11.26リニア市民ネット・大阪
「土の声」を聞け!
【大阪】11月26日、大阪ボランティア協会の会場正面には「東海道新幹線より電気を使うリニアは時代遅れ!」と書かれた幕が張られている。第20回を迎えるリニア学習会の、今回のテーマは『土の声を』。
カジノ・万博
と同じだね!
最初に主催のリニア市民ネット・大阪の春日直樹さんが、「民意を無視している点では、大阪のカジノ・万博と同じ」のリニア問題と指摘。そのリニア中央新幹線事業について歴史・現状の問題を説明。そして、「リニアは本当に必要なのか?」「まだ止めることは出来る。そのためには私たち自身が声を上げていく必要がある」とアピール。
続いて、報告。国際環境NGО・FOEJapanの柳井真結子さんが「工事による影響を受ける環境社会影響を中心にみている」ということで、各地の映像を混じえながら、残土置き場や車両基地等の現場がどうなっているのか説明があった。そして、「世界最速レベルの超特急」がもたらす環境破壊、エネルギー浪費、電磁波等の問題が起こってくる、リニア中央新幹線はそもそもが3大都市を結ぶためのものであり、「沿線に住んでいる人たちの視点がない」ので、「都市圏のために地方が犠牲になる」こと、さらに、工事の現場では事故が多発し、労災隠しも。そして、特徴を以下のように指摘した。
・計画時は住民不在・情報は提供されない・質問は制限(有識者ですら資料がないので審議できないという!)・国策:自治体の推進で公共事業に物言えぬ立場・影響受けるのは住民・問題が起きても責任はとってもらえない。さらに、行政は助けてくれない、裁判では切り捨てられる(532人)、工事そしてリニア営業が終わっても将来にわたって残るリスク等。これからも、「事業中止・計画の見直しをもとめていきたい」と。
立ち止まって
考えてみよう
次に、「土の声」取材班代表:信濃毎日新聞社報道部長の島田誠さんが報告。 この新聞社は「地方紙の責務」として、「歴史の検証に耐えられるか」という姿勢で、今年のテーマを「リニア問題」とし、島田さんたちは長野県各地を取材(記事は後で本に)した。「国策民営」のリニア事業の現場では何が起こっているのか。家屋移転を迫られ集落が消えてしまう。膨大な残土の行き場がない、決まらない、リニア中央新幹線に膨大な電力(原発を想定?)を供給するための高い鉄塔が次々と建てられていく、大手ゼネコンは潤う、地元では期待している人たちもいる、ものを言いたい、でも言いにくい状況のコミュニティ等々。問題は山積みしている。そこで、「立ち止まって考えてみよう」と言ったことで事業再考を提案した。
①地域の理解は得られているか ②情報公開は十分か ③残土の行き先を確保できるのか ④残土を長期管理する覚悟はあるか ⑤ 工事の社会的責任を尽くしているか ⑥自治体は住民に寄り添っているか ⑦政治は機能しているか ⑧時代に乗り遅れた計画ではないか、がその観点である(詳細は岩波書店『土の声を』に)。読者の声として、大鹿村の男性から、「リニア計画はそもそも大都市間を結ぶ計画であって、そこに住んでいる住民こそが考えなければならないのではないか」という意見が届いたという。島田さんは、「大都市圏の人たちこそ、この問題を考えてほしい」結んだ。
この後、質疑応答あり。今回も意義ある学習会の場となった。 (あ)

事業再考に向け論点がていねいに説明された(11.26)
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