軍事独裁体制打倒とフェデラル民主主義連邦の樹立に向け共闘連携している諸勢力による共同声明
2024年1月31日
軍事クーデターから3年が経つミャンマーで、民主統一政府(NUG)と少数民族が、軍の打倒を目指す声明を発した。この声明は、どのような政治体制を作るのか、何を実現しようとするのかが分かるものだ。連帯を込めて掲載する。(編集部)
目標
連邦国内に暮らす多様な民族のアイデンティティの保護、奨励を可能にする民主主義と民族間の対等な共存と自治権を有する州によって構築されるフェデラル民主主義連邦を樹立する。
目的
1 軍事クーデター体制を打倒しミャンマー国軍の政治介入を終結させる。
2 民主主義に基づき選出された文民政権の支配下に全武装勢力を置く。
3 2008 年の憲法を破棄する。また、2008年憲法を復活させようとするあらゆる試みを排除する。
4 全当事者が合意できるフェデラル制と民主主義制度に基づく憲法を作成し、制定する。
5 上記フェデラル民主主義憲法に則ったフェデラル民主主義連邦を樹立する。
6 紛争時期に不法/不当に被害を受けた被害者のために正義を取り戻し、移行期正義のプロセスを遂行する。
立場
(ア)2021年2月1日のミャンマー国軍によるクーデターは正当性がないものであると宣言し、全面的に反対する。
(イ)クーデターはミャンマー軍自らが一方的に制定した2008年憲法の条項に背く行為である。よって2008年憲法は無効とする。
(ウ)2020 年総選挙の結果は、2008 年憲法に従った政治体制を遂行するためではなく、革命の成功と政治体制の改革を実現するためのものとして用いる。
そうした選挙結果の使用は、軍事クーデター体制を打倒し、政治体制の改革に向けて革命に参加している連邦議会代表者委員会(CRPH)と国民統一政府 (NUG)を有権者である国民が選出し、支持したという結果を証明することにつながる。革命後の政治体制は軍事独裁体制打倒に関わった各政治勢力の共同主権下において、新国家を樹立する。
(エ)2008 年憲法に基づき総選挙を行う試みは、民主主義を復活させられるものではない。ま軍事クーデターを正当化しミャンマー国軍の支配を無期限にするだけである。
(オ)将来的に軍に対しては、政治に関わる権限を持たせない。
(カ)自治権、民族間対等、民主主義、和平と安定を再び実現させるためには当事者全員が合意できるフェデラル民主主義新憲法が必要である。
(キ)政治的特権階級同士で権利を分け合うことを拒否する。
(ク)東南アジア諸国連合(ASEAN)と国連(UN)のミャンマーに対する解決策プロセスに協力し、参加する。
(ケ)地域の平和と安定を目指し、近隣諸国と平和的に共存する。
行動計画
1 軍事評議会(ミャンマー国軍)に対して国内外から軍事的政治的圧力をかける。
2 上記の6 項目の「目的」をミャンマー国軍の責任者らが受け入れたら、軍事クーデターを終結させ、権力の平和的移行を図る。
3 軍事クーデターを終結させ、軍事評議会、あるいはフェデラルに移行するために、移行期国民統一政府(T─NUG)と移行期州/フェデラル単位の政府を結成し、国家の安定と平和の復興に取り組む。
(ウ―1)独裁体制打倒に向けて革命に尽力した各政治勢力の参加の上で、移行期におけるフェデラル民主主義憲法を作成し、制定する。
(ウ―2)革命の後、革命に参加した各勢力の当事者による共同主導で移行期フェデラル民主主義憲法に基づく移行期国民統一政府(T─NUG)を結成する。
(ウ―3)フェデラル単位の政府をそれぞれの州/フェデラル単位において自由に結成する。
連邦単位は、それぞれの州/連邦単位レベルで地方自治体を自由に構成できます。
4 当事者全員が参加し、全国規模の政治会合を行い、フェデラル民主主義連邦樹立に向けた審議を行う。
(エ―1)移行期において、主要な当事者全員参加の下平和的な政治協議を得て州/フェデラル単位を定め、それぞれの州/フェデラル単位における境界を画定する。
5 フェデラル民主主義憲法を新たに制定する。
6.フェデラル民主主義連邦を樹立する。
私たちはこの政治的な目標、目的、立場、行動計画に向けて戦略的に重要なすべての部門にわたる協力体制を結成し、実行する。その上、革命に関する各同盟勢力とも引き続き協力し、全面的に協力する旨を宣言する。
問い合わせ窓口(略)
ミャンマー大使館前で抗議(2.1)
週刊かけはし
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社