5.3おおさか憲法集会
輝け!憲法
平和といのちと人権と
【大阪】5月3日午後1時45分、快晴の空の下、大阪の扇町公園で「おおさか総がかり行動実行委員会」の主催で、憲法集会が開催された。参加者は5000人であった。
―9条を骨抜きにしようとする人たちに抗し戦い続けよう―
開会あいさつに立った大阪憲法会議の丹羽徹さんは、「安倍内閣は従来の政府解釈を変え、集団的自衛権の行使は可能であるとした。岸田内閣は事実上9条を否定し、安保3文書、経済安全保障の強化、敵基地攻撃能力の保有と突き進んでいる」と現状への危機意識を述べ、「9条を骨抜きにしようとする人たちに抗し、憲法を生かす努力をし続けよう。私たちの声を一層大きくしていこう」と、力強く会場に訴えた。
メインスピーカーの「ピースボート」代表の川崎哲さんは、「ロシアのウクライナ侵略、ガザでのイスラエルの集団虐殺を止めなければならない。第2次世界大戦が終結した時、私たちは国連と平和憲法を手にした。国連憲章では国際紛争は平和的に解決しなければならないとし、国際人権宣言で人々の権利を守る国際法規を定めた。日本国憲法も戦争と軍隊の放棄を定め、平和に生きる権利を明示し、辛くもその理念を守ってきた」と話を始めた。
そして、「アジアが危ない、軍拡を、防衛産業の強化を、経済界にも秘密保護法をと叫ぶ政治家が、軍事産業の勢力が跋扈している。安倍は集団的自衛権で抑止力を高めると語り、岸田は軍事的抑止力を強化して日本が戦争に巻き込まれないようにすると言う。こうした論理を戦争体験のある世代が聞けば、なんと危険な論理なのだと言うだろう。しかし、今の若者たちの戦争のイメージが、ロシアのウクライナ侵略だとするならば、侵略を防ぐためには、軍事力が必要なのではという考え方になるかもしれない」と危惧を示した。
しかし、川崎さんは軍事力の強化は間違っているとして、5つの根拠を上げた。「第1に軍事力の強化とは軍拡競争の道である」「第2に軍拡は人々の資源と機会を奪うが、何も生産せず、破壊しかもたらさない」「第3に核兵器禁止条約には世界の半数の国が参加し、核兵器を造ることも、持つことも、使うことも、脅すことも違法であるということに同意している。相手国を脅し、軍事行動を制約する抑止力には、国際法上疑義がある」「第4に軍事は人権や民主主義とは相いれない。情報管理が始まり、セキュリティ・クリアランスが導入され、そして、経済までも管理されることになる」「最後に、軍事力では問題を解決できない。イラクやアフガニスタンでアメリカは20年間、対テロ戦争を行ったが、未だに両国は混乱の中にある。ウクライナやガザで停戦が実現しても、憎しみや、恨みや、復讐心といった感情は残り、人々を暴力へと駆り立て、暴力の連鎖を繰り返していくことになる」。
そして、川崎さんは「軍事力に変わる道はある。核兵器禁止条約は世界中の市民と広島・長崎を始めとする世界の核の被害者が立ち上がって作った法規である。その法規によって、ロシアが核で威嚇し、イスラエルの閣僚が核の使用をほのめかしても、実際に核を使わせないという大きな力になっている」「市民の活動が平和のためのルールを作り出し、そのことが戦争を止めている。 世界各地に非核兵器地帯が造られ、武器の輸出入を取り締まる武器貿易の管理の条約が造られ、軍縮や軍事管理という形で、軍事力を何とか押し止めようとする綱引きが行われている」「私たちは人々を煽り続ける政治家にもてあそばれ、また戦争の道に進むのか。あるいは過去の戦争の反省のうえに成立した平和のための法規を支持して平和のための行動に出るのか。今日集まった、そして、この集会のことを見聞きした一人一人の行動にかかっている」と、話を締めくくった。
―市民と野党の共闘が新しい政治を開く―
市民スピーチは、イスラエルのガザへの侵略と虐殺に対する抗議活動を行ってきた「関西ガザ緊急アクション」、辺野古新基地建設に反対してきた若い人たちのグループ、万博中止とカジノ建設反対を大阪市民に訴えてきた「万博・カジノに反対する大阪連絡会」。
次は衆院3補選に勝利して意気上がる立憲野党=立憲民主党、共産党、社会民主党、れいわ新選組の国会議員のあいさつ。各議員は等しく、憲法を守るだけではなく、憲法を生かす運動と軍拡反対の運動の展開を訴えた。とりわけ、「市民と野党の共闘こそ新しい政治を開く確かな力」という訴えに会場から、共感する拍手が沸き起こった。
最後に、集会参加者は「いかそう憲法」「とめよう大軍拡」のポスターを扇町公園一杯に掲げると、大阪市内へのデモ行進に出発した。 (山三)
5000人の結集で憲法がいきる政治つくる決意示す(5.3)
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