5.3東京第10回憲法大集会

武力で平和はつくれない!
とりもどそう憲法いかす政治

 【東京】5月3日、東京・有明防災公園で「武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を 2024憲法大集会」が主催:平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会で行われ、昨年の2万5千人を上回る3万2千人が集まった。
 集会スローガンは次の通り。
◦改憲発議を許さず、憲法をいかし、平和・いのち・くらし・人権を守ります。
◦パレスチナ即時停戦とウクライナからの撤退、憲法9条をいかした平和外交を求めます。
◦敵基地攻撃能力の保有と南西諸島へのミサイル基地配備の撤回を求めます。
◦平和主義をつらぬき、武器輸出の解禁撤回を求めます。
◦沖縄の民意と地方自治を踏みにじる辺野古基地の代執行と建設中止を求めます。
◦原発推進政策の撤回を求め、再生可能エネルギーへの転換を求めます。
◦ジェンダー平等、個人の尊厳を大切にする社会をめざします。
 これらの実現のため、共同の輪をひろげ、金権腐敗、憲法無視の自民党政治を終わらせ、安心してくらせる社会をめざします。

日米のグローバルな戦争に反対

 午前11時からは、ミニステージが行われた。A「自由に話そうトークイベント」B「それってDV? あなたのモヤモヤお答えします モヤモヤすっきリパレード」C「こども憲法ひろば」D「Human Musicライブ」
 午後12時半から、オープニングで古謝美佐子さん(沖縄音楽の第一人者)がゆったりとした沖縄の歌を披露した。
 午後1時から、小田川義和さん(総がかり行動実行委)が集会スローガンで語られていることを説明し、「憲法改悪を許さず、戦争国家体制作りを止めさせ、野党・市民の共闘によって自民党政治を代えよう」と主催者あいさつをした。
 次にスピーチに移った。伊藤真さん(伊藤塾塾長・弁護士)と猿田佐世さん(新外交イニシアティブ〔ND〕代表・弁護士)。
 伊藤さんは大日本帝国憲法の時代は戦争の時代であり、現憲法下では国家としての戦争をやってこなかったとし、「憲法改悪に反対し、憲法を守り生かす政治をやらなければならない」と語った。
 猿田さんは、4月に行われたグローバルな戦争に日米で対処する日米首脳会談を批判し、「軍事力を高めることは大戦争が起こるかもしれない。それを本気の外交により緊張を緩和させなければならない」と話し、「来年の憲法集会には一人でも20代の若者を連れて参加しよう」と訴えた。
 
各政党が戦争国家化を批判
 
 続いて、参加した各党の国会議員があいさつ。立憲民主党の逢坂誠二さん(党代表代行)が「憲法審査会で緊急事態で衆参議員の任期を延長させる案が出ている」と紹介し、改憲に向けた発議の具体化に向けた動きを批判した。日本共産党の田村智子委員長は、日米首脳会談のシームレスの軍事一体化を批判し、「アセアンと協力し、シームレスの対話での解決を」と話した。れいわ新選組の櫛渕真理さん(党共同代表)は平和憲法の存在の意義を語り、イスラエルによるガザの地獄を批判し、東アジアで戦争をさせない、非核化の重要性を話した。社民党党首の福島みずほさんは、戦争の危機を話し、日本が武器輸出国になりつつあり、死の商人国家になってはならない、日本を絶対に戦場にしてはならないと話した。沖縄の風からメッセージが寄せられた。
 続いて「憲法をいかす政治を!」「武力で平和はつくれない」のプラカードが一斉に掲げられ、会場一体となりアピールした。
 市民連合の長尾詩子さんが、衆院補選での立憲の勝利を報告し、「市民と野党の共闘で社会を変えよう、女性の声で政治を変えようと全国27カ所、1500人が参加して街頭行動を行った、ジェンダー平等、自分らしく生きる社会を実現しよう」と連帯のあいさつをした。
 
リレートークで、各戦線の課題を訴え
 
 次にリレートークに移った。①武藤類子さん( 東電刑事裁判原告、「地震と原発」)。「能登半島地震が起きても原発回帰は止まらず、再稼働が進められている。福島の事故を忘れないで。帰れない人、立ち入り禁止区域がいまだにある。汚染水の海洋投棄が行われている。東電刑事裁判は敗訴し、最高裁に行っている。何としても責任を取らせたい」。
 ②山岸素子さん( 移住者と連帯する全国ネット、「難民問題」)。「昨年成立した入管法の改悪によって、強制送還の可能性が高まり、さらに定住外国人に対して、永住権の取消しもありうると法の改悪案が出されている。審議中に国会前で抗議行動を行っているので参加を」。
 ③高里鈴代さん(辺野古新基地を造らせないオール沖縄共同代表、「沖縄課題」)。1952年のサンフランシスコ平和条約によって、沖縄と奄美は切り離されて米軍の施政下に置かれ、米軍基地が53%から70%余に増えたことを紹介し、「72年の復帰後、平和憲法のもとになったが基地の状況は変わらず、かえって自衛隊の基地が増えた」と語り、辺野古での座り込みを紹介し、辺野古に来て共に闘ってほしいと訴えた。
 ④大内由紀子さん(元高校生平和大使、コネクトヒロシマ、「核兵器課題」)。「核兵器禁止条約に70カ国が批准しているのに日本は参加していない。この条約は核なき世界への一歩だ。核兵器はいま1万2500発あるが使われる可能性がある」と警鐘乱打した。
 ⑤猫塚義夫さん(北海道医療奉仕団、「パレスチナ問題」)。「イスラエルは2009年からガザを襲撃し1500人を殺した。それから200万人いるガザを天井のない監獄にした。現在は監獄だけではなく、虐殺の現場だ。4万5千人以上が殺され、10万人がケガをしている。米国はイスラエルに軍事物資を届けている。ただちに止めろ。6月7日に西岸と東エルサレムに支援に行く。これからも寄り添う活動をしていく。パレスチナの解放のために奮闘しよう」と報告した。
 集会の最後に行動提起とエンディング「HEIWAの鐘」合唱があり、その後デモ行進が行われた。憲法改悪を阻止しよう。           (M)

一斉にプラカードを掲げ憲法をいかす、とアピール(5.3)

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