11.10~13平和の海のための島々連帯キャンプ 宮古島

アジア各地から50人

 【沖縄】2014年から毎年、済州島、沖縄、台湾の各地で開催されてきた東シナ海・平和の海キャンプは、2019年の金門島を最後に、コロナによる国境閉鎖・交流途絶により開催できずにいた。ようやく今年、第7回目の集まりとして、「2023平和の海のための島々の連帯キャンプin宮古島」が開催され、韓国、台湾、沖縄・日本、香港、中国などから50人以上が集い、交流した。

若い人々の参加
に未来への期待
 これまですべて参加してきた私は、今回は2日間のみ顔を出すだけにとどまったが、各地域の若い人々の参加が目立った。詳しくは、中心メンバーの鴨下祐一さんが「2023平和の海のための島々の連帯キャンプin宮古島」のタイトルで写真と共に記事をあげているので、是非ご覧いただきたい。
 宿泊およびメイン会場は、宮古島北部の閑静な一角にある青少年の家。第1日目は、車座になっての自己紹介・アイスブレイキング、夕食のあと、地元の郷土史研究家・仲宗根将二さんの「宮古の歴史と文化」と題する講演会が行なわれた。地元の九条の会共同代表を務める仲宗根さんは、全国の九条の会との交流の逸話も交えながら、石垣、沖縄とも異なる宮古文化の特徴を説明した。

国境を越える
市民の主権を
 第2日目は朝からフィールドワーク。はじめに、千代田の陸自駐屯地前で、農業を営む仲里成繁・千代子ご夫妻のハウスを訪問した。仲里さんの家は野原(のばる)にある。戦前・戦中は日本軍基地、戦後は米軍通信隊、復帰後は空自分屯地。畑の目の前に陸自基地が造られ年々強化されていく。陸自基地の周囲を行進していると、日米共同訓練に参加する陸自部隊が車を連ねて行動しようとするところだった。隣の駐車場には、03式地対空ミサイル発射機の車両3台、12式地対艦ミサイル発射機の車両4台が見える。清水早子さん(ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会共同代表)によると、奥に弾薬庫や燃料タンクがあり、軍用車両は計300台にのぼるという。
 そのあと、野原岳の空自基地のレーダー群を観察した後、アリラン碑に移動し、上里清美さん(同じく共同代表)の説明に耳を傾けた。韓国語、中国語、英語の各言語ごとに通訳者を中心とした輪ができた。上里さんは、1995年の少女暴行事件を契機に全県の慰安所調査が始まった頃から積極的に関わり始めたことを述べ、2007年の証言集会を経てアリラン碑建設に至るまでの動きを説明した。さらに、隣に建設された高澤義人さんの句碑「補充兵われも飢えつつ餓死兵の骸焼きし宮古よ八月は地獄」が、朝日新聞の歌壇に掲載されたことを知って高澤さんを宮古に呼んで碑をつくるに至ったと話した。
 昼食の弁当をはさんで午後は、保良(ぼら)訓練場・弾薬庫へ向かった。ゲート入り口には、保良に住む下地博盛さん(ミサイル・弾薬庫配備反対住民の会共同代表)と下地茜さん(宮古島市議)のお二人が雨の中、待っていてくれた。博盛さんは、「保良の集落には300人近く暮らしているが皆年配で反対運動が難しい。私たちは毎日、8時から11時半までゲート前で抗議の声をあげている。弾薬庫の完成にはあと2年かかるが、少しでも工事を遅らせたい」と語った。
 その後、保良の公民館で交流会が持たれ、各地域からの報告・意見が活発に出された。
 国の支配者たちの横暴に対抗して、国境を越えて連帯し島々の市民が主権を取り戻すための歩みがさらに大きくなって行くことを願う。       (沖本)

2023.11.10 宮古島平和の海キャンプ。郷土史研究会・仲宗根將二さんの講演。

2023.11.11 宮古島平和の海キャンプ。アリランの碑で、上里清美さんの説明に耳を傾ける。

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