第95回メーデーアピール
大軍拡阻止、生活と地球の破壊の逆転へ
自立した団結と連帯の創造的拡大を
岸田・自公政権打倒!
日本革命的共産主義者同盟(JRCL)/国際主義労働者全国協議会(NCIW)
第95回メーデーを迎えるに当たって、日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)は、平等な社会の中での尊厳ある生活を願って闘い、日々を懸命に生きているすべての労働者のみなさんに心からの連帯のあいさつを送ると共に、私たちもその闘いを率先して共に担う決意を表明します。
イスラエルのジェノサイドとプーチンのウクライナ侵略を止めよう
今世界は、人類に対する許し難い犯罪を目撃しています。イスラエルのパレスチナ民衆に対するあからさまなジェノサイド、そしてロシアのプーチン政権によるウクライナ侵略です。労働者民衆が長い闘いの成果として、曲がりなりにも前進させてきた平等と人権の実現の道を何世紀も後戻りさせかねない暴挙であり、これは何としても止めなければなりません。パレスチナ民衆とウクライナ民衆を支援する労働者民衆の世界的な団結と連帯を一層強め、その力で一刻も早い停戦と占領地からの撤退を、イスラエルのネタニエフ政権とロシアのプーチン政権に強制しましょう。
特にイスラエルのジェノサイドは、いわゆる西側諸大国の支配階級が事実上共謀していることを、したがってその犯罪にはそれら諸大国の支配階級も共同の責任を負っているということを指摘しなければなりません。それゆえ、それら諸国の労働者民衆が自らの支配階級のイスラエル支援を止めさせる闘いが極めて重要かつ決定的な意味をもっています。
そしてその事情は日本もまったく同じです。岸田政権はイスラエルのジェノサイドを批判すらせず、日本の大企業と共にイスラエルとの協力を今も続けています。私たちはこのあり方を即刻止めさせなければなりません。世界の各国でパレスチナ民衆と連帯する行動が強力に展開されています。日本のわれわれもその闘いを共に一層強めましょう。特にイスラエルとの協力停止を求めるBDS(ボイコット・投資引き上げ・制裁)運動を労働者として率先して引き受け、経営にイスラエルへの協力停止を決断させましょう。
未来を壊す岸田自・公政権打倒
この不確実性と危険が深まる世界に対し、世界の支配階級はもっぱら力に頼る政策を強めています。この中で平和憲法を掲げる日本は本来、この動きに正面から対抗し、国際的な民衆の連帯に基づく相互信頼の世界を訴えることが求められるはずです。しかし岸田政権はそれに完全に背を向け、自ら軍拡政策に突進し、死の商人国家への道まで開くと共に、先頃の日米首脳会談では、日本は米国のグローバルパートナーになるとの宣言まで行いました。
このような政策は、世界の、特にアジアでの分断と緊張を鋭角化し、危険を一層高めるにすぎません。もちろん、軍拡予算を上げるまでもなく、社会政策を一層圧迫し、切実に求められている抜本的なエネルギー転換をも阻害し、労働者民衆の暮らしと将来世代の未来を破壊することは明らかです。
もう1点重大な事実を指摘したいと思います。この間世界に支配的な影響力を行使してきた米国を先頭とするいわゆる西側諸大国の支配階級の影響力が不可逆的な歴史的衰退局面に入っていることです。かれらの力への依存強化はその事実への焦りでもありますが、経済の行き詰まりに政治的信用の低落も加わるこの傾向は逆転不可能な展開だと思います。
現実に、現在のイスラエルのジェノサイドに対するかれらの共謀は、かれらが自らの正統性の根拠として誇示してきた平等や人権に関するあからさまなダブルスタンダードを万人に露わにし、かれらの信用失墜に決定打となっています。この時に敢えて米国のグローバルパートナーになる道を選択した岸田政権は、日本を袋小路に引きずり込み、日本の労働者民衆の未来を一層危険にさらしています。
私たちはこの岸田政権の道をきっぱり拒否し、特に中国敵視路線の転換、および平等と連帯と民主主義を求める国境を越える草の根の連帯構築を、労働者民衆の道としてはっきり対置しましょう。そこでの不可欠な課題として、先の道の先頭に立っている沖縄の人々の闘いとの連帯を全力で広げましょう。そしてそれらの力を総結集し、腐敗しきった岸田自・公政権を打倒しましょう。
草の根から労働者の団結再生を
その際私たちにはどうしても克服しなければならない課題があることを確認したいと思います。労働者の団結と労働者運動の明らかな弱体化という現実です。特に新自由主義が広げた非正規雇用や「雇用によらない働き方」という名の無権利労働は、労働条件の劣悪化と並んで労働者の分断を極度に悪化させました。そしてそこには、この分断に抵抗せず、むしろそれを容認した主流労組運動にも大きな責任があること、その結果特に若い世代の団結や連帯への不信を作り出したことも指摘しなければなりません。
そしてそれらは相俟って、職場における労働者の尊厳と権利、さらに職場での発言権までも極度に弱めています。昨年後半から、ビッグモーターの不正、ダイハツ・トヨタの検査偽装、小林製薬の紅麹問題と、立て続けに重大な企業不祥事が発覚しました。これらは、職場に労働者の尊厳と権利が確立され、労働者が自分の仕事に誇りをもって働き自己主張する環境が整っていたとすれば、深刻化する前に是正されていたはずの問題です。
要求をストライキで勝ち取る闘いの率先した実現を基軸に、若者世代の労働運動不信を払拭し、労働者の団結と連帯の再建、労働者の尊厳と権利の回復と一体的な労働者の暮らしの立て直しに意識的に取り組むことが必要です。そのためにはまた、気候正義を求めたり、不公正な入管行政に正面からノーを突き付ける若者の運動、性暴力に反対する女性の運動やジェンダー平等を求める性的マイノリティの運動などを、労働者運動が自ら引き受けることも不可欠な課題になると思います。
これらの取り組みを通して、国家と資本から明確に自立した、また官僚主義を排した団結の創造的な再建に挑戦しましょう。実際支配者こそが明らかに労働者の団結の力を十分に認識し、それゆえ恐れてもいます。全日建関西生コン支部の産別闘争に対する大弾圧こそその証左にほかなりません。団結の拡大と強化を、そしてストライキ闘争の復権を、こうした支配階級への回答として突き付けましょう。
新しい社会の議論に挑戦を
ネタニエフやプーチンの暴虐、それに便乗した世界の支配階級の大軍拡、さらに民衆の強い抵抗を弾圧して強要され続けている社会の貧困化・格差・分断と公共サービスの劣悪化、その上の脱炭素への反逆や原発推進への逆戻り、これらの根源には、生き延びすぎた資本主義の絶望的な行き詰まり、支配階級の社会を包摂的に組織する力の枯渇、いわば生産力の破壊力への転化がある、と私たちは考えます。それゆえ平等と尊厳を求める世界の労働者民衆の闘いは、今客観的に、資本主義の論理と、資本の自己増殖を唯一の原理とする論理と衝突し、その論理を踏み越える力学を内包せざるを得ません。
何よりもまず資本の破壊力をそぎ落とすこと、蓄積された資本を社会に取り戻し、それを社会による民主的な統制下に置くことが課題として現れ、まさに共通して、富裕層や大資本に大幅な課税強化を求める税制転換や、公有化による劣悪化した公共サービスの立て直しがまず要求化され運動化されています。そしてその進展は必然的に、新しい社会への道を求めると私たちは考えます。
したがって新しい社会とは何か、その議論を深めることも今特に先進的な労働者が避けてはならない課題になっている、と私たちは考えます。資本主義が行き詰まっている時代に、資本主義に代わるものはないとの支配階級の精力的な宣伝を放置することは、結局は、多くの労働者民衆に闘争の放棄とあきらめを広げることと等しいからです。
私たちは、その新しい社会を、成長に依存しない、ケアを主体とした必要に応えるエコ社会主義として提起し議論を呼びかけます。そして労働者の新しい社会をつかみ取る議論の活性化に貢献すると共に、その議論を闘いの一層の進展につなげる決意をもって共に闘いを進めます。
第95回メーデー万歳。
第95回メーデースローガン
◦イスラエルはガザでのジェノサイド攻撃を直ちにやめ、軍を無条件に撤退させ、人道援助を妨害するな! イスラエルは西岸の占領をやめ、違法な入植政策を放棄し、入植者の暴力を処罰し、パレスチナ民衆に対するアパルトヘイト政策をやめろ! 日本政府はイスラエルとの協力を直ちに取り止め、日本企業にも協力をやめさせ、イスラエルへの制裁に直ちに取りかかれ! 世界の民衆と共にパレスチナ民衆との連帯をさらに強めよう!
◦ロシアはウクライナから無条件に撤退し、侵略戦争を終わらせ、ウクライナの賠償要求に応じよ!
自己組織化を通じ不屈の抵抗を続けるウクライナ民衆を支えよう! 抑圧に抗し、プーチン政権の戦争に抵抗しているロシアとベラルーシの反戦運動との連帯を広げよう!
◦世界の諸大国はロシアのウクライナ侵略を自己の覇権追求に利用するな! 世界に対立と分断を煽る諸大国の軍拡追求を労働者の国際的連帯で押し戻そう!
◦岸田政権は米国の中国敵視・封じ込め戦略に協力するな! 生活破壊と脱炭素敵対の軍拡を止めよ! 憲法9条を事実上侵犯し、戦争に道を開く「反撃能力」保持の追求を直ちに撤回せよ!
◦9条改憲阻止! 戦闘機輸出容認の閣議決定を撤回せよ! 兵器輸出反対! 戦争法廃止! 東アジアに軍事的緊張をつくるな! 韓国民衆の「徴用工」補償要求に真摯に応じよ!
◦沖縄を再び軍事的前線にすることを止めろ! 沖縄の人々を支える連帯を大きく広げ辺野古新基地建設を断念させよう! 琉球弧諸党への自衛隊とミサイルの配備を止めさせ引き上げさせよう! 普天間の米軍基地を直ちに運用停止に!
◦日米安保条約を破棄し、世界における善隣友好を追求する主体的な外交への転換を! 空港の軍事利用をやめろ!
◦クーデターに反対して決起し暴虐を極める軍政に抵抗を続けるミャンマー民衆に連帯! 日本政府は軍政と関係を絶ち、ミャンマーへのODAも止めろ! 日本の大企業は軍政が関与する事業から撤退せよ!
◦新たな感染症をも予期し、医療の営利産業化路線を転換し、医療を基本的に公的運営に移せ! 病院・保健所の全国的整理・統合計画、および都立病院の独立法人化を直ちに中止せよ! 医師、看護師を含む医療スタッフの大幅拡充政策への転換を!
◦福島の原発被災者支援の打ち切りをやめろ! 原発再稼働反対! 汚染水海洋投棄を止めろ! 六カ所村の放射性廃棄物再処理施設建設を直ちに中止し、核燃リサイクル構想から完全に撤退せよ! 可能な限り早期に原発ゼロ社会へ!
◦自然破壊とエネルギー浪費のリニア建設を直ちに中止せよ! 世界の石炭火発取り止めの動きを邪魔するな! 効果のない技術開発で脱炭素をごまかすな! 再生可能エネルギーへの早期転換を! 住民を追い出し土地所有者に不労利益を与えるだけの都市再開発をやめろ!
◦24春闘勝利! 生活と権利の破壊をストライキで巻き返そう! 全労働者の大幅賃上げを勝ち取ろう! 残業ゼロでまともに暮らせる社会を! 大幅時短で全労働者に正規の職を! 最低時給1500円の全国一律最低賃金の早期実現を! 有期契約労働者の無期転換逃れを許さない! 有期契約労働者に同一労働同一賃金を保証せよ! 派遣労働への派遣先の雇用責任逃れを許さず、派遣労働の抜本的規制を! 非正規労働者の差別的処遇是正を! 裁量労働制の不法拡張のもくろみ糾弾! 不当解雇の金銭解決方式の導入を許さない! 高齢再雇用労働者へのフリーランス適用を許さない! 過労死水準の時間外労働の法的容認を直ちに止めろ! 職場に人権を! ジェンダー平等の実現を! パワハラ・セクハラを許さない! 性的少数者の人権を守れ!
◦技能実習制度の廃止を! 移住労働者に権利保障を! 移住労働者の御都合主義的利用を止め、道理ある移民政策への転換を!
◦「育成就労」制度創設による技能実習制度の欺瞞的看板掛け替えは許さない! 同制度や永住権取り消しを盛り込んだ入管難民法改悪ノー! ウィシュマさんの死亡に対する入官庁の責任解明サボタージュは許さない! 外国人敵視と排除に貫かれた入管行政を解体的に転換せよ!
◦全日建関西生コン支部への弾圧を労働運動総体の闘いではね返そう!
◦個人の国家統制と企業の個人情報利用をもくろむデジタル政策を全面的に見直せ! 知る権利を奪い人権を侵害するセキュリティ・クリアランス制度導入を撤回せよ! 経済安保版秘密保護法反対! スーパーシティ構想反対! マイナンバーカード強要を止めろ! 健康保険証を廃止するな!
◦消費税廃止! インボイス制導入を撤回せよ! 大資産家と大企業への累進課税や金融所得課税などの抜本的課税強化を軸とする課税制度の根本的転換を!
◦災害、パンデミックに対する社会的抵抗力の再構築を! 売りものとしてのサービス提供ではなく権利保障として、公的責任による公共サービスの再建を! 公務非正規労働者の正規化を! 公務雇用の大幅増強を!
◦天皇制関連諸行事の取り止めを! 天皇制を終わりに!
◦生活と地球の未来を壊す道を選択した岸田自・公政権を打倒しよう!
◦世界の労働者民衆と連帯し、成長に依存しない持続可能で平等で民主的かつ公正な抑圧のないエコ社会主義の世界をめざそう!
2024年5月1日

移住労働者の春闘、マーチ・イン・マーチ2024(3.10)
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