投書 11・13川崎市麻生区の病院での軍事訓練に市民が抗議

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 X(ツイッター)を見たら「自衛隊統合演習の一部が川崎市麻生区で実施へ。11月13日(月)、新百合ヶ丘総合病院に負傷者(自衛隊員)搬送を想定。市民には何も知らされず、川崎市にも事前連絡無し。ヘリ到着は15時。【市民が監視行動へ!】集合は14時に新百合丘駅改札口前。」というつぶやきが載っていたので、非暴力の市民による監視行動に参加した。
 新百合ヶ丘駅で待ち合わせをした後、「歩きの人」と「バスの人」に分かれて、新百合ヶ丘総合病院にむかった。病院についた後、15時ごろになったら、自衛隊のヘリ(ヘリコプター)が見えてきた。とてもうるさい。抗議する市民の声がひびく。
 「自衛隊は帰れ」「戦争訓練反対」「戦争訓練やめろ」「軍事訓練反対」「人殺しの訓練やめろ」「軍隊は住民を守らないぞ」「防災訓練はまっ赤なウソだ」「軍事訓練を病院でやるな」「戦争協力はしないぞ」「病院は人の命を救うものだ」「人を殺すために病院を使うな」「うるさいぞ」「騒音をまき散らすな」「騒音で安静が出来ないぞ」「ヘリの音うるさくて眠れないぞ」「検査や手術が出来ないぞ」「患者を危険にさらすな」「患者の命を守れ」「医療労働者は声をあげよう」「迷彩服で病院をうろうろするんじゃないよ」。
 これらの声があがった。ヘリが帰っていったので訓練が終わったと思い、市民は近くで報告集会をおこなった。終わったと思ったら、ヘリは帰ったが自衛隊員や「自衛隊の車」はまだ残っていたので、病院へ戻った。

民間病院で軍事訓練は初めて

 参加者に話を聞いた。
 「安保3文書って去年出来たじゃないですか。それで継戦能力というのがうちだされました。戦争を長く続けさせる。いまやっていることは、戦争がおこらないようにすることなんかとっくに放棄していて、戦争をいかに長く続けていくか、粘り強く長くやっていくかっていう戦略でやっていて、戦時医療体制の訓練もやっていて、後送訓練(戦場で自衛隊が傷ついた人を運ぶ訓練)の一環としてこういうことをやっている。
 しかもそういうのに民間を使ってやろうっていうのが今回の自衛隊統合演習の特徴で、民間空港とか港湾とかを今回初めて大々的に使って病院まで動員して(民間病院を軍隊に使うことは初めて)負傷した自衛隊員を病院に送ってなおしてまた戦場に出すっていうことまではいっているんですね。民間の協力もどんどんさせていって、日本全体で戦時体制を作っていくっていう感じだと思うんです。
 首都圏も自衛隊員を送っていくっていうのをいっぱいやっているんです。沖縄から埼玉にケガした自衛隊員を送る。今回、死体埋葬訓練とか、それは那覇でやっている。今までなかったような訓練を今回本当にやってるって感じですかね。(「これはいつわかったんですか?」の問いに対して)川崎ってねプレスリリースに書いてあっただけで、みんな川崎で何やるんだろうっていって地元の方が調べて、川崎市に問い合わせをして、それで分かったんです」。

権力にすりよる民間病院

 別の参加者に話を聞いた。
 「申し入れ書(略)をお読みいただいたら分かります。ただポイントがあるとしたら、いままではいわゆる防災訓練、防災に名を借りた軍事訓練に私たちは反対してきてて、そこをつらぬいている患者さんたちを本当にモノのように扱う日本の医療のありように、トリアージだとかいってやるようなことに反対をしていたのです。
 今までは防災に名を借りてその実米軍も自衛隊も加わってやっている訓練があって、それに私たちは反対をしてきたんですが、ところが今回は本当にもろに軍事訓練を恥ずかしげもなく、今回は防災なんていわずにもろに軍事訓練をやったと、そういう意味では今回は段階を画するようなことであったということで、ここまでやっても大丈夫だというふうに金もうけ主義の民間病院が国の政策にもろに従って、今後ともそれは大切にされるだろうと、こんなことをやっておけば行政からもほめられるし国からも。(「権力にすりよっている?」の問いに対して)そうですそうです。
 患者さんっていうけど兵士の場合は、ここにも書きましたけど、明らかに軍人の場合は、傷病兵っていうのは将兵そのものが武器だから、だから武器を再構築するための医療だから、軍事医療といわゆる医療は歴然とわけないと本来はいけないわけですけど、イスラエルがあんな形でやるのは軍事とあれをぐちゃぐちゃにね、だから結局パレスチナ人民そのものは……イスラエルにむかってくるやつだから全部殺しちまえということで……子どもも殺すし『病院に入院している人たち』も殺すのは、本当に戦時になれば、そんな形で殺すわけですけど、今回の場合も民間病院に患者さんたちはいるわけだけど、そこに兵士をわざわざおろして、そういう意味ではそれこそ総動員体制で戦争はやらなきゃいけないから、民間病院も戦争に組み込んでいくと、そこでどんだけそこにいる患者さんたちが危ない目にあおうが国のためだということでならしていくということだと(思います)。(「知ったことじゃない?」の問いに対して)知ったことじゃないと、その意思表示と具体的展開は今日の民間病院における自衛隊が乗り込んできての軍事訓練だったと」。

 途中で、警察が自衛隊員を守っているところを発見する。参加者から、次の声が上がる。「神奈川県警じゃん」。「あらひどいわ」。「神奈川県警に守られた自衛隊員ってなあに」?
 危機管理室の吉田信夫さんに質問する。
 「病院が要請してるんですか」?「いえあの訓練があるということは警察の方にお伝えしています」。「病院の方から警察に伝えてる」?「はい」。
 監視・抗議行動には35人の市民が参加した。
 なお、今回の市民による抗議についてマスコミは、私の誤解でなければ、まったく報道しなかった。内ゲバ殺人集団のことは「市民団体」などとして大きく報道(10月19日・木曜日『神奈川新聞』23面、10月20日・金曜日『東京新聞』「川崎」18面など)するくせに、だ。マスコミはこれでいいのか。
 なお27日の月曜日の19時から官邸前で抗議行動をやるそうだ。時間がある人は参加しよう。
  (2023年11月22日)

新百合ヶ丘病院前で声高く抗議(11.13)

病院に登場した自衛隊車輛(11.13)

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