投稿 自衛隊宮古島駐屯地開設5周年記念式典反対

電子戦部隊配置反対、弾薬庫増設反対、基地を撤去せよ
「南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会」会員 尾形 淳

 2月18日陸上自衛隊宮古島駐屯地正門前で、基地開設5周年記念式典反対集会が「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の呼びかけで行われた。
 駐屯地正門前の畑は住民連絡会の共同代表の仲里さんの畑である。集会開始の9時前から「ミサイル基地いらない」と記した幟旗が林立し、横断幕も数多く掲げられている。

「住民の声聴く必要ない」

 司会の清水さんは「駐屯地には現在、電子戦部隊配備が進められ、レンジャー訓練棟、新庁舎も建設される。保良では3基目の弾薬庫が建設中である」と、冒頭報告する。
 共同代表の仲里さんは「この地域では全会一致で自衛隊配備に反対し、沖縄防衛局に撤回の要請をした。しかし、防衛局は住民の声を聞かなければならないという法律はないと回答してきた。私たちは宮古島を戦場とする軍事訓練はやめてください、平和を守るためには話し合いが必要と言い続けてきた」と、反戦・反基地への思いを語った。
 私たちの会もこの間、与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島、種子島を訪問して反対闘争に参加し、地元の人たちと交流してきたことを報告した。
 京都からの参加者は丹後半島の米軍Xバンドレーダー基地反対闘争、京都府南部にある陸自祝園(ほうぞの)分屯地への弾薬庫建設反対の戦いを準備していることを報告した。

子どもに人殺しの訓練を見せるな

 式典や模擬訓練等のアトラクションをする場所は外からは見えない。しかし、式典開始時刻の10時近くになると、銃を携帯した兵士たちが駐屯地の駐車スペースに整列し始める。
 正門から子どもを連れた母親たちが入っていく。一般の住民ではなく、ほとんどが隊員の家族のようである。基地の側には家族用の宿舎がある。一般の参加者の多くは車で来ているが、別の門から入るよう誘導されている。
 「銃を担いで行進するな!」「ミサイル車両の軍事パレードやめろ!」「子どもに戦争訓練・人殺しの訓練を見せるな!」「基地を撤去せよ!」等のシュプレヒコールをあげる。
 基地は鉄柵で囲まれているのだが、今日は外から見えないように迷彩を施したビニールシートで覆われている。しかし、シートがない場所もあり、私たちはその空間から隊内の写真を撮る。撮影を止めようとする隊員と小競り合いも起きる。

有事の時、島民は島から出ていけ


 宮古島市会議員の上里樹(たつる)さんは、「基地の敷地は差し押さえられていたゴルフ場跡地、一億円位の競売物件だった。その土地を当時の宮古島市長の下地が5倍、10倍の値段で強引に防衛庁に売り込んだ。その売買に関する収賄容疑で彼は有罪判決を受けた」と、利権がらみの基地建設を厳しく批判した。
 下地茜市会議員は石垣島で行われた住民避難のシンポジウムでの岩田元陸上幕僚長の発言に触れ、「彼は有事の時、ジュネーブ条約で民間人は自衛隊員と同じ場所に居ることはできないと言った。有事の時、民間人は島から出ていけと言ったのだと思う。住民の家や畑、生活基盤はどうなるのか」と、住民を邪魔者扱いする自衛隊の傲慢さに怒りを露わにした。
 上里清美さんは基地に入っていく隊員の家族に向かって訴える、「皆さんはミサイル発射訓練を毎日行っている。抑止力と言っているが、米軍と一緒になって戦争の訓練をしているだけではないですか。電子戦部隊について説明を求めても何の説明もない。子どもを連れて基地に入っていく家族の皆さん、皆さんは戦争になったら逃げることができるでしょう。でも、私たちには逃げる場所がないのです」と、切々と訴えた。
 地元の女性の発言が続く、「武器のない宮古島が当たり前で、この島で亡くなり、骨もこの島に埋めるのだと思っていた。ところがミサイルがやってきた。沖縄防衛局は弾薬庫を造らないと言っていたが、弾薬庫を造った。ミサイルを発射すると毒ガスの塩化水素ガスが出る。ブースターも落下する。ガスが、ブースターがどの範囲で、どのような影響を及ぼすのかも説明しない。防衛局は嘘ばかりついている」と、基地の撤去を求めた。
 自衛隊の訓練場が計画されている沖縄県うるま市の石川地区からの参加者は、「防衛局は十分な説明会もしないまま計画を進めようとしている。防衛局のやり方は許しがたい。石川地区全体、うるま市全体で超党派で反対決議を上げている。訓練場ができてしまうと、台湾有事等を口実に、弾薬庫が、ミサイル基地が、電子戦部隊がというふうに際限なく基地は拡張していく。基地ができても戦い続けている宮古、石垣等南西諸島の戦いに学び、絶対に訓練場を造らせてはいけないという思いで戦っていく」と決意を述べた。
 集会はこの後、歌、シュプレヒコール等を織り交ぜながら、式典終了の11時30分過ぎまで続けられた。基地内では、式典の後は酒食が提供され、模擬訓練など自衛隊によるアトラクションもあるとのこと。ちなみに、一般の参加者の参加費は5000円だそうである。
 しかし、正門から徒歩で入った人の多くは自衛隊員の家族のようであり、一般の参加者はほとんどが車での参加のようだった。自衛隊は運転手に酒を飲ませなかったのだろうか。

宮古島警察が式典に参加、直ちに抗議行動


 昼食休憩をしている私たちに、駐屯地正門前の畑で農作業をしている仲里さんから電話が入る。「基地内でパトカーのサイレンがけたたましい音で鳴り、子どもたちの歓声も聞こえてくる。警察が今年は式典に参加している。アトラクションでパトカーに子どもを乗せているのでは」とのこと。
 抗議のために直ちに基地に向かう。正門前に私たちが到着した時、ちょうどパトカー、白バイ等の警察車両が出てくる。「止まって話をしよう」という私たちの声を無視して走り去る。自衛隊への抗議の後、宮古島警察署にも抗議に行く。
 宮古島駐屯地の責任者の回答によると、自衛隊から警察に参加を要請し、警察が応じたとのこと。ちなみに、同様の要請を宮古島消防署にもしたが、消防署は断ったようである。
 その後、私たちは「みやこ9条の会」と「宮古キリスト者の会」の呼びかけで5時から行われた、「パレスチナとウクライナの平和を祈る」キャンドルスタンデングに参加し、一日の行動を終えた。
 

住民の犠牲は許さない!式典参加の自衛隊員家族にもアピール(2.18)

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