1.31総がかり行動実が緊急集会

軍拡・増税、くらし破壊の悪政NO!
裏金づくりの自民党政治は退場を

 1月31日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、四谷区民ホールで「軍拡・増税、くらし破壊の悪政NO! 裏金づくりの自民党政治は退場を」緊急集会を行った。

命を軽視す
る岸田政権

 主催者あいさつが菱山南帆子さん(共同代表)から行われ、「元旦から能登半島で大震災が起こった。だが日本政府の対応の遅さが問題となっている。岸田政権は、市民の暮らしと命を守るんだと称して防衛費をつぎ込んでいる。圧死で亡くなっている人たちがたくさん出ているが、政府の対応がもっと早ければ助かったかもしれない。災害救助に役にたつと言われているレッドサラマンダー(無限軌道災害対応車)が日本に2台しかない。災害対策の軽視だ。暮らしと命を守るというのは、実は戦争ができる国作りにするための口実だったことがはっきりとわかった。さらに深刻な現地にもかかわらず『北陸応援割』などと言い出している。人の命よりもカネなんだということだ。自民党の裏金づくりによって選挙のために大金を投入し、ネガティブキャンペーンなど汚いことをやってきた。金権政治に対してNOをつきつけていくために団結し、まとまっていかなければならない。今日の集会は金権政治の岩盤を崩していくためのスタートです」と訴えた。

岸田文雄は鮒侍
 
 浜矩子さん(同志社大学名誉教授)の講演(オンライン)。テーマは、「鮒侍男の大軍拡:経済の視点から」。
 ①岸田文雄は鮒侍だと規定。
 「忠臣蔵」の物語の中で吉良上野介が浅野内匠頭に対して「お主は狭い井戸の中の鮒のごとし…」となじったシーンがある。つまり岸田は、自民党という井戸の中で、背中を押されてあっちへフラフラ、こっちへフラフラと立ち振る舞ってることに現れている。こういう性格だから定見無き鮒侍男は政治責任者として最も危険だ。フラフラと、どこへ連れていかれるか解らない。何時、敵基地攻撃に駆り出されるか解らない。
 ②軍拡がもたらす経済効果とは
 大軍拡の下では経済活動は成り立たない。なぜなら大軍拡は平和を脅かし、基本的人権、言論の自由、行動の自由、生存権が脅かされる。基本的人権が侵害される時、そこには経済合理性がない。経済合理性に適わなければ、経済活動は経済活動でなくなる。大軍拡の経済効果は経済活動から経済合理性を奪うことだ。
 ③財源論に惑わされることなかれ
 例え財源にゆとりがあっても大軍拡は許されない。安全保障環境激変論に丸め込まれるな。きな臭さが募れば募るほど、平和主義に徹しよう。
 歳出改革論は、何が犠牲になりそうか注視し、身勝手な手法を許してはならない。今こそ、我らは憲法全文の精神にもどろう!
 グローバル時代を待ってくれていた日本国憲法の以下の前文箇所は、重要だ。
 「諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し」「日本国民は、…平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって」。

労組と市民と
野党の共闘

 清水雅彦さん(日本体育大学教授)の講演。テーマは、「日本国憲法から見た軍拡」。
 清水さんは、第一に「憲法学界と政府の平和主義解釈」について「憲法学界における9条解釈と意義」、「憲法の平和主義論」、「政府の9条解釈と形骸化」について解説と批判を行った。
 第二は、「2022年『安保3文書』(「国家安全保障戦略」を中心に)の内容・背景と問題点について①内容②背景③「敵基地攻撃(能力)論の問題点を提起した。
 とりわけ「実態論からの問題」として「朝鮮の移動式ミサイル発射機は約200基。朝中露は核保有国だ。『敵基地攻撃』は不可能だ。だが安倍元首相の発言(2022年4月3日)『基地に限定する必要はない。向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ』、自民党『新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言』(2022年4月26日)の『反撃対象は相手国のミサイル基地に限定されず、指揮統制機能等も含む』の内容からすると『相手国攻撃』『全面攻撃』となってしまう。このような表現も含めて許してはならない」と批判した。
 さらに「防衛費増額の問題点」についてでは、「28カ月連続上昇の消費者物価指数、実質賃金20カ月連続マイナス、法人税の最高税率23・2%、消費税率10%、所得格差、上場企業役員の報酬額の実態を示しながら『待ち受ける増税』に警戒していこう」と呼びかけた。
 結論として、「『敵基地攻撃』と防衛費GDP比2%で自衛隊と9条の矛盾が拡大しているがために、その矛盾解消のために9条改憲を強行しようとしている。9条改憲を阻止するためにも『安保3文書』の具体化阻止が大事だ。今必要なのは軍事による国家の安全保障よりも人間の安全保障だ。その実現は自公政権では無理だ。維新を野党第1党にしてもいけない。衆院憲法審査会での暴走を許してはならない。本気の『労組と市民と野党の共闘』によって政権交代をめざそう」と強調した。

性暴力を許さない!

 参加団体からの発言。
 9条壊すな!実行委員会は、「能登半島震災の方々に心からのお見舞い、お悔みをもうし上げます。自民党、経団連の言うとおりに志賀原発を再稼働していたら背筋が寒くなります。
 被災地で気がかりなのは、性暴力の問題です。阪神淡路大震災、東日本大震災で性暴力にあっても泣き寝入り、当事者、支援者は沈黙を強いられてきた。ようやく被災地で性暴力の事実の認識が広まってきた。ここまでくるのに声をあげてきた人達に感謝します。実名で告発した伊藤詩織さん、フラワーデモ、#Me Too運動の後押しがあってこそだと思います。経済的に脆弱で家を失った夫を亡くした独り身の女性の弱みにつけいり、年齢にかかわらず対価型性暴力にあいやすいことがわかってきました。ジェンダー平等の社会づくりが必要です。
 DV、性暴力被害への女性支援が長年、福祉とみなされず、売春防止法が67年も改正されないままです。この4月、「困難な問題を抱える女性への支援 に関する法律」が施行されます。福祉や文化への予算をしっかりつけることを期待します。
 自公政権は、困っている人達におカネを使うのではなく、裏金、キックバックをやってきた。とんでもないことだ。板橋地域の自民党・下村博文衆議院議員の事務所前で抗議のスタンデングをやりました。公開質問状、ビラの受取もよく、街の人々の関心が高いことがわかりました。地域から自公政権を追い詰めていこう」とアピール。
 続いて憲法共同センター、戦争をさせない1000人委員会、自由法曹団の発言が行われた。
 最後に行動提起があり、あらためてスクラムを固めていくことを確認した。           (Y)

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