12.10パレスチナに平和を国会前緊急行動

イスラエルはガザの虐殺をやめろ

日本政府は停戦を実現させろ

 【東京】12月10日午後1時から、国会議事堂正門前で「日本政府は停戦を実現させろ パレスチナに平和を 国会前緊急行動」がパレスチナに平和を!緊急行動の呼びかけによって行われ、1500人が集まった。
 最初に、コール「爆撃やめろ フリーフリーパレスチナ ストップストップジェノサイド」。次に主催者を代表して藤本泰成さん(戦争をさせない1000人委員会 )が「戦争の悲惨さを伝え、戦争は絶対いけない」を定着させる取り組みが重要だと丸木さんの絵のことなどを例にして話し、「戦争をやめろ」と訴えた。
 12月10日は世界人権デーだ。北海道パレスチナ医療奉仕団団長が全国一斉行動を呼びかけた。この行動はその一環として取り組まれた。
 日本共産党国会議員の小池晃さんは赤十字国際委員会の駐日代表の「ハンユニスの病院で、医薬品がないから治療を後回しにしなければならない。助けられる子どもの命を助けることができない」という発言を紹介し「まさにジェノサイドだ。国連安保理では人道的停戦を求める決議がアメリカによる拒否権で否決された。日本政府は停戦決議に賛成した。イスラエルに対してジェノサイドをやめろ、アメリカに対してイスラエル支援をやめろと言うべきだ。自民党の政治を変えよう」と訴えた。
 立憲民主党と社民党のメッセージの紹介の後、全国一般南部支部所属のクッキ・チューさん(アメリカ人)が、アメリカでパレスチナ運動が強くなっていることを紹介し、「やっと運動の壁を乗り越え始めた。イスラエル支援をする人より多い。第二次世界大戦中に、日系アメリカ人を収容所に閉じ込めた歴史がある。それを1960年代の黒人の市民運動が活発に行われた影響もあり、1988年にレーガン大統領の時に、市民の自由法が通り、日系アメリカ人を収容所に送った罪に対する補償がされた。その後、日系アメリカ人は自信をもって生きることができた。社会は変えられる。くじけずに闘いを続けていけば、戦争を止められる、世界中に広がっていく」と話した。

こころがつぶれそうだ

 30年間パレスチナに関わっている日本国際ボランティアセンターの事務局長の伊藤解子さんが「10月7日は始まりではない。イスラエルがずっと自衛権を主張してきたこれが暴力の連鎖を作り出した。NGOのスタッフも殺される中で、市民に物資を届けるのは市民の人たちだ。物資も水も食料ももう枯渇してきている。私たちの所にたくさんの支援物資が届いているが届けられない。即時停戦をするしかない。ガザの友人とのやりとりで、以前は大丈夫だよと言っていたものがまだ生きているよ、というメッセージに変わっている。心がつぶれそうだ。NGOも日本政府に支援をするように訴えている。国際社会は忘れていないとガザの友人たちに伝えたい」と話した。
 北海道パレスチナ医療奉仕団団長の猫塚義夫さんが電話で報告した。
 「札幌でも昨日、300人で集会とデモを行った。2013年からガザ地区に入り、医療支援をやってきた。今年も第15回の医療支援をやる予定だったができなかった。札幌で支援をやっている。南部のハンユニスの東側にあるヨーロピアンガザ病院で支援をやってきた。これらは一網打尽にイスラエルの軍事侵攻下に置かれている。何とも言えない苦しさだが救援の手を差し伸べたいと考えている。抗議の声をあげることによって、アメリカのイスラエルに対する後押しを妨げて、日本の岸田政権に大きな圧力をかけていきたい」。

日本の行動は現
地に届いている

 パレスチナ人のアマルさんが訴えた。
 「1万7千人が犠牲になり、倒れた建物の下敷きになった人たちが数千人いる。負傷者は4万9千人を超えている。子どもは1時間ごとに6人亡くなっている。かけがえのない命は数字では表せない。犠牲になった人には大切な人、帰る場所があり、将来があったはずだ。イスラエルの占領によって75年間も若者の将来が奪われている。日本の行動が彼らの励ましになっているし、しっかり届いている。もっと出来ることがあるはずだ。パレスチナのことを誰か話をすることだけでも大事だ。時が経つにつれて関心が薄れていくのが恐ろしいからだ。食料や医療のための寄付、ボイコット運動と経済制裁、チリも積もれば山となる。日本政府は停戦の実現に向けて行動を起こしてほしい」。
 中東研究者で千葉大の栗田禎子さん、パキスタン協会から発言があった。

パレスチナ人
と仲間の発言

 まず、最初にガザの殉教者、負傷者、子どもたち、勇敢なジャーナリストそして医療チームに対して彼・彼女たちの命、名前を称え払われた犠牲に敬意を表す一分間の黙とうを捧げた。
 パレスナチで母親が子どもに唄う民謡、レジスタンスへの願いと人びとに希望を持ち、屈辱的な扱いを受け入れるなという歌がスピーチの最後に唄われた。
 ガザ出身のパレスチナ人の話。
 「勇敢な者が住む聖なる土地、それがパレスチナだ。最近ニュースでこんなものを見た。記者かジャーナリストが爆撃を生き延びたガザの子どもたちに、大きくなったら何になりたいか、尋ねていた。子どもこう答えた。ガザに生まれた私たちは大人になれないから、かなえる夢もないんだよ。虐殺、無関係な人を巻き込む集団的懲罰。民族浄化、アパルトヘイトこれらイスラエルがパレスチナ人に対して日々行っている行為を正当化できる理由はない。イスラエルの10月7日はパレスチナの24・7。24時間毎日起こり続けていることなのだ。イスラエルの諜報機関は10月7日の攻撃は事前に察知出来なかったと言うのに、パレスチナのレジスタンスが病院や学校、モスクや教会に潜んでいることは確実だと言っている。舌の根も乾かないうちに、確信を持った主張ができるのだろうか。この確信を持って、イスラエルはガザを爆撃している。イスラエルは現代のテロ国家だ。現実的に考えても正当な国とは言えない」。
 「国が国であるためには、最低三つの要素が必要だ。一つ目は首都。現在首都はイスラエルに存在しない。エルサレムはパレスチナの首都だ。エルサレムはイスラエルの首都にはなりえない。なぜなら、地球上に20億人いるイスラム教徒と20億人いるキリスト教徒がそれを許さないからだ。その二。それは国境だ。イスラエルには明確な国境がない。1948年、56年、67年、73年と四度に渡った中東戦争、1982年のイスラエルによるレバノン侵攻、1994年のオスロ合意によるパレスチナ自治政府の樹立、2006年のイスラエルによるガザからの撤退など。イスラエルの国境はまったく定まらない。国旗との矛盾もある。国旗の青いストライプはナイル河とユーフラテス河を表し、その間にあるダビデの星が国旗を表すはずだが、これも現実と矛盾している」。
 「その三。主権。イスラエルは建国から力を行使して自らの主権を証明するように駆られている。なぜか。それはイスラエルが居座る土地はアラブ人やパレスチナ人から盗んだものだからだ。イスラエル人の多くは他の国の市民権を持つ人が多い。イスラエル人はユダヤ信仰によって団結しているのではない。イスラエル人は植民地主義的でファシズムのシオニズム、資本主義によって団結している。イスラエルは国ではない。イスラエル国防軍の成り立ちは1930~40年代の過激派テロ組織が基礎になっている。ナチスと協力関係にあった彼らは1948年以前に、パレスチナに難民として亡命してきていた。なぜ、ホロコーストの被害者がナチスになることができるのだろうか」。
 「先日ガザで解放されたイスラエル人の捕虜の姿を見てください。彼・彼女らは健康そのものです。一方で、パレスチナ人の捕虜は手や足を失い、精神的にも身体的にも拷問を受けている。私は長い間、ガザで生活してきたパレスチナ人だ。2023年、日本に来るまでそれは多くの国と苦しみを経てきた。歴史の正しい側に立ってください。この75年の植民地主義と不正義はいつか必ず終るときがくる。祖国パレスチナのためにはどれだけの苦しみにも耐える価値がある。いつかこの苦しみが報われる日がくる。みなさん、いっしょに歴史を作ろう。絶対に沈黙しないでください」。
 この発言に続いてパレスチナ人がガザからの友人の日誌を紹介し、イスラエル軍の攻撃の前に、絶望的にならざるをえない様子を淡々と読み上げた。隣にいた女性は泣きながら、壇上を後にせざるをえなかった。もう一人の発言も胸を打つものだった。集会は二時間におよび、最後に今後の予定を確認し終えた。今後も緊急行動が続く。ガザ攻撃をやめろの声を広げ、なんとしても攻撃をやめさせよう。      (M)
  

「フリーフリーパレスチナ」を訴える国会前緊急行動(12.10)

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