11・3国会前で4000人の大行動
戦争する国絶対反対!
憲法を生かす未来へ!
軍事費よりも暮らしにまわせ
【東京】11月3日午後1時45分から、国会議事堂正門前で「つなごう 憲法をいかす未来へ 11・3憲法大行動」が戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委員会の主催で開かれ、4000人が集まった。
前座として歌が披露され、コール。「戦争反対 改憲反対 改憲発議絶対反対 戦争する国絶対反対 敵基地攻撃絶対反対 軍備増大絶対反対 軍事費よりも暮らしにまわせ 武器の輸出は憲法違反 軍需産業拡大するな パレスチナでの戦争やめろ フリーパレスチナ ストップジェノサイド ピースフォーパレスチナ 原発いらない再稼働反対 老朽原発延長反対 汚染水放出今すぐやめろ 憲法いかして暮らしを守ろう 9条いかして平和を守ろう 岸田政権今すぐ退陣 みんなで変えよう政治を変えよう」。
平和主義の普遍化を
藤本泰成さん (戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委員会共同代表)が主催者あいさつを行った。
「ウクライナ戦争、パレスチナ戦争によって世界が二分されるようになっている。平和主義の普遍化が必要だ。ロシアもイスラエルもウクライナもパレスチナも憎悪と報復の連鎖、報復ではない努力によって、止めなければならない。天井のない監獄と呼ばれるガザ、将来が見えない生活がいかに絶望的か、ホロコーストを経験したユダヤ人、憎悪によって殺しあうことがどれだけの悲劇か。それを作り出してきた英米の世界、なぜそれを止められないのか。平和を現実する努力をしなければならない」。
「教育勅語の復活のような動きがある。日本の平和憲法が内実を伴っているのかどうか。大きな疑問がある。中国・朝鮮・韓国と真の和解を実現するために、アジア諸国民への蔑視の感情を払拭することが平和の基盤の確立につながる」。
福島みずほさん(社民党・参議院議員)。「パレスチナでの休戦を求める決議に121カ国が賛成したのに日本は棄権した。許せない。安保3文書、琉球弧における自衛隊ミサイル基地建設そして大軍拡予算と大増税。岸田政権は退陣を」。
高良鉄美さん(沖縄の風・参議院議員)。「沖縄戦の教訓の『命こそ宝』という言葉がある。これは個人の尊厳を守り、平和的生存権を認めるものだ。戦争を止める、改憲絶対反対」。
櫛渕万里さん( 衆議院議員・れいわ新選組)。「私はガザに行ったことがある。ようやくガザの友人と連絡がついた。『死ぬ順番を待っているようだ。虐殺・アパルトヘイト、民族浄化が行われている。声をあげてほしい。街頭に出てほしい。国際社会の一員としてこれを黙っていたら、虐殺を容認することになる。この声を日本中に伝えてほしい』というメッセージだ。ガザへの武力行使の即時のストップを」。
石川大我さん(立憲民主党・参議院議員)。「私は初めて男性との同性愛者として国会議員になった。全国で始まった婚姻の平等に関する訴訟で法のもとの平等に反するという判決があいついで出ている。最近うれしいことが一つあった。LGBTのTの部分、トランスジェンダーの人たちに関する判決が最近出た。法律では男女の性別を変えようとすると手術をしなければならない。生殖器不能要件というものと外観要件、二つの手術がある。そのうちの生殖器要件について、憲法違反の判断が最高裁15人一致で出た。これは非常に大きな決定だ。この決定の根拠になったのが憲法13条の幸福追求権から導き出されている。憲法を守る闘いをやっていきたい」。
小池晃さん(参議院議員・共産党)。「山添拓議員のイスラエルのガザ攻撃は国際人道法違反でないかという総理への質問に、総理は認めない答弁をした。これは平和的生存権を認めている憲法違反だ。来年の防衛費予算は5兆円から8兆円に膨らむ。税金の使い道が間違いだ。大軍拡、辺野古新基地建設に反対しよう」。
全世界の人々と共に
次に、憲法集会のメインの発言が二人から行われた。
斉藤小百合さん(恵泉女学園大教授)。
「岸田首相は憲法改正の文脈で『この国のあり方を示すもの』と言っているが、政務官と副大臣は女性がゼロ、閣僚は5人だけ。おじさんばかりだ。そうした人たちが何を作り出すのか。戦争に向かう国だ。異論を作らない、男だけの永田町を変えなければならない。女性を発言させない、男性の特権にすがりつく、家父長的な価値観、力によって、武力によって、他者を支配する。これは日本国憲法の対極にある。だから変えたい。多様性はパワーだ。異なる人々が共に生きる。それを次世代に引き継いで
いきたい」。
清水雅彦さん(日本体育大教授)。
「憲法九条があることによって、自衛隊の海外派兵が出来ないなどの制約を作ってきたが、徐々に空洞化されてきている。GDP2%を超えれば世界第3位の軍事大国になる。これで戦力ではない、単なる実力と言えるのか。政府は中国・ロシア・朝鮮が脅威だと言うが、ずっと外交で安全を保ってきた。これからもできるはずだ」。
「岸田政権の退陣を求める。岸田首相は解散・総選挙になると九条改定をねらってくる。それを止めるためには自公を減らすこと、維新を野党第一党にしてはいけない。市民と野党で政権交代めざそう」。
沖縄・福島の教訓生かし
加藤裕さん(弁護士)。
「沖縄の基地負担は30年経ってもまったく変わっていない。辺野古基地移設・辺野古大浦湾の埋立をめぐる代執行の裁判が始まった。国が地方自治体を相手に代執行をすることは慎重にしなければならないということで、地方自治法で厳しい制約を課している。他にとる手段はないのか、著しく公益に反するのか、対話・協力で解決しろと。デニー知事は対話での解決を求めているのに、国はそれを拒否している。この闘いは一沖縄の問題ではなく、社会・国全体を変える闘いだ」。
大賀あや子 さん(「避難の権利」を求める全国避難者の会)。
「原発事故により、福島県から新潟県に避難している。事故から12年半、危険な状況も放射能汚染された福島県内外、被害者の苦悩も終わっていない。福島第一原発の現場では大気へ海へ放射性物質の漏洩が続いている。国内外の反対を押し切って、汚染水の放出がこの夏開始された。10月25日には、汚染水処理の設備で三次下請け作業員5人が汚染水を被る事故が起きた。高濃度の汚染水が数リットル飛散し、二人の方が4日間入院となった。こうした状況にもかかわらず、3回目の汚染水海洋放出が行われた。原発過酷事故の後始末は不可欠だ。しかし、可視化されていない作業だらけで、リスクにさらされるのは多重下請けだ」。
「各地の原発被害を訴え・責任を問う民事訴訟、ノーモア福島いわき市民訴訟などでは東京電力の謝罪もあった。東京幹部の刑事責任を問う裁判は現在最高裁にかかっており、11月20日には最高裁は口頭弁論を開け、最高裁前署名提出行動が行われ、逆転勝利をめざす集会が開かれる。アルプス汚染水差し止め訴訟が9月に第一次提訴され、11月9日には第二次提訴される。3・11子ども甲状腺裁判、被曝で健康を害したものはいないという神話を守るために、小児甲状腺がん当事者が犠牲されているこの体制を打ち破ると弁護団は力を入れ、支援ネットワークも広がっている」。
住江憲勇さん(全国保険団体連合会会長) が、「政府は来年の秋には、マイナンバーカードと保険証を紐付けさせ、紙の健康保険証を使えなくさせようとしているが、決してこんなことはできない。やめさせよう」と訴えた。
最後のまとめを高田健さんが行った。
「パレスチナにおけるイスラエルの虐殺が急を告げている。ロシアによるウクライナの侵略戦争はいまだにやまない。ミャンマーではクーデターを起こした軍事政権が民衆を虐殺している。こうした中で岸田政権は安保三文書を強行し、台湾有事などを喧伝しながら、改憲の企てを進め、敵基地攻撃能力保有と軍事費倍増、軍拡を進めている。とりわけ沖縄では辺野古埋め立ての代執行の強行と南西諸島にミサイル配備する軍事要塞化、米国と共に戦争する国への準備を進めている。私たちは全力をあげて、こうした岸田内閣の悪政と闘う決意を固める」。
最後に当面のスケジュールを紹介し集会を終えた。 (M)

国会前で大軍拡・改憲に反対する憲法集会(11.3)

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