11.12米軍Xバンドレーダー基地反対デモ

大軍拡をやめ、9条をいかした平和外交を
米軍基地いらんちゃフェスタin丹後

 【大阪】米軍基地反対丹後連絡会主催の「米軍基地いらんちゃフェスタ」が京丹後市峰山文化会館で開かれ、350人の市民が参加した。米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会、止めよう!経ヶ岬の米軍レーダー・危険な戦争準備を許さない緊急京都府民の会、米軍基地いらない京都府民の会が協賛した。

基地前で前段の抗議行動

 近畿連絡会はフェスタに先立ち、経ヶ岬にある米軍基地に対し抗議行動を行った。広島や岡山からも集まった右翼グループの妨害が予想されたが、近畿連絡会が途中で少し待機をしたため直接対峙にはならず、彼らとは基地近くの道ですれ違った。突然降り始めた激しい雨の中、基地前ひろばの抗議行動では、岸田軍拡反対・南西諸島のミサイル基地化に反対・11月23日の沖縄県民大会に連帯の3点を確認した。京都連絡会(京都)、南西諸島の自衛隊配備に反対する大阪の会(大阪)、憲法いかす会(兵庫)、憲法いかす奈良県民の会(奈良)、9条ネット(志賀)から発言があった。
 いらんちゃフェスタは、藤原利昭さん(米軍基地反対丹後連絡会代表)が主催者あいさつをし、続いて、永井友昭さん(米軍基地建設を憂う宇川有志の会、京丹後市会議員)が現地報告をした。以下要旨。

 発電機騒音

 最近のやばい状況と連動し、経ヶ岬でもいろんなことが起きている。基地の建設が始まってから9年173日、バンドレーダーが稼働しだしてから8年322日になる。もうすぐ12月26日。
 基地には大きな変化はないが、9月22日から夜になるとライトが付くようになった。気になるが理由は分からない。発電機6機が静音型の新しいものに替わったが、毎日どれかが動いている。停電になると夜も動いている。騒音は変わりなくうるさい。車でやってくる軍関係者は20~30台。基地の周囲が黒いフェンスになり、内部がよく分からない。新たに厚生棟ができた。

 生活排水

 生活用排水は、漁師の人の話では、時々いっぺんにざーっと断崖のくぼみを伝わって海に落ちてくるという。どこかに貯めているのか。付近の海の今年3月の水質検査では、汚染度を示すCOD(化学的酸素要求量)の値が高いことが分かった。引き続き調査に注目していきたい。また、全国の米軍基地で問題になっているPFOS(有機フッ素化合物の消火剤)だが、経ヶ岬では、米軍も自衛隊も使用していないとの防衛局の回答だ。米軍基地については、直接立ち入り検査できないので、確たることは分からない。渉外知事会(米軍基地を抱える都道府県知事の会)は、立ち入り検査を求める要望書を国と米軍に提出したが、反応はない。経ヶ岬で、従来公表されている排水場所以外から水が常時出ているところを最近確認したので、この水を採種し現在分析中だ。
 
 重要土地利用規制法

 重要土地利用規制法は21年6月16日に成立。1キロ以内を注意区域に定めれば関係住民を規制できる。昨年9月20日に施行した。国境・離島についで、今年5月第2時指定に161箇所の区域が指定された。ここには、石川県の小松基地、佐渡島が含まれる。経ヶ岬にとっては拠点になるところだ。今年9月に、第3次指定で180カ所が指定された。米軍基地が6カ所入っている。経ヶ岬は次に指定されるのでは?と思うが、今のところ説明会の動きはない。
 
 交通事故

 昨年11月網野町での事故の件だが、米軍属の車が夕方時速20キロで走っていて、接触した。軽微な事故だと報告された。なぜ起きたのか。防衛局もだが、京丹後市も早くから情報を握っていたが動かなかったので、そのことを検証せよと要求した。年が明け1月下旬に検証結果が発表され、近畿防衛局長が謝罪し、「こちらがしっかりと米軍に聞いていかなければいけなかった」と反省し、交通安全推進対策チームが作られた。市長も反省の弁を述べた。米軍は自分の都合のいいものしか出さない。防衛局は聞こうとしない、警察は知っていても何も言わない。これでは、安全安心は実現しない。
 6月中旬、35回目の安安連(安全安心連絡会議)の会議があったが、その後、6月26日丹後町竹野で接触事故、7月1日網野町で米軍のYナンバー車が田んぼに突っ込む事故があった。これの事故について防衛局現地連絡所と市基地対策室は何も知らないという有様。問い合わせの中で、7月6日に防衛局からそれなりの情報が出てきたが、米軍と警察からは迅速な情報提供はなされなかった。対策チームは何をやっているのか。36回目の安安連の会議には丹後町と網野町の事故を含め「交通事故4件」と記しただけの資料が出された。事故の内容はこれでは何も分からない。
 
 これから

 長期化するロシアのウクライナ侵略、イスラエルのパレスチナ攻撃で、東アジアの緊張はエスカレートするばかり。沖縄辺野古基地強硬建設に象徴される米主日従体制は強化されるばかり。毎年繰り返される大がかりな日米共同軍事演習のたびに、経ヶ岬でも合同訓練が繰り返される。現在、丹後町、宇川地区では基地関係の資金などが入った土木工事があちこちでおこなわれている。この状況は数年続く。安全対策の徹底が求められる。再編交付金の32億円は2018年で終了した。残基金は約1億円。
 基地に関わる様々な問題をチェックし、関係機関、市、議会への取り組みを強化しよう。地位協定の抜本的見直しに向け、世論を喚起しよう。問題の元凶は日米地位協定と米国に追従する岸田政権。国政の大転換を図ろう。
 続いて、前泊博盛さん(沖縄国際大学教授)のZoomでの記念講演があった。
 
 異次元の岸田軍拡

 沖縄では、ガソリンより水が高い。汚染された水が米軍基地から流れ出ている。在日米軍は日本の守護神なのか。米軍が引き起こす事故の数から見ても、決してそうは思えない。今年2月、野党の招きで話をした。安保3文書の閣議決定、異次元の軍拡、敵基地攻撃能力、これらはなんのために?国是の「専守防衛」の撤回と自衛隊強化、偶発戦争勃発の危険性があるのに、戦時体制の構築が急がれている。防衛費は1兆4000億円増の6兆8219億円。来年度概算要求では7兆7385億円、今後は10兆円に。後年度負担は4兆7000億円増の7兆6049億円の増加。防衛産業支援。同盟強化。そして、中国包囲網(抑止力)。それは何を目的に?
 来年度予算要求のうち、部品不足を解消して保有装備品の稼働数を向上させるために装備品の維持整備費が前年度比の1・8倍(約9000億円増)の2兆335億円に。弾薬の取得は、前年度比の3・3倍の8283億円を要求。異常である。
 
 軍事基地の核再配備

 自衛隊は、地域振興と災害救助からミサイル最前線部隊に変貌、羊がオオカミに。有事には、基地と軍隊は「標的」になる。つまり敵ミサイルを引き寄せるマグネット効果を持つ。そのことは、ウクライナ戦争、イスラエル・ガザ戦争の現状を見れば明白だ。沖縄の戦場化を想定する安保3文書。第15旅団(沖縄)の師団化は旧日本軍32軍の再来か。
 
 自衛隊の南西シフト

 危機を煽り、自衛隊の南西諸島配備の強化が強化された。過去の台湾海峡危機(1958年)では核戦争の危機があった。国民保護計画の欺瞞性だ。自衛隊は何から何を守っているのか。「国民保護法は基本的には自治体の長の責任」(尾上定正元陸将・補給本部長)、「自衛隊が忙しい問は、『できません』で法律の体系的にはそれでいい」(岩田清文元陸将・元陸上幕僚長)。宮古島(6万人)、八重山:石垣・西表・竹富(7万5000人)は、島外避難できず、「シェルター=自然壕」のガマに避難?
 ここで冷静に考えよう。中国が台湾に武力介入する場合は、台湾の内乱・台湾独立の動き・外国の介入と内政干渉の場合だけだ。米国にとって「沖縄は消耗品、日本政府はあらゆる方法で琉球を利用するが、琉球の人々のために犠牲を払うことを好まない」(1953年6月刊行の「琉球の歴史」序文)

 辺野古弾薬庫で進む工事に警戒を!

 「日米安保があっても米国は日本を護らない」(石破茂元防衛相・元自民党幹事長)。「辺野古完成は早くても2038年」(米軍幹部、2023年11月7日毎日新聞)。新たな施設建設が進む米軍普天間基地、閉鎖・返還はフェイクなのか?「辺野古より普天間が理想的」(米軍)。
 皆の目が辺野古に向いているときに、辺野古弾薬庫で進む「新貯蔵庫武器組み立て区画建設」が進行中だ。核再配備の準備ではないのか。注意が必要だ。

 協賛3団体:滝川順朗さん(米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会)、大槻正則さん(止めよう!経ヶ岬の米軍レーダー・危険な戦争準備を許さない緊急京都府民の会)、片岡明さん(米軍基地いらない京都府民の会)からアピールがあり、平林善典さん(米軍基地反対丹後連絡会事務局長)の閉会のあいさつで集会を閉じ、市街のデモ行進が行われた。  (T・T)

23.11.12 いらんちゃフェスタ・デモ

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