11.23国会正門前アクションに２０００人
沖縄も日本も戦場にさせるな
「辺野古埋め立て」代執行を許さない！ 南西諸島の軍事要塞化許さない！
【東京】11月23日午後２時から、国会正門前で、「辺野古埋め立て」代執行を許さない！南西諸島の軍事要塞化を許さない！ 「沖縄も日本も 戦場にさせるな！」集会が「止めよう！辺野古埋立て」国会包囲実行委員会が主催して行われ、２０００人が集まった。この集会は沖縄県那覇市で開かれた「全国連帯！沖縄から発信しよう！11・23県民平和大集会」（主催：沖縄を再び戦場にさせない県民の会）に呼応するものだ。
豊岡マッシーさんの三線ライブの後、急きょ入れられた「ガザでの虐殺今すぐやめろ」の後に「南西諸島の要塞化を許さない。辺野古新基地建設絶対反対」などのコールを行い、本集会に入った。
毛利孝雄さん（国会包囲実）が主催者あいさつを行った。
「辺野古基地建設が国による強制代執行という重大局面を迎えようとしている。そして、南西諸島で自衛隊のミサイル基地化が急速に進んでいる。ふたたび沖縄を戦場にさせないために、さまざまな努力が始まっている。今日、沖縄では知事も参加して大集会が開かれている。争うよりも愛しなさいという印象的な呼びかけ。軍隊は住民を守らない。沖縄戦の最大の教訓だ。ガザではジェノサイドが続いている。沖縄、日本を戦場にさせない責任が私たちにある。これを確認したい」。
協賛団体の高田健さん（総がかり行動実行委）のあいさつの後、「南西諸島」島々から参加した人たちから報告が行われた。次から、自衛隊のミサイル基地が次々に作られている琉球弧の島々で闘う仲間から発言が続いた。貴重な発言なので長めになるが報告する。
奄美大島 城村典文さんの報告
城村典文さん（戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネット代表）。
「奄美大島は２０１９年に、自衛隊基地が二つ配備された。それ以後、日米共同訓練が毎年、始まっている。今月、徳之島では陸・海・空自衛隊が統合演習をしている。島内17カ所、この小さな島に５００両の軍事車両が入っている。その上、民間空港・徳之島空港・奄美空港を使って、タッチアンドゴーの軍事利用をし始めた。43億円の予算も成立している。皆さん、止めようではありませんか。今の奄美、徳之島は沖縄以上に戦争の厳しさをまじかに感じている。日本の戦争に巻き込んではいけない。日本は平和憲法に基づいて平和外交を世界に呼びかけるよう、一致協力して取り組むもう」。
宮古島 清水早子さんの報告
清水早子さん（ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会共同代表）。
「私は東京から１８００キロ離れたサンゴ礁の島・宮古島から来た。ガザのニュースを見ながら、このガザの今は明日の宮古島からも知れない。そして沖縄戦の時、宮古島は過去のガザであった。宮古島で戦争の足跡が聞こえてきたと過去にたびたび言ってきた。今は戦争の姿が見え始めている。その具体的な話をする」。
「陸上自衛隊は戦車を南の島の高温に耐えられるように空調整備を付ける。そして、サンゴ礁の琉球石灰岩の破砕実験を行った。これは本土にない土壌だ。サンゴ礁の島に爆弾が落ちたら、どんな風になるのか、そのデータを取るための実験を行っている。そして恐るべきことに、陸自は25万人の隊員から、血液を採決しそれをもとに、輸血用の血液製剤を自衛隊が独自に作り出し備蓄する。それを戦場で米軍と共用する。10月の訓練でも、遺体の収容訓練が行われている。これは負傷したり死んだ隊員を運ぶ訓練。７月石垣島では住民の遺体を運搬する訓練を行った。宮古島には公的な場所に、住民を収容する遺体袋を備蓄している。これに誰が入るのか。私たちが入るための遺体収容袋だ。こうした戦争準備がリアルに始まっている」。
「与那国島では島を捨てるんであれば、カネを出そうと町長は有事の基金を条例化して、さっさと島を出ろと島を捨てることを奨励している。宮古島でもやがて同様のことが起こる。木原防衛大臣が来て、５万５０００人の住民が入るために、４５００人が３日間入るシェルターを体育館の地下に作ると言った。では５万以上の島民はどうするのか。そして、宮古・八重山の12万人を九州に疎開すると言っている。どこが受け入れるのか。どのように運んでいくのか。茶番でしかない。共に戦争を止める闘いに立ち上がろう」。
種子島 和田香穂理さんからのメッセージ
参加できなかった種子島の和田香穂理さん（前西之表市議・戦争をさせない種子島の会）からのメッセージが読み上げられた。
「今この国は戦争へと突き進んでいる。その先頭にさせられているのが琉球弧の島々だ。ミサイル配備や自衛隊基地の防衛力や対処能力の拡大と最前線が想定されている。防空壕を作るなど実現不可能な住民避難計画が真面目に語られている。大がかりな自衛隊演習や日米合同演習で、戦車が公道を走ったり、民間空港で戦闘機が訓練するなど、戦時とみまかう光景が日常の中に入り込んできている」。
「私の住む種子島では自衛隊馬毛島基地の建設が異例の突貫工事で進められている。馬毛島はこれまで軍事施設がなかった無人島を丸ごと基地にして、日常は戦闘機のタッチアンドゴーなど、戦争のための訓練が行われ、米軍の空母艦載機の離発着訓練、ＦＣＬＰに使われる。そして、戦争となれば武器・弾薬、人員・物資などを集めて戦闘地域に展開する集積拠点として、戦争を続けるための継戦能力を担わされる。戦争を二度としないという憲法を持ちながら、私たちの国は再びの道を歩もうとしている。この大きな危機感をまず訴える」。
「これらの戦争準備は地元の反対の声を聴かず、強引かつ性急に進められてきた。選挙や住民投票や署名活動で示された民意はことごとく無視され、無力化された。これは住民対してだけでなく、自治体に対しても同じだ。首長や議会が反対しようが関係ない。こうして自治そのものが壊された先には、お上のすることには逆らってもムダ、黙って従っていけばいいというかつての戦争を支えた見えない土台が出来上がってしまう。いずれ、戦争反対という言葉すら、口にすることができなくなる」。
「基地建設による様々な混乱が起きている。最大６０００人と言われる作業関係者が馬毛島だけでなく、種子島に住むことになる。ホテルは満杯、家賃は高騰、農林業から馬毛島関連に人が流れ、漁業者は漁に出ないで、作業員の送迎。町にはコンテナハウスが立ち並び、ゴミは溢れ、交通量は増え、観光客は宿がとれず、転入希望者は住まいが見つからず、店からは地場産の魚が姿を消し、基地完成後にはおそらく田畑や山林は荒れ放題になるだろう。このような混乱はこれまで宮古でも石垣でも繰り返されてきた。基地だけではなく、地域の暮らしそのものが破壊されている」。
「さらに巨額の税金が投入されているのに、国会で取り上げられることはほとんどない。馬毛島の工事は随意契約がオンパレードで、予算は天井知らずと言われても、国会の審議がされていないので、予算根拠は闇のなかだ。防衛費が巨大化していく反面、福祉・教育・医療をはじめ、私たちの暮らしは目に見えて、苦しく・貧しくなっている。すでに戦前を迎えているという危機感に居ても立っても居られない。人としての尊厳と未来への責任と大切なふるさとや大切な人への愛を背負って、熱い闘いだということを共有したい。共に闘おう」。
石垣島 上原正光さんの発言
石垣島 上原正光さん（基地いらないチーム石垣代表）が発言。
「石垣島では３月16日に、９３６億円をかけて石垣の駐屯地が開設された。最初に始まったのは２０１６年の与那国の開設と19年の宮古・奄美大島それで石垣島、馬毛島と。１１００キロにおよぶ琉球弧の中に、軍事基地を作ろうというのがヤマト・中央政府の狙いだ。イスラエルのガザの攻撃は種子島と同じ大きさの地区の中に、パレスチナ人の人びとが閉じ込められて、子どもたちが虐殺されている。次は石垣島だ。（自衛隊が）武装すれば必ず、敵を作ることだ。これはわれわれが経験したことのない、ミサイル戦争だ。これは島々だけの力で止めることはできない。自分のことのように共に闘ってほしい。支援ではない。石垣島はガザ地区の10倍の面積だ。そこに２２０万人が住んでいる。イスラエルの侵略戦争は断固糾弾しなければならない」。
「沖縄も戦後78年以上経っても、アメリカの支配、ヤマトの支配だ。これを断ち切る闘いでなければならない。アジアに向かう反戦の闘いをどうつくるのか。台湾、韓国あるいはアセアンの人々との連帯行動が必要だ。戦争がまじかに近づいていると言われる。石垣島では政府が指導する形で避難の訓練の準備がやられている。何の役にもたたない核シェルターも断固糾弾していかなければならない。共にがんばろう」。
与那国島 髙橋千恵さんからのメッセージ
参加できなかった与那国島の高橋千恵さん（与那国島の明るい未来を願うイソバの会）のメッセージが読み上げられた。
「与那国島は２０１６年に陸自与那国駐屯地が開設され、人口１５００人の島に２２００人近い自衛隊員が配備された。当時の町長は島の活性化、人口減少に歯止めをかけると自衛隊を誘致した。一時は１７１２人に増えたがそれ以後、ゆったりと人口が減少している。今年10月末で１６８８人。自衛隊は人口減少の歯止めになっていない。そして隊員は２年前後で転勤なので、島の文化や伝統の継承はされていない。島に基地ができるということは島民にとって、有事の時に狙われるだけでなく、それ以上に地域の文化や伝統や第一次産業の衰退など日常生活のバランスが壊されることでもある。この７年間で、島の環境は大きく変わった」。
「そして昨年、今年にかけて新しいミサイル基地の建設計画、浜を掘りその奥に湿原をつぶして新しい軍港を作る計画、現在の空港滑走路の延長など島民にとって、寝耳に水の計画が次々と発表された。さらに最近では有事の時の全島避難という島民の生活を完全に停止した、島民の追い出しと思われる動きも始まってきた。地中に天然の地下ダムがあり、水に困ることはない。島全体を基地にするにはうってつけの島だ。他の離島でも今後起きうることだ。実際に硫黄島は自衛隊基地だけがあって、いまだに島民は島に帰れない。国の一方的な言い分にだまされないように、私たち一人一人が心はまず平和であること、このままいったらどうなるか想像力を働かせる必要がある。この国の暴走を止める大きな力になる」。
横浜ノースドック
戦争拠点化反対！
次に、連帯のあいさつ、藤本泰成さん（戦争をさせない１０００人委員会、平和フォーラム共同代表）、石川敏明さん（憲法を守り・いかす共同センター、全労連副議長）の連帯あいさつの後、星野潔さん（横浜ノースドック揚陸艇部隊配備反対の闘い、リムピース編集部）が闘いの報告を行った。余り知られていない首都圏での米軍の重要な動きの報告なので、詳しく報告する。
横浜ノースドック米軍部隊の状況を報告。
「横浜港のど真ん中にある米軍横浜ノースドック。何で横浜なのか、沖縄ではないのか。実は沖縄のこと、南西諸島、フィリピンと大きく関連する話だ。実は陸軍、海兵隊がよく使っている。さらに海軍も。大型の揚陸艦、オーストラリアで行われた様々な資材を降ろしている。空軍もヘリ訓練に使っている」。
「１月11日にあった日米２＋２で横浜ノースドックに２８０人規模、13隻からなる揚陸部隊を新たに配備すると発表し、４月から部隊が配置された。沖縄の海兵隊第12海兵連隊を第12沿岸海兵連隊に改編をすると発表した。これは何か、列島線の島々に強力なミサイル等を持った部隊を小分けにして配備して移動しながら戦争をする。そうした構想だ。これを輸送する手段を持っていない。横浜ノースドックには２００２年から事前配備拠点として大量に保管されている。使わないという約束だったがわずか20年の間に使いだす。揚陸艇に陸自を乗せて、戦場とする島々に送りつける。そんな部隊を横浜に新たに配備した」。
「横浜に配備したということは沖縄の部隊を受け入れる、沖縄の身代わりになるのではなく、戦争の部隊をわざわざ横浜に配備すること、これを絶対に許してはならない。横浜を攻撃される拠点にもしたくないし、島々で戦争被害を受けさせる拠点に絶対にしてはならない。７月から９月にかけて、神奈川県内では配備に反対する県民署名が取り組まれ、５万７０００余筆が集まった。平和外交によって、問題を解決しなければならない」。
コール、三線ライブなどが行われ、発言者の島々の人々とともに、国会前の横断歩道に並び、「辺野古新基地建設反対、琉球弧への自衛隊ミサイル基地配備反対」の横断幕を掲げたパァフォーマンスを３回行い、アピールした。 （Ｍ）
国会正門前横断歩道を占拠してパフォーマンス（11.23）
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