国際声明:米国と日本は沖縄の軍事植民地支配をやめよ
1月6日、ノーベル平和賞受賞者で北アイルランドの平和活動家マイレッド・マグワイア氏や、米映画監督オリバー・ストーンさんら海外有識者や平和活動家ら400人が、辺野古・大浦湾での新基地建設の中止を求める国際声明を発表した。(編集部)
2024年1月
ジョー・バイデン大統領および米国市民へ
岸田文雄首相および日本国市民へ
10年前、言語学者のノーム・チョムスキー氏や元米陸軍大佐・アン・ライト氏を含む103人の世界の学者、ジャーナリスト、芸術家、平和活動家が、沖縄本島北部の辺野古に、さらなる米海兵隊基地を建設することに反対する声明を発表した。しかし現在もなお、日米両政府は沖縄県民の大多数が反対しているにもかかわらず、この高価な埋め立てプロジェクトにこだわり続け、かけがえのない生態系を無謀にも破壊している。残念ながら、埋め立て予定総面積の約4分1を占める辺野古側の工事はほぼ完了している。そして今、北側の、より深く、貴重な生物多様性をもつ大浦湾の埋め立てに着手しようとしている。
辺野古への基地建設計画は1960年代から存在していた。そして1996年の日米合意(SAKO合意)により、混雑する宜野湾市のど真ん中に危険な状態で位置する米海兵隊普天間航空基地の「代替施設」として復活した。それから四半世紀以上たった今でも、日米両政府は普天間基地によって占領されている土地を本来の所有者に返還しておらず、米国は新基地建設後も両方の基地の維持を目指しているとの報道さえある。
沖縄の自己決定権、民主主義、自治権を支持する私たち署名者は、第二次世界大戦以来、米日の事実上の軍事植民地とされている沖縄の、さらなる軍事化を拒否する沖縄の人々への支持を、ここに新たに表明する。
かつては独立した琉球王国であった沖縄は、戦国日本による3世紀にわたる支配の後、1879年に大日本帝国に強制併合された。琉球列島の人々は、欧米列強に植民地支配された世界中の多くの先住民族と同様に、強制的に日本に同化させられ、言語、名前、伝統、そして主権と自治を持つ民族としての尊厳を奪われた。
アジア太平洋戦争末期、日本は沖縄を「捨て石」とし、「皇土」を守るために沖縄で持久戦を行い、島々の住民を総動員した。日米間の戦争で、沖縄県民は人口の4分の1以上、12万人以上が、死亡した。アメリカは戦争の戦利品として島々を支配下に置き、80年近く経った今でも沖縄の陸・空・海を占領し、性暴力や殺人を含む甚大な人権侵害、航空機や車両の重大事故、PFAS水汚染などの環境破壊を引き起こしている。
2023年12月20日、福岡高裁那覇支部は沖縄県に対し、新基地の大浦湾側の埋め立てを可能にするのに必要な、「マヨネーズ状」の軟弱地盤に対処するための政府の工法変更を承認するよう命じた。この地盤強化は多大な費用と年月がかかることが予想されており、専門家によれば「不可能」と言われている。2018年と2022年の知事選で辺野古基地反対を掲げて当選した玉城デニー沖縄県知事は、12月25日に裁判所の命令を拒否し、12月27日に最高裁に上告した。
12月28日、日本政府は沖縄県に代わって、計画変更を承認した。1999年に改正された地方自治法に基づく「代執行」の異例であり初めての行使であった。
要するに、裁判所は、国が法律を私物化し、地方自治体の自治権を踏みにじることを事実上認めたのである。日本政府は2024年1月12日に大浦湾の埋め立て工事を開始する予定である。
『沖縄タイムス』の12月28日の社説はこう主張した:
地方自治法による代執行は全国どこにも例がない。国は「普天間飛行場の一日も早い危険性の除去」を理由に、自治を侵害する強行手段に出た。
『琉球新報』は12月27日の社説でこう問うた:
他県に住む方々は、自らの地域にこのような事態が降りかかることを是認できるだろうか。沖縄が初のケースで、今後沖縄以外にあり得ないという認識の下の無関心であろうか。
これは植民地主義的無関心である。県外の人々は気にもかけないし、米国市民の圧倒的多数は自国政府が沖縄で何をしているかさえ知らない。
バイデン大統領、岸田首相、そして米国と日本の市民へ、私たちは沖縄差別を止め、沖縄の軍事植民地化に終止符を打たなければならない。その第一歩は、総工費65億米ドル以上、完成までに10年以上かかると予想されている辺野古・大浦湾での新基地建設を中止することである。
今こそ正しいことをしよう。
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