資料/2・1クーデターから3年 今こそミャンマー軍を利する日本からの資金の流れを止めるべき!ー官邸前アクション

 2021年にミャンマーで軍がクーデターを起こしてから、この2月1日で3年となります。この間、ミャンマー軍によって殺害された人は4399人に及び、今も2万人近い人たちが不当に拘束されたままです(1月19日時点 政治囚支援協会調べ)。1月に国連人道問題調整事務所(ОCHR)が発表した数字では、国内避難民は260万人に達したとされています。1027作戦と呼ばれる少数民族革命勢力の攻勢以降、軍がその支配地域を次々失っているという報道や分析が増えましたが、ミャンマー軍は勢力維持のため各地で空爆を続けており、村が焼かれ、子どもを含む多くの民間人が犠牲になる状況は変わりません。国際社会はそれに対し、有効な手を打てていません。
 手をこまねいているのは、日本政府も同様です。クーデター以降、日本政府はミャンマー軍に対し、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を求めると繰り返し、アセアンの5つのコンセンサスを支持するとも表明しています。一方で、7396億円にも上る政府開発援助(ОDA)の円借款事業や、軍と繋がりのある民間投資への支援を継続しています。
 また、これまでも指摘してきたとおり、ヤンゴン博物館跡地再開発事業(通称:Yコンプレックス事業)は、ミャンマー最大都市ヤンゴンで、陸軍が所有する軍事博物館跡地に大規模複合不動産を建設・運営する事業で、これに国土交通省所管の官民ファンドである海外交通・都市開発事業支援機構(JОIN)が出資している他、財務省所管の輸出信用機関である国際協力銀行(JBIC)が融資しています。事業の土地の賃貸借契約は、現地パートナー企業と兵站局幹部との間で結ばれており、賃料は兵站局が管理すると見られる口座に支払われ、軍が利用可能な資金となっています[1]。現在、賃料の支払いは止められているといいますが、再開すれば支払いは発生します。民間企業が工事を止めていても、日本政府が公的資金でこの事業を支援している状態は変わりません。
 昨年12月には海外からの賛同も得て、要請書「ミャンマー軍を利するОDAと公的資金供与事業の停止を日本政府に求めます」を外務省、財務省、国土交通省に提出し、同日夜に官邸前で日本政府に向けてのアピールを行いました。今回、この要請書に対する一般の賛同をオンライン署名で募り、再度日本政府に提出します。
 日本政府にはまだ為すべきことが残っています。日本政府が実施中のОDA事業については、一旦すべて停止すべきです。また、Yコンプレックスについては、国土交通省が直ちにJОINの出資を引き揚げ、財務省もJBICの融資を直ちに取り消すよう、繰り返し、強く求めました。
※要請書では、現状のミャンマーに対し公的資金を継続することについて、以下の4点の問題を指摘しています。要請書本文はこちらです。
http://www
.mekongwatch.org/PDF/rq_20231201.pdf

 1、二国間の国際約束を伴うОDA継続で、日本政府がクーデター後の軍事支配体制を暗黙に支持しているように見えること。
 2、ОDA事業や公的資金を供与している事業が実際に軍を利すること。
 3、「ツーステップローン」の形式で供与されたОDA資金が、ミャンマーの金融機関を支配下に置くミャンマー軍の管理下に入る恐れがあること。
 4、 ミャンマーの人びとの債務として新たに7396億円もの負担が追加されること(2020年までの日本政府からミャンマーへの貸付累積額は27億6180万ドル)。
 [1]ミャンマーYコンプレックス事業に関与する東京建物、大和ハウス工業にエンゲージメントを求める要請書 2022年5月24日

http://www
.mekongwatch.org/report/burma/mbusiness/20220524Letter_Jp.pdf

呼びかけ団体 
メコン・ウォッチ、国際環境NGO FoE Japan、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、アーユス仏教国際協力ネットワーク、日本国際ボランティアセンター(JVC)
問い合わせ先   
国際環境NGO FoE Japan Email:info@foejapan.org 電話: 03-6909-5983

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