2.11「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する行動
民主主義に天皇はいらない
【東京】2月11日、「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する2・11&2・22連続行動実行委員会は、天皇制民衆統合強化に向けた「天皇制賛美日」である「建国記念の日」(紀元節)、天皇ナルヒトの「天皇誕生日(2月23日)」(天長節)を許さない前段集会を淡路公園で行った。
天皇神話を
押しつけるな
「建国記念の日」は、1967年、自民党政権が神武天皇の即位によって日本が「建国」されたなどとデッチ上げた日だ。
実行委は、「『日本国家』の虚構の『建国記念の日』も、ナルヒトの誕生日も祝いません。自由と平等、抑圧のない社会を求める現代の私たちに、天皇も『国歌』君が代も『国旗』日の丸も祝日も必要ありません。私たちは、すべてのハラスメント、性加害、差別、搾取に苦しむ人々と共に連帯します。そして、戦後も延命し、とくにアキヒト天皇のもとで『国民的支持』を拡大したかにみえる天皇制、そしてこれと共犯してきた日米安保、自民党政治の解体を目指」すことを結集軸にして取り組んできた。
ところが岸田文雄首相は、従来の首相が「建国記念の日」にメッセージを発してきた慣例を踏襲し、「建国をしのび、国を愛する心を養う」、「更なる国の発展を願う国民の祝日です」と天皇制への忠誠を強調し、「本年1月に発生した能登半島地震も、国の力を結集し、必ず乗り越えてまいります」とアプローチし、震災事態さえも利用しながら民衆統合を貫徹しようとするのだ。
産経新聞(2・11)にいたっては、「日本は、天皇を中心とする国柄を保ち守ってきた。……日本が建国以来、一度も滅んでいないということを示している。……残念なのは、この日を戦前の軍国主義と強引に結びつけ、否定する動きがいまだにあることだ。学校でも日本神話はほとんど教えられていない。GHQと同じ発想に陥っていないか」などと完璧にアナクロストーリーを社説で披露する有様だ。
連動して日本会議、神社本庁など天皇主義右翼は各地で「紀元節祭」、「天長節 奉祝行事」などと称して「紀元節奉祝」キャンペーンを繰り広げ、セットで岸田政権に対して憲法九条改悪、戦争国家化推進に向けて圧力を強めている。これら9条改悪推進と戦争国家化勢力の立ち振る舞いを許してはならない。
天皇制による
統合反対
集会は実行委の開催あいさつから始まり、「1月9日、小林弘樹陸自幕僚副長ら10数名が靖国神社を集団参拝し、玉串を奉納した(別掲声明)。宮内庁は、2月23日の天皇誕生日の一般参賀を実施すると発表した。他方、『即位・大嘗祭』国家賠償請求に対して京都(2・7)、東京(1・31)で不当な棄却判決が出ている。憲法判断を避けた。『紀元節』と『天皇誕生日奉祝』のように天皇制を浸透させていこうとする動きが続いている。今年も様々な天皇制反対の闘いを共に行っていこう」と呼びかけた。
連帯アピールが「3・1朝鮮独立運動」日本ネットワーク(旧100周年キャンペーン)、大軍拡と基地強化にNO!アクション、沖縄・辺野古新基地建設反対を取り組む仲間、武蔵野五輪弾圧救援会から行われた。
集会の最後に「集会宣言」を参加者全体で採択、2・22「天皇誕生日奉祝」反対集会への参加を確認。
靖国通りをデモを行い、途中で靖国神社に向けて「天皇制はいらない!自衛隊幹部の靖国参拝糾弾!」のシュプレヒコールを上げた。 (Y)
集会宣言
私たちは、「建国記念の日」(紀元節)と「天皇誕生日」(天長節)の「奉祝」に反対するという意思をもって、今年もまた連続行動に取り組んでいます。
これらの日を「祝日」としているのは、1948年の「国民の祝日に関する法律」に基づいていますが、その元は、「明治」大日本帝国の太政官布告における「四大節」にはじまります。「紀元節」は、「日本国家」も「天皇」もなかった時代の、神話上の「初代天皇」神武が「即位」したとされる日を、机上計算された「暦」に当てはめた創作に過ぎないものでした。現天皇の徳仁は、「神武」から数えて第126代の天皇だとされていますが、もちろんこれにも根拠はありません。それにもかかわらず、多くの反対を押し切って、1966年に2月11日が「建国記念の日」として復活させられました。こうした天皇制にちなむ日を「祝日」とすることは、もはや止めるべきだと私たちは考えます。植民地侵略と戦争の歴史でもある天皇制国家の歴史に、私たちはこれまで同様これからも否定の声を上げ続けたいと考えます。
22年2月にはじまるウクライナにおける戦争、さらに23年10月からはイスラエルによりパレスチナに対するおぞましいジェノサイド攻撃がなされています。それに対し、自らの侵略戦争に対する反省のない日本政府は、なんら停戦の努力をしようともせず、むしろこれに加担しています。そればかりか、新「国家安全保障戦略」など安保関連三文書を策定し、「防衛力の抜本的強化」を謳いあげて、武器輸出や国際的な武器開発を展開しつつあります。アメリカの対中国戦略の一環として、琉球弧の島々を前線基地化し、ミサイルを配備しています。
「建国記念の日」に対し、歴代の内閣総理大臣はその都度「メッセージ」を発してきました。「自由と民主主義を守り、人権を尊重し、法を貴ぶ国柄」を誇ってみせるという、つねに同じような内容で、そこに見るべきものなどありませんが、このかんの事態を反映してか、2022年からの2年については「平和」の文言がなくなっています。憲法を踏みにじる軍事強化をほしいままとしており、与党政治家の「裏金」や「脱税」なども明らかとなったいま、「平和」の文言ばかりでなく「法を貴ぶ」という文言もあまりに空虚なものです。
自民党政権が腐敗し、その倫理的崩壊状況が厳しい批判を受けていることは明らかです。この政権は、民族排外主義やヘイト、差別や特権を擁護し、侵略の事実を否定し書き換える歴史修正主義とも一体です。だからこそ私たちはこれらと妥協なく対決していかなければなりません。
私たちは、「日本国家」の虚構の「建国記念の日」も、徳仁の誕生日も祝いません。自由と平等、抑圧のない社会を求める現代の私たちに、天皇も「国歌」君が代も「国旗」日の丸も天皇制の祝日も必要ありません。私たちは、すべてのハラスメント、性加害、差別、搾取に苦しむ人々と共に連帯します。そして、戦後も侵略戦争・植民地支配の責任を取ることもなく延命し、いまは上皇である明仁のもとで「国民的支持」を拡大したかにみえる天皇制、そしてこれと共犯してきた日米安保、自民党政治の解体を目指していきます。
今年の連続行動の取り組みにあたって、私たちはこのことを明確に宣言します。
2024年2月11日
「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する集会参加者一同
機動隊のサンドイッチ規制を許さずデモを貫徹(2.11)
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