今こそウクライナに連帯を
2.23新宿駅東南口 ウクライナ連帯ネットワーク呼びかけ
ロシアによる侵略を止めよう
プーチンの戦争犯罪許さない
【東京】2月23日午後2時から、新宿駅東南口で「ロシアによる侵略を止めよう 今こそウクライナに連帯を!」スタンディングと訴えがウクライナ連帯ネットワークによって行われた。朝から真冬の気温と小雨が降り続く天候の中、ウクライナ民衆の抵抗闘争に連帯し、2年前のロシア軍によるウクライナ侵略戦争を糾弾し、即時の撤退を求める訴えを行った。欧文で書かれたプラカードを見て、スマホで撮影する人や連帯するような仕草をする外国人の人たちが何人もいた。
困難なウクライナを支えていこう
最初に、呼びかけ人の原隆さんが発言した。
「ロシアによるウクライナへの全面侵略が始まって明日で2年になる。2014年のクリミアの一方的なロシアの併合からは10年だ。今もロシア軍は約40万人の兵力でウクライナ領土の2割を占領し、居座り続けている。ウクライナはロシアの歴史的領土の一部である、と大ロシア主義を隠さないプーチンはウクライナに対する紛れもない侵略者、占領者であり戦争犯罪者である、と私たちは非難する。しかしロシアは全面侵攻時の兵力の9割を失っても、力による併合の試みを諦めてはいない」。
「今もウクライナの人口の約四分の一、一千万人の人びとが国内外で避難生活を余儀なくされている。ウクライナでの戦争は現在、長期化して消耗戦の様相を濃くしている。ロシアは毎日2万発、ウクライナは約5千発の砲弾を撃っている。ウクライナにとって命綱である武器供与、弾薬供給が滞り、いわゆるアメリカやヨーロッパの支援疲れも指摘されている。こういう中、プーチンがほくそ笑む中、アメリカやヨーロッパはロシアによる占領を事実上容認する『停戦』の圧力をウクライナに対して強めている。全く理不尽なことで、侵略者であるプーチンの思うつぼだ」。
ウクライナへの債務帳消しを
「ウクライナ支援を拒む人、反対する人はロシアの侵略を擁護するものだ。侵略の擁護者に反戦や平和を語る資格はない。なぜなら、侵略は自由と尊厳を奪い、民主主義を破壊行為だからだ」。
「2月19日に、日本でウクライナ経済復興会議が行われた。私たちは日本政府やアメリカ、ヨーロッパ各国に対して、ウクライナの対外債務の無条件で全面的な帳消しを求めた。天然ガスをロシアから輸入するということはロシアに戦争資金を提供することを意味する。日本もロシアのサハリンからいまだに天然ガスを輸入している。こうしたロシアに対する融和政策がプーチンの大ロシア主義を冗長させてきた。ロシアに戦争資金を提供しながら、ウクライナに対しては借金を負わすことはまさに火事場泥棒に等しい。こんな理不尽なことを私たちは許してはならない。この10年ロシアの侵略と戦ってきたウクライナの人からすれば、アメリカやヨーロッパ、日本に対外債務の帳消しを要求する立場にあるんだということを私たちは確認する必要がある」。
ATTAC Japanの稲垣豊さんと武器輸出反対ネットワークの杉原浩司さんがウクライナ経済復興会議についてふれた、日本や欧米のウクライナへの借款による「経済援助」あるいは企業による進出は実は新自由主義によるカネもうけのためで、その負担は結局のところウクライナ人民に背負わされることを説明し、ウクライナへの全面的な債務帳消し、無償援助をすべきであると訴えた。
連帯ネットワークの中村さんが訴えた。
「ロシアのウクライナ侵略戦争によって、市民が1万人以上が殺されている。ウクライナ兵も3万人以上戦死する大きな犠牲を強いられている。キーウの近くのブチャでロシア軍が撤退した後に、残されたものは悲惨な虐殺の跡だった。そして東部の地域でも多くの建物、民間施設、病院、学校、劇場がロシア軍によって破壊された。しかしそうした民間人への攻撃は戦争犯罪だということで国際司法裁判所へ訴えられた。ロシアへの非難の声は湧き上がっているがいまだに、プーチンはそれを認めない。停戦にも応じない。今も毎日毎日、ロシアによる攻撃が行われている。罪のない市民が殺され続けている」。
「ただ一方で、ロシア軍の戦死者も30万人と言われている。ロシア軍の多くはロシアの少数民族であったり、監獄に服役している犯罪者が多く前線に動員されている。そして、前進しなければ後ろから鉄砲で撃たれる。ロシア軍の兵士たちも悲惨な戦争を強いられている」。
「一日も早く、戦争を止めさせなければいけない。いま停戦をしたならば、ロシアによる侵略の現実、東部2州、クリミア半島の併合が既成事実化されてしまう。停戦を一番望んでいるのは、実はウクライナの人たちだ。既成事実を認めて停戦をすることは、侵略を認めてしまうことになる。日本をはじめとする西側諸国がやっている経済制裁はまったく効果を現していない。もっとロシアに対する批判の声を上げていかなければ、プーチンのやっていることが正当化されてしまう。ロシアの侵略戦争を止めさせるためにもっとがんばろう」。
少数民族への犠牲の強制と反発する動き
連帯ネットワークの林克明さんの訴え。
「私の言いたいのは二つだ。一つ目。ロシアのプーチンとイスラエルのネタニヤフを逮捕しろ。これの世論作りが必要だ。どちらも無慈悲に人々を虐殺している。この二人の戦争犯罪人を処罰することが大事だ。さらにもう一つはロシア軍のことだ。ロシア軍の中にも犠牲者が出ている。ロシア兵と言われる人のかなりの部分をロシア人以外の少数民族の人たちが占めている。ロシアは戦争をして、そこに住んでいる少数民族を征服して大きな国になっている。だから、ロシアの中にはロシア人だけではなく、いろんな少数民族がいる。その人たちを軍隊に入れて、ウクライナの最前線に放り込んでたくさん殺している。だからロシアのプーチンはウクライナ戦争を利用して、自国の少数民族を抹殺しているとんでもない事態が起きている」。
「モンゴルの隣に、ブリヤート共和国があって、ここには多くのブリヤート人が住んでいる。彼らはわれわれと同じようなアジア人と同じ顔をしていて仏教徒だ。ブリヤート共和国出身のロシア兵の戦死率がモスクワ出身の人たちの戦死率の33倍も多い。とんでもない数だ。死んではいけないが同率に犠牲になるべきところを、モスクワの出身者より辺境の少数民族のブリヤートが33倍も多く戦死者を出している」。
「あまりにもひどいというので、いまロシアの国内では密かに独立運動、反政権の動きも強まっている。先月、ウラル山脈の南の方で、ウクライナ全面侵攻が始まってから最大のデモがあった。そこはバシキール人あるいはタタール人がたくさん住んでいる辺境の少数民族地域だ。ウクライナ戦争で死なされている少数民族たちが立ち上がってきた。今後、私たちはこういう人たちのことも考え連帯する道を探っていくべきだ」。
最後に次のようなスローガンを合唱して行動を終えた。
「ロシアの侵略 止めよう。ロシア軍は 今すぐ撤退。プーチンの戦争犯罪 許さない。ウクライナに連帯を。自由と尊厳のために。ウクライナの対外債務帳消しを。日本はロシアの天然ガス 買うな。ロシアに戦争資金 与えるな」。(M)
新宿駅利用者にロシアの侵略に抵抗するウクライナ民衆との連帯を訴える(2.23)
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