖縄から訴えにやってきた瑞慶覧長敏さんが熱烈にアピール(10.21)
【訂正】かけはし前号、5面「女川原発再稼働差止訴訟控訴審報告記事5段目中見だし右から3行目
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