12・3大阪の靭公園で「12・3とめよう!原発依存社会への暴走」集会
北海道、青森から鹿児島までの多くの仲間が集まった
【大阪】12月3日、大阪の靭公園で「12・3とめよう!原発依存社会への暴走」1万人集会が1600人の参加で行われた。北海道の「後志(しりべし)・原発とエネルギーを考える会」や鹿児島の「ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会」などはアピールでの参加だったが、青森、新潟、首都圏、福井、愛知、岐阜、四国、山口等、関西以外からも多くの仲間が直接参加した。
原子力回帰は許されない
司会は「オール福井反原発連絡会」の林広員さん、林さんは冒頭「原発立地県の県民である私たちは福井からも、敦賀からも、小浜からも参加している」と報告し、集会を開始した。
主催者あいさつに立った「原子力発電に反対する福井県民会議」の中嶌哲演さんは、「かつて若狭の男たちは丁稚奉公、女たちは女中奉公で京都と大阪の台所を支えてきたが、現代の若狭は原発で奉公している。火力発電所は瀬戸内海沿岸、危険な原発は若狭湾。この事実に関電の原発政策の本質が表れている」と端的に表現した。
そして、原発政策は「福島の汚染水問題、老朽原発の再稼働、使用済み核燃料の増加等で末期的症状を示している」と指摘。そして、自身も小浜市民として参加し、退けた小浜原発計画反対闘争や、使用済み核燃料の中間貯蔵施設受け入れ拒否の戦いに言及し、最後に「共に手を携えて、原発依存社会からの脱却を目指して頑張りましょう」と締めくくった。
特別アピールに立った龍谷大学教授の大島健一さんはまず、「大事故が起きたら原発ゼロの世界を目指すのが当然なのに、岸田政権は原発回帰に暴走している。アメリカは気候変動枠組条約の第28回締約国会議で、2050年までに世界の原発を3倍にすると発言した。2012年に自民党は政権に復帰した際、安倍は原発依存度をできるだけ下げると言ったにもかかわらず、日本はその発言に賛同した。」と岸田政権を厳しく批判した。
そして、岸田政権の原発回帰の理由、①電力需要のひっ迫、②温暖化対策、③原発の電気は安いというデマゴギーを具体的に論破した。例えば、再生可能エネルギーを増やした国は二酸化炭素の排出量が減ったが、原発を増やした国では減らなかったことが科学的に立証された等である。
核燃サイクルにとどめを!
原発にとどめを!
全国からの参加者の発言。
青森から参加した「核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会」の中道雅史さんは、10月22日の関電本社前での集会にも駆けつけ発言している。
中道さんは「六ケ所再処理工場が本格稼働すれば、現在海に流されている放射能汚染水の比ではない、膨大な量の放射性物質が海に流される。六ケ所再処理工場は着工から30年、26回も完工延期を繰り返している。断末魔にあえぐ使用済み核燃料再処理工場にとどめを刺そう」と力強く訴えた。
「さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト」の小木曽茂子さんは、「柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働が日程に上がってきている。花角知事が再稼働を容認し、県知事を辞任して、出直し知事選に出るという。柏崎刈羽原発は中越沖地震で3800か所もの傷を負った被災原発、再稼働などもってのほか」と訴えた。
「止めよう!東海第二原発首都圏連絡会」の柳田真さんは、20数名の仲間と共にこの集会に参加した。そして、「11月18日には東海原発を止めようという集会とデモを700人を超す参加者で成功させた」と報告し、「来年の東海第二原発の再稼働を止めるために全力で頑張りたい」と宣言した。
「オール福井反原発連絡会」の宮下正一さんは「今日の集会に是非参加しようと福井県からはマイクロバスで、電車で、マイカーで約70名が参加した」と報告。そして、「関電は使用済み核燃料を福井県から持ち出すという約束してきたが、フランス、青森県、更に山口県の上関に持ち出すなど、実現性のない回答を持ってきた」
「更に、県外持ち出しという約束を破る、乾式貯蔵施設の設置を申し入れてきた。残念ながら福井県議会はこの提案を認めてしまった。しかし、私たちは絶対に認めない」と決意を述べ、発言を締めくくった。
愛知・岐阜から参加した「老朽原発40年廃炉訴訟市民の会」の草地妙子さんは「私たちもバスを貸し切って来ました」と冒頭に発言した。この会は高浜1、2号機と美浜3号機の運転期間延長認可取り消し訴訟を名古屋地裁に提訴している。
彼女は「来年4月と5月には証人尋問があり、最終弁論となる。老朽原発の再稼働を扱う行政訴訟としては全国で初めての判決となると思うので、注目してほしい」と訴えた。
「伊方から原発をなくす会」の近藤さんは、伊方原発から10キロの八幡浜からやって来た。彼女は「避難訓練の時、自宅待機というメールが来た。南海トラフ地震の時には津波は10メートルになるかもしれない。原発事故があっても重油タンクもあるし、逃げられない。原発近隣に住む人間には人権は無いのか。今すぐ廃炉だ」と声を張り上げた。
「原発いらん!山口ネットワーク」の小中さんは、「私たちは祝島の皆さんと共に42年間、原発建設を止めてきた。ところが、この8月に突然核廃棄物の中間貯蔵施設を誘致したいと上関の西町長が表明した。しかし、周辺自治体や住民の皆さんの反対の声で、現在ストップしている。皆さんと一緒に原発ゼロの社会を目指す運動を全国に広げていきましょう」と訴えた。
全国からのあいさつの最後は「ストップ川内原発!3・11実行委員会からのアピールだった。
全国20団体からアピールが寄せられた
ここで司会から全国の20団体からアピールが寄せられたことが報告され、つぎに全員で「とめよう!原発依存への暴走」と書かれたポスターを一斉に掲げ、シュプレヒコールを行った。
参加政党の紹介の後、原発事故被害者である福島県郡山市在住の郷田さんが紹介される。彼女は「現在、帰還困難地区が次々と解除され、地元に帰るよう宣伝がなされているが、実際にはまだまだ住むには危険な場所である」と数字を上げて指摘した。そして、「私たちには安全な場所に住む権利がある。チェルノブイリ法日本版という条令を制定して、その下で安全に生活したいと願っている。ご支援よろしくお願いします」と訴えた。
集会は次に関西各府県の反原発を掲げる市民団体からのアピール、そして「平和フォーラム」、「全労連近畿ブロック」、「おおさかユニオンネットワーク」の労働団体のあいさつの後、集会宣言を採択し、難波までのデモ行進に移った。(山三)
原発依存社会からの脱却を(12.3)
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